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異説 大阪の陣

このたび、拙著『異説 大阪の陣』を上梓いたしました。

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「参る!!」
真田幸村はただ一騎、大坂城から新宮山八幡宮を目指す。
彼の行く手を阻むものは現れぬ。
秀吉も秀頼も淀殿もすでに死に、残るは家康一人。
天下の覇王は目前に迫っていた。
「者ども続け! 一歩も引くな!」
槍を振りかざし、幸村を邪魔する者は次々と討ち取られていく。
どれもこれも、ただの雑兵である。
徳川家康の忠実なる配下たちは、全て真田軍に討ち取られた。
もはや、止める者は誰もいない。
「家康! 今日こそはその首を貰い受ける!」
豊臣家は滅亡し、家康の天下統一は目前だ。
ならば、その天下を掌中に収めるのはこの男しかいない。
そう誰もが確信する中、それでも幸村には不安があった。
(……この胸騒ぎは何なのだ)
それは、本能が鳴らす警鐘であると幸村は理解していた。
「儂の敵は、もはやお前だけだ。秀吉亡き今、天下は最早お前のものではない」
「否! 日ノ本の統一こそ我が宿願! この機を逃せば二度とその機はない!」
「儂には守るべきものが他にある。この国を乱してはならぬのだ!」
幸村と家康、二人の覇王が激突する。
結果は歴然だった。
戦場を縦横無尽に駆ける幸村に対し、家臣団を失った家康は一歩も引こうとしない。
家康はただ、清正を真っ直ぐ見据えている。
その瞳に宿る決意がどれほどのものか、幸村には理解できた。
(なぜだ!? 貴様とて戦乱を望まぬ一人の武将ではなかったのか!?)
豊臣家を滅亡させた今、家康には何の憂いもないはず。
豊臣家の家臣たちは既に全て討ち取った。
残る家臣も徳川につくか、豊臣家に殉じて死ぬかを選ばなければならない。
豊臣恩顧の幸村にとって、徳川家は憎むべき敵である。
しかし、家康にとっても真田家は憎むべき敵だ。
そのはずなのに、なぜこうも迷いのない眼でこちらを見据えるのか?
「ぬぅぅぅぅううう!!」
気が付けば、幸村は槍を捨てていた。
「徳川殿! もうやめましょう!」
「やめる? 何を言うておる?」
「もう日ノ本の民が苦しむ時代は終わったのです! これからは民が国を支え、太平の世を築いていく。それが豊臣殿と徳川殿の願いだったはず!」
「それなのにこの戦は何事ですか」
「幸村……。」
家康は刀を抜く
「おのれ太閤殿下! なぜ家康様を信じた! 儂ではなくなぜ家康を!!」
「……すまぬ」
それは心からの謝罪だった。
「許せぬ!! もう引き返すことなどできぬのだ!!」
幸村は叫び続ける。
涙を流し、喉が張り裂けんばかりの声で叫ぶ。
「なぜ貴様も徳川ではなく、豊臣を選んだのだ!? それほど儂の器量が小さかったか!?」
「違う! 儂はお前の器量を認めていた!」
「ならばなぜ!?」
家康は、絞り出すように声を出す。
「許せ……幸村」
「なにを……」
家康の眼から涙が溢れ出した。
その涙を見て、清正はようやく気付いた。
この男は天下のために豊臣家を滅ぼしたのではない。
家康は天下泰平のために、豊臣家を滅ぼさざるを得なかったのだと。
「儂が間違っていた……儂はなぜこうなってしまったのか……」
「……もういい」
幸村はゆっくりと家康に歩み寄る。
そして、その手から刀をもぎ取った。
「もうよいのだ。全て終わったこと……これ以上皆が争うことなど無意味だ」
「そうか……」
家康はもう何も言うことなく、その場に座り込んでしまった。
もう戦う意志はないと、清正も悟った。
「だが、儂は徳川家を許すことはできぬ」
「……分かっている。だから、儂を殺せ」
幸村は家康から奪った刀を上段に構えると
「ぬぅううううん!!」
一閃が煌めいた瞬間、幸村の持つ刀が家康の首を刎ねていた。
「これでよいのだ……」
家康の体が倒れ、頭が転がる。
だが、その死に顔はどこか安らかだった。
「さらばだ……家康殿」
清正は家康の首を両手に持つと、炎上する大坂城に向かって突き出す
豊臣家は滅んだ、徳川家も滅んだ。
そして、日ノ本に新たな時代が訪れるのだ。
「この戦、儂の勝ちだ」
こうして、天下分け目の最終決戦は幕を閉じた。

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次のネタを考えた時、思い浮かんだのがペリー来航、幕末史の改編でした
次回も短編になるか、長編になるか分かりません。

