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自然観察天気予報

天気予報は、1820年にドイツのブランデスが地図上に気圧の分布を表したもので始まりました。

日本では、1883年3月1日に初めて天気図が配布され、1884年6月1日に初めて天気予報が発表されました。
1953年にテレビでの放送が始まり、1955年には日本電信電話公社(現在のNTT)が局番なしの「177」で天気予報サービスを開始しました。

天気予報がなかった時代は、空の色や風向き、雲や霧の様子などの自然現象、生物の行動の様子などから天気を予想する「観天望気」が一般的でした。中国や日本には観天望気の法が古くから伝わり、風雷雨雪を占ってきました。

雲は大きく分けると、発生する高さに応じて3種類(上層雲、中層雲、 下層雲)、さらに分けると10種類に分けることができます。

世界気象機関では、雲を10種類に分類しています
十種雲形は次の通り(小学5年生の理科知識)
・巻雲(けんうん)・すじ雲:上層(5000~13000m)
・巻積雲(けんせきうん)・うろこ雲・いわし雲:上層
・巻層雲(けんそううん)・薄雲:上層
・高積雲(こうせきうん)・羊雲・むら雲:中層(2000~7000m)
・高層雲(こうそううん)・おぼろ雲:中層
・乱層雲(らんそううん)・雨雲・雪雲:下層~中層(数百~6000m)
 雲の頂上は1万メートル以上の事も
・層積雲(そうせきうん)・うね雲・くもり雲:下層(2000m以下)
・層雲(そううん)・霧雲(きりぐも):下層 地面すれすれにできると霧
・積雲(せきうん)・わた雲(わたぐも):下層
・積乱雲(せきらんうん)・雷雲・かなとこ雲:下層~上層(2000m以下~13000m)

これらの雲形は、高さや形、雨を降らせるかで、あるルールに従って付けられています。

・雲が西から東へ行くときは、天気は順調である
・雲が北の方向や、東北へ動くときは天気は悪くなる
・その雲が低く黒い雲であれば、また速ければ雨は近い
・黒い雲が山いっぱいに低くかぶれば雨、うろこ雲、ひつじ雲は雨が近い
・飛行機雲がすぐに消えないから、雨が降るね
・きれいな夕焼けが見えるから、きっと明日は晴れる
・ツバメが低く飛んでいるから、雨が近いよ
・遠くの電車の音が聞こえるから、天気が悪くなりそう
・山頂に笠のような雲が現れると次の日は雨
・かなとこ雲が近いと急な大雨、雷、ひょう、竜巻などの突風に気をつけよう
・雲の高さが違うところで行き違いが見えるから、低気圧や台風が接近している

太陽の周りに現れる、虹のような光の輪のことを日暈(ひがさ、ハロとも)いいます。
日暈は薄雲の時に見られ、雲の中にある氷の粒に太陽の光が屈折してできる現象。

日暈が見られるときは、実は天気下り坂のサインといわれており、低気圧や前線が接近して天気が崩れる前触れといわれているのです。低気圧や前線が接近してくると、空高い所から空気が湿ってきて薄い雲ができますが、そこで日暈が発生するのです。

また、江戸時代には、安全な航海に必要だった「日和見」を主目的とした港近くの見晴らしの良い小山は「日和山」と名付けられ、頂上には方向を確かめるための方角石が置かれていました。

日本の気象観測は、1872年に函館地方気象台の前身である「函館気候測量所」が開始しました。
1000年以上前から天気予報はあったという説も聞かれますが、陰陽師は天気を占っていたようです。あくまで予報ではなく占いレベル。

明治8年(1876年)6月1日には内務省地理寮量地課が東京気象台を設立し、中央気象台の基礎を作りました。
東京気象台は明治20年(1887年)1月に中央気象台と改称され、昭和31年(1956年)7月に気象庁となりました。
昭和の時代からは雨雲レーダー、後には人工衛星もあげられ、スーパコンピューターで天気予報されるようになってからは確度が上がり、現在では災害予測も出来るようになってきています。

水10ドラマ 『ブルーモーメント』では、数学者がコンピューターを活用して「災害を計算」していく減災がテーマのようです。

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