2023第14節A青森 定まってきた戦い方


攻撃 ビルドアップ フィールド1 ディフェンディングエリア

目的 ゴールキック、GKからのパスを保持してフィールド2へ進むこと

1 敵チームのフォーメーションとポジショニングを確認しどのようにビルドアップを妨害してくるか方法を見分けること

青森は1−3−4−3でHonda DFラインにプレス。ミドルエリアでは1−4−4−2で人に行くプレスに来ていた。

2 DFラインの選手がよりスペースと時間を得るためにチーム全体でポジションを深く広く取る

池松、八戸がパスビルドアップのスタート、この日は川畑がサイドに開きミドルエリア付近から八戸から斜めのパスを受けていた。Hondaの右サイドに多くの青森選手を寄せ、左サイドにスペースを作ることが出来ていた。大きくサイドチェンジして得点チャンスを作り出す方法は、成功したと言える。

3 ボールをショートパスで動かしながら決まったポジションチェンジから2対1を作ること

前半は八戸ー池松ー川畑ー雄也ー富田と、ショートパスでボールを動かし青森がプレスに来ても数的優位が出来ていた。

攻撃 ビルドアップ フィールド2 ミドルエリア

目的 ボールをフィールド3へ進めてチャンスを作ること

1 パススピードを速くし、味方の足元ではなく前方へパスをして
ボールを動かすテンポを速くし敵チームに予測不能な状況を作り出すこと

パススピードを早くすると共に、グラウンダーで速く強いパスを出したい。前半は7回ほど後半は5回ほど、ここのミドルエリアでミスがあった。強く速いパスがあるから、ゆっくりとしたパスやフリックといったパスが活きる。ミドルエリアからアタッキングエリアへボールを運ぶことが大切なので、パスワークに抑揚をつけ敵にプレスに行く時間を与えない。そんなプレーが見たい。

2 敵チームの選手と選手の間に意識的にポジションを取り敵ゴールへの視野を確保すること

右サイドでは右足、左サイドでは左足でトラップをして視野の確保をとりたい。縦にプレーする選手や幅を取る選手、奥行きを取る選手、ライン間で速く動く選手といった多くの情報を得るために必要なプレー。自陣に引くタイミングが大切なので
突き詰めていきたい。

3 縦パスが出せる時は縦パスを出しボールを前に進めることを優先すること

青森の1−3−4−3や1−4−4−2のシステムを採用したため、中央を閉めた状態が多かった。縦よりも縦に近い斜めのパスを出せていた。3点目などはまさに縦からパスコースを探した結果。

攻撃 ビルドアップ フィールド3 アタッキングエリア

目的 ボールを敵陣ゴールに進めてシュートチャンスを作ること

1 各選手がスペースと時間を作るためにチーム全体で広く深くポジションを取る

WGの位置に入る選手のほか、CFの位置、ボールの位置と逆の位置にいる選手が交互に入れ替わりながら試合を作った。規則性があったのかもしれないが青森は守備がしずらかったはずだ。

2 敵にとって対応が難しい3人目の選手を意識的に作ること

オフザボールについては、課題がある。FWのオフザボール、マークを外す、スペース保持、侵入、トライアングル、他の選手を使うといったところは練習の成果を含め磨き上げてほしい。

3 サイドでポジションチェンジなどにより1対1の状況を作り出すこと

1点目と2点目はサイドチェンジによりシュートまで行った結果。特に2点目の八戸の判断のキャンセルから判断を変えたパスは見事だった。全体のプレースピードを消すことなくボールを動かした。

攻撃 ビルドアップ ゴールを決める

1 ゴール前にクロスが上がった時決まった選手が決まったポジションに走り込むこと

ゴール前にクロスというのも「普通のクロス」では、ほとんどのチームが対応する。ゆっくりとしたクロスは、カウンター炸裂の合図となりかねない。高速クロスや高速グラウンダークロスで決まった形を作れたら、ポケット攻略などもうまく行くのではないかと思う。

2 状況が複雑に変わる中、次の状況を予測してゴールにつながるポジションを取ること

状況に応じたプレーや、予測してゴールにつながるポジショニングは、なかなか難しいので「1」のような速いクロスを工夫して精度を高めたい。

3 ボールが敵ペナ内や付近にある時味方DFラインで数的優位を守り敵のカウンターに備える

八戸、池松、松本、雄也選手とブロックを作りつつ対応できるようになった。スピード系やゴロゴリ系の、FWを八戸CB起用により苦手としなくなったのは、大きいと思う。安定した試合運びに貢献している。個人的にはステップが大きくしっかりと踏み込みボールを蹴り長短のパスを出せる川畑CBを見てみたい。川畑にはCBの才能を感じる。入団時一時的にCBを務めたことがあるが、ショートパスのミスがないことや身長の高さ、ロングフィードのコントロールがいいこと。DFラインの裏が見えていること。これらをMFでプレーするよりも、DFというプレスのないポジションから、これらのパスが出せたら敵はDFラインを上げにくくなる。イメージだと元バルサのピケをイメージして欲しい。試す価値は十分あるし成功すると思うが本人が嫌がるかな。😌😌

攻守に切り替え 攻ー守 各フィールド

目的 即プレッシャーをかけボールを奪い返すこと

1 ボールを敵に奪われた時ボールの近くにいる選手が3秒以内に奪い返すこと

失ったボールにプレスに行くのだが、失ったボールを取り戻すほか敵のカウンターを遅らせること。そしていい形で攻め込ませないこと。味方が守備の形を作る時間を作る。といったボールに対し絞り込むような寄せ方が出来ていた。

