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日常維持装置は人間であることを宣うことができるか?

 小売業や飲食業者の経営者が、自らの事業を《インフラ》《ライフライン》と言うようになって久しい。あらゆる災害があっても店は営業している。だが、経営者自ら店に立つことはないわけで、店に立ち、そのライフラインを支えているのは労働者の方である。

 台風や大雪で鉄道等が運休する時。首都圏であっても、全ての商業施設が営業を取りやめるわけではない。営業の可否をテナントに委ねるとは言っても、臨時休業を申し入れると非難してくるデヴェロッパー(商業施設の運営会社)もある。デヴェロッパーはテナント従業員の安全や健康に配慮することはないし、何かあっても責任を取ることはない。

 日常=店が営業している。改装の作業なんかも夜間に行われることは少なくない。作業に携わる職人やその家族にとっては《非日常》だったりしないんだろうか。

 年中無休、長時間営業の日常。ことごとく人間が減っていってる今ならなおさら、みんな無理しながらそれを維持しているのではないだろうか。

 買い物する側、小売業飲食業の本部の人らは気づかないのだろうか?

 最前線で日常を維持しているのは人間であるということを。

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