プロットと言うか、思いつきはこんな感じ

ミッドウェー海戦に出撃する連合艦隊が幕末にタイムスリップしちゃったら?
1942年6月5日から7日にかけて、ハワイ諸島北西のミッドウェー沖で日米両海軍の機動部隊が繰り広げた大規模な戦闘がミッドウェー海戦です。

年代は違いますが、月日が近い事から着想を得ました
日本の転換点は幕末の黒船来航、明治維新、不平等条約、工業力の差、軍事力の差。


ペリー来航とは、1853年6月3日にアメリカ合衆国海軍東インド艦隊司令長官マシュー・ペリーが率いる艦船4隻が日本に来航した事件です。

当時、アメリカでは中国貿易や日本近海での捕鯨のために太平洋を航行する船が増えており、日本の港で食料や燃料を補給したいとの要望が増加していました。

■砲艦外交による不平等条約
1851年5月29日(嘉永4年4月30日)、大統領・フィルモアは、日本の開国と通商関係を結ぶことを目指し、東インド艦隊司令官の代将ジョン・オーリックに遣日特使としてその任務を与え、1851年6月8日に蒸気フリゲート「サスケハナ」は東インド艦隊の旗艦となるべく極東に向かって出発した。
しかし、オーリックはサスケハナの艦長とトラブルを起こしたことで解任され、1852年2月、代将マシュー・カルブレース・ペリーにその任が与えられた。
ペリーは、海軍長官ケネディから1852年11月13日(嘉永5年10月3日)付で訓令を受けている。

オランダからの事前通報
1852年7月21日(嘉永5年6月5日)、オランダ商館長のヤン・ドンケル・クルティウスは長崎奉行に「別段風説書」(幕末出島未公開文書 として保存される)を提出した。そこには、アメリカが日本との条約締結を求めており、そのために艦隊を派遣することが記載されており、中国周辺にあるアメリカ軍艦5隻と、アメリカから派遣される予定の4隻の艦名とともに、司令官がオーリックからペリーに代わったこと、また艦隊は陸戦用の兵士と兵器を搭載しているとの噂があるとも告げていた。

老中首座 阿部正弘は、夏ごろには溜間詰の譜代大名にこれらを回覧し意見を求めた。
海岸防禦御用掛(海防掛)にも意見を聞いたが、通商条約は結ぶべきではないとの回答を得た。
大名たちは開国派と攘夷派に割れた。

黒船来航と時を同じくして、大日本帝国海軍が誇る連合艦隊が江戸時代にタイムスリップした。
江戸時代にタイムスリップした連合艦隊が、江戸を侵略している四隻の黒船と戦う……といった話から始まる。もしくは拿捕し、アメリカに向かうというストーリーも良いか。

軍艦一隻のタイムスリップはよくある小説ですが、大艦隊だとどうなるでしょう?
圧倒的な強さを見せるでしょうが、補給・兵站問題が起こるでしょうし
江戸幕府や朝廷との交渉も必要になるでしょう。

資源開発をして燃料調達、並行して軍港の整備、道路などインフラ整備、ヨーロッパの外国船への対処、1853年の江戸時代への技術移転の加減。

タイムスリップしてきた未来の艦隊と敵味方に分かれる大名たち
資源獲得と国内を納めるために海外へ出兵

資源確保のためにシベリアへ侵攻するという手段も考えられる。
石油、天然ガス、レアメタル、金山、石炭などが豊富だ。

武器弾薬、衣類、燃料、食料を増やす経済政策 内需拡大
日本列島に複々線の標準軌鉄道網を・・・色々と考えられますね。


連合艦隊
第一機動部隊(第一航空艦隊基幹) 指揮官:南雲忠一中将
第一航空戦隊 司令官:南雲忠一中将

主力艦にはそれぞれ大量の金塊・銀塊が積まれていた。

ミッドウェーから先、ハワイの占領が成ったら現地で物資調達や人足を雇う為だ。
それが作戦変更で江戸幕府か朝廷に流れると経済に与える影響は計り知れない。

航空母艦:赤城(零戦二一型×21機、九九艦爆一一型×21機、九七式艦攻一二型×21機)
航空母艦:加賀(零戦二一型×21機、九九艦爆一一型×21機、九七式艦攻一二型×30機)
第二航空戦隊 司令官:山口多聞少将

航空母艦:飛龍(零戦二一型×21機、九九艦爆一一型×21機、九七式艦攻一二型×21機)
航空母艦:蒼龍(零戦二一型×21機、九九艦爆一一型×21機、九七式艦攻一二型×21機、二式艦偵一一型×2機)
第八戦隊 司令官:阿部弘毅少将