2 ボールから遠くにいる選手はチーム全体をコンパクトにすることで敵のスペースと時間を奪う 

ボールを中心に守ることで、敵からプレーの判断、分析や決断、プレーの実行の時間を奪う守備はできていた。

守備 ビルドアップの妨害 フィールド3 アタッキングエリア

目的 ゴールキックGKからのパスをキープさせないフィールド2へ進ませない

1 敵チームのフォーメーションとポジショニングを確認しビルドアップの意図を見分けること

1−3−4−3、1−4−3−3で青森は、サイドで起点を作り幅を取る逆サイドの高い位置へボールを展開しHondaのSBの裏SBとCBの間、DFラインの裏にパスを差し込むビルドアップ。

2 チーム全体が25mほどにコンパクトにポジションを取りチーム全体で内側から外側へプレッシャーをかけること

1−4−4−2で理久、岡崎、佐々木、富田とそれぞれボールに近い選手から素早くスペースを埋めていく内側から外側というよりも、全員が前を向いてボールにプレスに行く形で、極力横に走ることや追いかけながらプレスバックすることがないように、しているのだろうと思う。

3 数的優位な状況を作らせないようにボールから遠い選手が前ズレしてプレッシャーをかける

数的優位を作らせないように素早く寄せていた。この部分はチームの約束があるようで躊躇なくプレスに行く。

守備 ビルドアップの妨害 フィールド2 ミドルエリア

目的 敵のビルドアップをフィールド3へ進ませないことチャンスメイク、プレアシストを阻止すること

1 フィールド1で突破された選手もできるだけ早く戻りチーム全体でコンパクトにポジションを取る

中央を締めつつランニングしている。無駄のないランニングが体力の維持につながり、それがプレーの質を担保する。

2 敵チームの選手のボールホルダーの正面に立ち縦パスを妨害して前に進ませないこと

縦を切ることにより「いいカウンター」を繰り出させないことに貢献している。Hondaは、ボランチの位置に入る選手がボールが敵陣にあっても、ボールと自陣を結んだ線上に立つので、ボールロストをしてもカウンターがスムーズにいかないように、スピードを殺しサイドに追いやるか、いい形で終わらないようにさせている。

3 サイドへ追い込んだ時は逆サイドへボールを移動させない

ここはずっと取り組んでいるところで、囲む速さはJFL一番。

守備 ビルドアップの妨害 フィールド3

目的 自陣ゴールへ進ませないこと シュートチャンスを阻止すること

1 突破された選手は出来るだけ早く自分のポジションへ戻りチーム全体でコンパクトにボールサイドへプレッシャーをかけること

チーム全体でプレスに行くが、コンパクトに行ったときにサイドを使われると先制点のように決められてしまう。

2 ボールの場所チームのポジションを確認し次の状況を予測して敵チームを数的不利にする

中央では雄也選手、松本、八戸、池松。サイドでは、岸田、富田、佐々木、川畑とボールホルダーの前方、横方向を切りバックパスならよし!といった感じの寄せ方をしボールを奪えたら奪う。判断の基準も見事だった。

3 チームでコンパクトにポジションを取りボールサイドで数的優位な状況を維持すること

青森の3トップ4MFに惑わされることなく、状況を分析し判断することで敵との間で数的優位を保っていた。だから、敵GKのパワープレーがゴールとなったのは、捨て身にならざるを得なかった。

守備 失点を防ぐ フィールド1 ディフェンディングエリア

目的 敵のシュートチャンスをゴールさせないこと

1 GKからの指示を聞きボール周辺の選択肢を制限し失点を防ぐ

バイタルやペナ内において連携が取れている。青木は今年からレギュラーになったとは思えないほど安定しているし、目線を切らさないのでシュートストップも素晴らしい。天皇杯で勝ち進むとなれば【J】からのオファーもあるだろう。

2 PA内や付近ではマンマークして各選手の役割を明確にすること

マンマークも必要だが、マークに神経がいくとスペースケアが出来なくなる。日本のサッカーカテゴリーは、攻撃、特に「1人」を抜く技術は長けている選手が今後はJ3からJFLにチームが落ちてくる。ゴール前の攻防、CBの人材、やるべきこと連携は高めておかなくてはいけない。

攻守の切り替え 守備ー攻撃 各フィールド

1 敵チームが守備のポジションを取る前にボールを狭いゾーンから広いゾーンへ動かし最終的にシュートチャンスを作ること=チェンジゲーム

SBの位置、今回は川畑がゲームメイクの一端を担ったが、右サイドのディフェンスエリアまたはミドルエリアで八戸、雄也選手、川畑とパス交換をしたときに、逆の左サイドのWGの位置に選手を配し、「ビルドアップの仕上げ」を待っていた。横にジグザグとボールを動かした今節のビルドアップは、有効だった。

2 ボールが敵ゴールへ移動しているときボールから遠いMFやDFもスプリントしてラインを上げチーム全体をコンパクトにする

DF、MFラインがスプリントして・・というフレーズはよく聞くが結局は
【チームワーク】である。状況によっては何度も繰り返すわけですよ。
この天候の中で当然キツイし苦しい訳ですから、ここのタスクはチームワークそのもの。

ここのところHondaFCの試合で見れなくなったのがセットプレー。特に直接決めるキッカーがいないこと。直近では天皇杯で決めた石田のFKくらいか。
ロングスロワーも三浦以外見当たらない。絶対的な走力の速さ中島もらしさは見せていない。一芸に秀でたキャラクターが活かされていない現状に一抹の不安を感じている。