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"都会風を吹かさないよう心掛けて" 福井県池田町の7か条を考える

背景


今、ツイッターで福井県池田町が移住者に対して要求した7か条が話題になっています。

”第4条 今までの自己価値観を押し付けないこと。また都会暮らしを地域に押し付けないように心掛けてください”

”都会風を吹かさないように心掛けてください”

”第5条 プライバシーが無いと感じるお節介があること、また多くの人々の注目と品定めがなされていることを自覚してください。”

https://www.town.ikeda.fukui.jp/pick/pickjukyo/p002780_d/fil/nanakajou.pdf

なかなか強めで棘のある表現ですね。
過疎化で苦しむ地方が偉そうに要求するな!という意見が大半で炎上しているように思います。
一方で、地方の勝手にさせてあげては?や正直に伝えていて、かえって親切では?という意見もみられました。
地方のこのようなスタンスはどう捉えたら良いのでしょうか?考えてみました。

考察


結論から言うと、国から援助を受けている限りは、過疎化に悩む地方は、最大限、自立する努力をすべきだと思います。
自立するとは、自分達だけで成り立つ歳入を確保することだと思います。
そのためには、他の地域と合併しない限りは、流入を増やす努力が必要だと思います。
流入を増やすためには、他地域のカルチャーに自分たちが極力合わせていく努力が必要なのではないでしょうか。

池田町は、平成元年に4438名住民がいましたが、令和4年には2327名になり、52%まで減少しており、まさに過疎化が進んでいます。

一方で、歳入の約半分を国から援助(地方交付税)を受けて成り立っています。
令和2年の歳入は約41億円ですが、そのうち地方交付税による歳入は約19億円で、全体の46%を占めます。

深刻な過疎に悩み、国から多くの補助を受けないとやっていけない状況では、他の文化に合わせてでも、なりふり構わず自助努力をする姿勢が必要なのではないかと、厳しいですが、感じてしまいます。

もちろん、地方には地方の考え、風習があり、尊重すべきというのは正しいと思います。
ただし、それを貫きたいのであれば、国からの援助を受けず、自力でやりくりすべきかと感じてしまいます。

おまけ


ちなみに、地方交付税について、全国的な視点から見てみます。
総務省の説明によると、地方交付税は、地方団体同士の財源の不均衡を調整するために、地方団体が一定の水準を維持できるように国税として徴収した税を地方に再配分する税だそうです。
財源は、所得税や法人税や消費税からなります。

ただ、詳しくないので、正確ではないかもしれませんが、中身を見てみると、人口などで一律に必要な金額を算出しているそうで、どうやら国が、各地方の努力などを審査して配分しているわけではなさそうです。

努力を勘案しないで、一律配分するお金となると、努力するインセンティブがなく、この制度設計は問題でないかと感じてしまいます。

ちなみに、令和3年の国の歳入103兆円のうち、地方交付税に割り当てられるのは16兆円で全体の16%にもなります。

巨大な額ですね。
これが、もし地方の自助努力に対する厳しい審査に基づかずに機械的にばらまかれている金額だとしたら、悲しいですね。
もし、きちんと審査してそれに基づいて、適切に割り振ったとしたら、10%くらいは削減できそうな気もします。
10%でも1.6兆円に上り、話題の防衛費の増額なども補填できるくらいの規模になりそうです。
このように、まだまだ脂肪が残っており、増税するなら、まずは筋肉質にしろ!という世論にも一理あるように感じてしまいますね。


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