利根型重巡洋艦;利根、筑摩(零式三座水偵×6機、九五式水偵×4機)
第三戦隊第二小隊 ※先任の高間完榛名艦長が指揮

金剛型戦艦:榛名、霧島(九五式水偵×6機)
第十戦隊 司令官:木村進少将

長良型軽巡洋艦:長良(九四式水偵×1機)
第四駆逐隊 司令:有賀幸作大佐
陽炎型駆逐艦:嵐、野分、萩風、舞風
第十駆逐隊 司令:阿部俊雄大佐
夕雲型駆逐艦:風雲、夕雲、巻雲
陽炎型駆逐艦:秋雲
第十七駆逐隊 司令:北村昌幸大佐
陽炎型駆逐艦:磯風、浦風、浜風、谷風
部隊直率

油槽艦:東邦丸、極東丸、日本丸、国洋丸、神国丸、日朗丸、豊光丸、第2共栄丸
艦載機(空母機以外)合計
零式三座水偵×6機、九五式水偵×10機、九四式水偵×1機

主力部隊主隊(連合艦隊直率基幹) 指揮官:山本五十六大将


連合艦隊
本隊(第一戦隊)連合艦隊司令長官直率

大和型戦艦:大和(零式観測機×3機 、零式三座水偵×3機)
長門型戦艦:長門、陸奥(零式観測機×合計6機)
警戒隊(第三水雷戦隊)指揮官:橋本信太郎少将

川内型軽巡洋艦:川内(九一式水偵×1機)
第一一駆逐隊 司令:荘司喜一郎中佐
吹雪型駆逐艦:吹雪、白雪、初雪、叢雲
第一九駆逐隊 司令:大江覧治大佐
吹雪型駆逐艦:磯波、浦波、敷波、綾波
空母隊 (梅谷薫鳳翔艦長が指揮)

軽空母:鳳翔(九六式艦戦×11機、九六式艦攻×8機)
峯風型駆逐艦:夕風
特務隊 (先任の原田覚千代田艦長が指揮)

千歳型水上機母艦:千代田(零式三座水偵×28機)
日進型水上機母艦:日進(魚雷艇×5隻)
第一補給隊 主力部隊主隊直率

初春型駆逐艦:有明
油槽艦:鳴戸丸、東栄丸
主力部隊警戒部隊(第一艦隊基幹)' 指揮官:高須四郎中将

本隊(第二戦隊)指揮官:高須四郎中将

伊勢型戦艦:伊勢、日向(零観×合計6機)
扶桑型戦艦:扶桑、山城(零観×合計6機)
警戒隊(第九戦隊基幹) 指揮官:岸福治少将

球磨型軽巡洋艦:北上、大井
第二四駆逐隊 司令:平井泰次大佐
白露型駆逐艦:海風、江風
第二七駆逐隊 司令:吉村真武大佐
初春型駆逐艦:夕暮
白露型駆逐艦:白露、時雨
第二〇駆逐隊 司令:山田雄二大佐
吹雪型駆逐艦:天霧、朝霧、夕霧、白雲
第二補給隊 警戒部隊直率

白露型駆逐艦:山風
油槽艦:さくらめんて丸、東亜丸
艦載機合計(空母機以外)
零観×21機、零式三座水偵×31機、九一式水偵×1機

攻略部隊(第二艦隊基幹)本隊 指揮官:近藤信竹中将

第四戦隊第一小隊 司令官:近藤信竹中将

高雄型重巡洋艦:愛宕、鳥海(零観×4機、零偵×2機)
第五戦隊 司令官:高木武雄中将

妙高型重巡洋艦:妙高、羽黒(零観×4機、零偵×2機)
第三戦隊第一小隊 司令官:三川軍一中将

金剛型戦艦:金剛、比叡(九五式水偵×6機)
第四水雷戦隊 司令官:西村祥治少将

長良型軽巡洋艦:由良(九四式水偵×1機)
第二駆逐隊 司令:橘正雄大佐
白露型駆逐艦:五月雨、春雨、村雨、夕立
第九駆逐隊 司令:佐藤康夫大佐
朝潮型駆逐艦:朝雲、峯雲、夏雲
睦月型駆逐艦:三日月
攻略部隊本隊直率

瑞鳳型航空母艦:瑞鳳(九六式艦戦×6機、零戦二一型×6機、九七式艦攻一二型×9機)
油槽艦:健洋丸、玄洋丸、佐多丸、鶴見丸
艦載機合計
零観×8機、零式三座水偵×4機、九五式水偵×6機、九四式水偵×1機

