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下甑手打診療所での2年間で学んだ総合診療の本質@離島・へき地で未来の医療体験記

昨日、人生で初めてタイヤが破裂する音を聞いた室原です。路駐しようとして壁際に寄ったら、小さなでっぱりに突撃してました。。。
#バオォォ ~ン!!って

その後、10mほど先にあったガソリンスタンドに行き、5分で直してもらいました!秒殺(笑) タイヤパンクしても困ることがない、とても住みよい甑島!皆さんもいかがでしょうか?

破裂したタイヤの交換中

3月29日をもって室原は下甑手打診療所を退職しました。
2年間の離島へき地の勤務と室原としては初めての経験でしたが、とても楽しく働くことができました。というかかなり自由に働かせてもらいました(笑) 悲しいこともつらいこともありましたが、診療所の皆さんありがとうございました!今回はちょっとおセンチになってるので少し長めですがおつきあいくださいm(__)m

この2年間を通して総合診療医として学ばせてもらって、自分の中で納得できる考えがいくつかあります。

総合診療医の本質はニーズに応え続けるマインドのことではないか」
「自分がスライムのように変化して、様々な考えをもった患者に適応する必要がある」
「患者満足度を高めるためには笑いが効果的」

などなど。個人的になかなかいい線いってるなと思ってます(笑)

僕はいわゆる総合診療の専門医研修などに参加しているわけではありません。同年代はそろそろ総合診療の専門医を取得するころでしょうか。
専門医に興味が無いわけではなく初期研修後のモラトリアムを堪能してたらこうなってました(笑)

それでもこの地で働くと、その専門医研修プログラムの内容を自然と学んでいました。学習項目が驚くほど一致するんですね!離島へき地は、都会では分散されて求められるニーズが、まとめて全部自分に飛んできます! ど真ん中ストレートから顔面すれすれの暴投まで(笑) それが楽しくて総合診療医にとってやりがいしかない環境だな~思っているのですが、それと同時に「これは研修プログラムが無くても日常診療のなかで学べることなんだ」と思いました。

それでも僕は素晴らしい総合診療医の先生たちをたくさん知っていて、その先生たちの「専門性」は他科の先生達にマネが出来ないことも知っています。だからこの「専門性」って何だろう?って考えてて、その結論が「総合診療医の本質はニーズに応え続けるマインドのことではないか」だったりします。「自分がスライムのように変化して、様々な考えをもった患者に適応する必要がある」だったり。

総合診療医が身に付ける知識は誰でも勉強すればできる。でも総合診療医の「生活含めて相手に徹底的に寄り添い続ける力」はやれる環境含めて他科の先生方にはなかなかマネできないんじゃないかなと思います。僕は患者の話を聞いて、自分の意見を曲げる先生(看護師)がよだれが出るほど好きです(笑)。この先生(看護師)は強いな~って思います。そんな人に憧れるんです。

一方で自分の10年、20年後を考えます。幸い手打診療所には初期研修医が来てくれます。彼ら彼女らを見ていると、総合診療マインドが身についている研修医が多いことに驚きました。色んな科を勉強しているので知識もある。そしてそのマインドをもったまま循環器や外科など他科の専門研修に入っていきました。彼ら彼女らの何割かは将来総合診療をやってくれるだろうなと思います。めちゃめちゃ心強くてめちゃくちゃ嬉しいのですが、その時に自分はこの後輩たちに何を伝えられるんだろうと思います。「〇〇科のサブスペシャリティをもった総合診療医」が将来は増えたときに、サブスペシャリティを持っていない自分は彼らの下位互換になりかねない。そんな危機感も同時に持ちました。何か強みを持たなきゃいけない。

そんなこんなで来年はサブスペシャリティを「田んぼ」「畑」「古民家運営」「ビワ農家」「生活サポート事業」にしてみようと思います(笑)
真面目な話では眼科、耳鼻科、ペインのサブスぺが欲しかったりします(笑) 欲張りです(笑)

来年からは医者ではなくなりますが、「その人が望むような生活をサポートする」という自分の信条は、医者じゃなくても実践できるのではと色々とチャレンジしてみます。やっぱり自分はそれをやるのが好きです。

来年度からも室原家のチャレンジ人生をお届けできたらと思いますので引き続きよろしくお願いします!

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