『離島』で『禁煙外来』を始めて学んだこと@離島・へき地で未来の医療体験記
こんにちは、先日ついに自分が働く下甑島の手打診療所で禁煙外来がスタートしました!色んな紆余曲折が現在も続いておりますがついに(笑)!!
ちなみに禁煙外来を開設する条件の1つに『院内に掲示をすること』があるのですが、今回は島の方に木材を頂き、島の看板作り名人に弟子入りして作らせてもらいました!看板ってこんな風に作るんですね、普通に勉強になりました!自信作!!
離島に禁煙外来は必要なのか?
そもそも禁煙外来に興味を持ったのは、手打診療所で診療をしている時に患者さんから聞いたエピソードがきっかけでした。
「もともと島外の禁煙外来に通ってたんだけど、船が遅れて診察時間に間に合わなかったんだ。でも、やばいと思って事前に遅れるって病院に連絡したら、診てくれるって。それで急いで行ったんだけど、着いたら医者が帰りましたって。それでムカついて止めてたタバコまた始めたんだ。ははは。ここでも禁煙外来やってくれたらいいんだけどね。じゃ!」
じゃ!って・・完全にふぬぬな話でした。典型的な島事情!それまで禁煙外来に全く興味がなかった室原ですが、ここで自分の予防医療への認識の甘さを感じます。
下甑島における手打診療所の役割を考えました。もっと言えば、専門医資格もないのに「自分は総合診療医です!」と胸を張って言いきって生きている自分の存在価値は何だろうと考えました。
『救急対応』ができ、『一般的な入院加療』ができ、『外来で慢性疾患の管理』や『癌などの予防』を行う。
めちゃくちゃ大雑把にこんな感じ。この『癌などの予防』の観点から考えたら「禁煙外来必須じゃね⁉じゃなきゃ自分の存在価値なくね?」ってなっちゃったんです(笑)
一緒にやってくれる仲間がいた!
そして今回の一番の学びはここでした!一緒に考えて行動してくれる仲間の存在!「禁煙外来をやりたい!」って言って話を進めてくれる地元出身の看護師さんがいたんです、自分が禁煙出来て海遊びとか島生活が豊かになったからって!そういう人がいたら非常にありがたく心強いんですね、何度かあったこの話の頓挫ポイントもおかげで乗り越えられました(笑)そこから仲間が増え、他病院の見学や診療所全体への周知にもつながって。室原単独でやってみるより、百倍円滑に力強く進みました!
更にあったのが、地元の看護師さんが禁煙外来の顔になることで禁煙に少しでも興味がある島の方が禁煙外来にアクセスしやすくなったこと!島に1年住んで感じたことは、島の方々にはめちゃくちゃ多くのネットワークがあるんです(笑)よく考えたら、何十年も生活しているから当たり前、1年住んだくらいでは到底追いつけません(笑)そこに入ってくれているので、禁煙外来に繋げてくれるアクセスが良いんです!ありがたや!
でも物事はそうはうまくはいかず・・
そういった経緯で始まった禁煙外来。よっしゃやるぞ!とみんなで始めたものの、いきなり前途多難(笑) コロナワクチン接種もあったりで禁煙外来枠が短くなったり、禁煙外来で処方していた飲み薬が諸事情で出荷停止になったり。さらにもう1種類の貼り薬もその影響で需要が増えすぎて、入荷待ちになちゃったり。。その結果、始めて1か月くらいで一旦新規患者はリスト化して薬が準備できたら再開することになったり。。驚くほど前途多難です(苦笑)
島の方にはご迷惑をおかけして申し訳ありせんが、室原は何かプロジェクトをチームで立ち上げた経験はあまりなかったので、いろいろと勉強になっています!何より前途多難ですが、やってることはきちんと島の方々のためになるように頑張り続けます!以上です!