攻略部隊支援隊(第七戦隊基幹) 司令官:栗田健男少将

第七戦隊 司令官:栗田健男少将

最上型重巡洋艦:最上、熊野、三隈、鈴谷(零観×8機、零偵×4機)
第八駆逐隊 司令:小川莚喜大佐
朝潮型駆逐艦:朝潮、荒潮
支援隊直率

油槽艦:日栄丸
艦載機合計
零観×8機、零式三座水偵×4機
攻略部隊護衛隊(第二水雷戦隊基幹) 司令官:田中頼三少将

第二水雷戦隊 司令官:田中頼三少将

川内型軽巡洋艦:神通(九四式水偵×1機)
第一五駆逐隊 司令:佐藤寅治郎大佐
陽炎型駆逐艦:親潮、黒潮
第一六駆逐隊 司令:渋谷紫郎大佐
陽炎型駆逐艦:雪風、時津風、天津風、初風
第一八駆逐隊 司令:宮坂義登大佐
陽炎型駆逐艦:陽炎、不知火
朝潮型駆逐艦:霞、霰
艦載機合計
九四式水偵×1機
護衛隊直率

第一号型哨戒艇:第1号哨戒艇、第2号哨戒艇
第三十一号型哨戒艇:第34号哨戒艇
油槽艦:あけぼの丸
輸送船:清澄丸、ぶらじる丸、あるぜんちな丸、北陸丸、吾妻丸、霧島丸、第二号東亜丸、鹿野丸、明陽丸、山福丸、南海丸、善洋丸
攻略部隊占領隊 司令官:太田実少将

第二連合特別陸戦隊 司令官:大田実(海軍)大佐

横須賀第五特別陸戦隊(約1,450名)
呉第五特別陸戦隊(約1,100名)
第一一設営隊(約1,750名)
第一二設営隊(約1,300名)
第四測量隊
陸軍一木支隊 支隊長:一木清直(陸軍)大佐(合計約2,000名)

第二十八歩兵連隊(1個大隊)
工兵第七連隊第一中隊
独立速射砲第八中隊
攻略部隊航空隊 指揮官:藤田類太郎少将

第一一航空戦隊 司令官:藤田類太郎少将

千歳型水上機母艦:千歳(零観×12、零偵×12)
神川丸級特設水上機母艦:神川丸(零偵×4、零観×8)
陽炎型駆逐艦:早潮
哨戒艇:第35号哨戒艇
工作艦:明石
艦載機合計
零観×20機、零式三座水偵×16機

先遣部隊本隊 指揮官:小松輝久中将

香取型軽巡洋艦:香取(九四式二号水偵×1機)
艦載機合計
九四式二号水偵×1機
先遣支隊(第八潜水戦隊基幹)

報国丸級特設巡洋艦:報国丸、愛国丸(合計:九四式水偵×4機)
伊十五型潜水艦:伊15、伊17、伊19、伊25、伊26(合計:零式小型水偵×5機)
伊百七十四型潜水艦:伊174、伊175
伊百二十一型潜水艦:伊122
第三潜水戦隊
特設潜水母艦:靖国丸
伊百六十八型潜水艦:伊168、伊169、伊171、伊172
伊九型潜水艦:伊9(合計:零式小型水偵×1機)
伊百二十一型潜水艦:伊123
第五潜水戦隊
特設潜水母艦:りおで志゛やねろ丸
伊百五十六型潜水艦:伊156、伊157、伊159
伊百五十三型潜水艦:伊158
伊百六十一型潜水艦:伊162、伊164
伊百六十五型潜水艦:伊165、伊166
伊百二十一型潜水艦:伊121
艦載機合計
九四式水偵×4機、零式小型水偵×6機
第11航空艦隊

ミッドウェー諸島派遣航空隊
零戦×36機
一式陸上攻撃機×10機
飛行艇×6機
千歳海軍航空隊
零戦×36機
九七式三号艦上攻撃機×36機
オール環礁/ウォッジェ環礁方面航空隊並びに第1航空群
零戦×36機
九七式三号艦上攻撃機×36機
九七式飛行艇×36機

太平洋のほぼ中央に浮かぶトラック諸島。巨大なサンゴ礁に囲まれ大小200余りの島々が点在している。
第一次世界大戦後の大正8年(1919年)に日本の委任統治領となり、民間人や軍人・軍属など約2万人の人々が暮らすようになっていた。島には町が作られ、病院や小学校、映画館や料亭までが立ち並んでいた。

これも江戸湾に連合艦隊がタイムスリップした時の参考になるかも。

考えることが多く、しかし、需要の少ないオワコン大逆転小説を考えることに意味があるのかもひっくるめて、妄想してみたい。

自衛隊ならどうか。。。

自衛隊三軍の階級章一覧です

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