PERFECT DAYS/役所広司

人生は変化である。
変わらない日常に見えるが、日々変化している。本人が望む、望まないに関わらず、周囲の環境や時間の経過と共に、変化が生ずる。

同僚の色恋沙汰に巻き込まれる。
行きつけの居酒屋がお客さんで溢れていて、いつもの席でいつもの雰囲気が楽しめない。
姪っ子の家出による同居生活。
同僚の急な退職により、残業を強いられる。
いつもの場所にいつものホームレスがいない。

変わっていくからこそ、変わらないものの大切さにも気づくことができる。

劇中だと、カセットテープの音楽や、育てている鉢植え、これらはいつも変わらずそこにいる。

自分の人生は自分で決められる、というのは半分は当たっているが、半分は傲慢なのかもしれない。

「今度は今度、今は今」
変化を受け入れ、人生を楽しみたい。
慌てず騒がす、人生は動き出す時には、自ずと動き出す、くらいの心持ちで、いつもの日常を楽しんで生きたい。

姪っ子と暮らすシーンはすごく良い。
にこちゃん、透明感の中にある芯の強さが垣間見えて、とてもよかった。
平山さんと過ごした数日間が彼女の人生に大きな影響を与えたであろう。

ラストシーンの後、平山さんの人生にも大きな変化が生じたのだろうか。
嬉しいような、そのままでいてほしいような、複雑な感情である。

追記 劇中、平山さんが撮ったにこちゃんの写真が見たい!10で言うと9ぐらい。

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