ピンクのツルツル
何日も書かずにいました、三日は空いたでしょうか、習慣は三日で消えるといった人間が平気で寝床に突っ伏して時間をぐちゃぐちゃに混ぜてドブに捨てていました、適当な人間は平気でこんなことをします。頭を丸刈りにしたい衝動を抱えて二十四時間は経っています、衝動的に坊主にしたくなるんです昔から、一度気になり始めたらもう止まらないんですね、四六時中髪が気になります、その存在が許せなくなるんです、さっさと刈り上げて、どうせ髪の毛はすぐ生えてきますから、すっきりした方がいいんでしょうが、日常生活もあるわけで、頭の中だけで毎日を過ごしているわけでもありませんから、坊主になったところで特にどうということもないんですが、いきなりフサフサの髪がさっぱり消えたら驚かれるわけですね、そして理由でも聞かれたらこれが面倒なわけです。何もかもが面倒な時に髪の毛まで邪魔になってその上面倒ごとが増えたらたまったもんじゃないよと、こう言うわたしもいるわけですよ。別に答えはなく好きにすればいいんですが、好きにする他ないんですが、なんでも好きにしろと言われても困るから生きるのも大変なわけじゃないですか。そうしてまた頭を刈りたくなる。一度でいいから全身の毛を無くしてしまいたいと中学生のわたしは考えていました、そうして今も同じことを考えています、どうせジジイになったら、ジジイなんて言葉は自分に向けてだから出てくる乱暴さです、いや嫌なジジイにはジジイと言える気概は持ちたいですね、毛なんていつかは抜けるわけで、でもお爺さんの耳の穴から長い毛が伸びているのに驚いてそれで耳は聞こえるのかと勝手に心配して、加齢でそもそも耳は遠くなっているかもなんて考えたことを思い出しました。つまり加齢によって毛は抜けるとは決まっていないし、むしろ伸びることだってあるわけです、全身脱毛以外にツルツルのキューピーちゃんみたいにはなれないんですね、キューピーちゃんは頭に毛のようなものが生えていた気もしますが、あの赤い輪郭線を凝視したことはないですから定かじゃありません。全身ツルツルになりたい欲は一般的ではないのかあまり共感されません、一度分かる!と意気投合した女の子がいた気がしますが、顔も名前も思い出せません、妄想かもしれません、しかしいた気がする時点で妄想でも事実でも大した違いはありません、記憶は記憶です、その色をしているだけです。何を書いているのかわからないですね、いつものお決まりです、急に我に帰るようにして、歩いていたことに初めて気がついたように立ち止まる。まるで夢遊病者です、まるでと書きましたがわたしは実際に夢遊病でした、しかし夢遊病者は自分が夢遊病と気づくことはありません少なくともわたしは知りませんでした、わたしが知らないうちに勝手に起きて勝手に行動しまた寝床に戻ってくるので気付きようがないんですね、翌朝家族にまた昨日の夜起きてきて突っ立っているから早く寝なよと言ったら戻って行ったよと言われて初めて知るわけです、そうなんだとしか言えないんですねわたしは。またどうでもいい話が出てきました、いえ最初からどうでもいい話しか出ていません、むしろこの口からはどうでもいいことしか出てこないんですね、だから三日も平気で書かずにいられるんです。立ち止まった分勢いが失われる、なんて話もいいですね、すでに三日も立ち止まっていたわけですから、それどころか座り込んで寝込んでまでいたわけです、少し立ち止まることがなんだという話ですまだ立っているんですから。ここまで書いて数時間経ちましたが、いまだに頭を刈り上げたい気持ちのままでした、しかし風呂に入りさっぱりしたらだいぶん収まりました、風呂は命の洗濯だとは良く言ったものです、脳みそのグニョグニョを解いてあげて長い一本のピンクのソーセージにして優しく洗いたいです、きれいに、さっぱりと。青い空に乾いた音が響きます、響いた音が消えるとき後にはなにもない、きれいにさっぱりと、ピンクのツルツルをただ風が撫ぜるだけです。