生物学をやってると英語のことも気になる
僕は英語はあまり得意じゃない。
帰国子女じゃないし、
留学経験もないし、
外国に住んだ経験もない。
でも、生物学をやってると、
英語は避けて通れない。
生物学の研究で使う実験用の機械って、
多くは外国製だし、
だからマニュアルは英語だし、
ソフトウェアだって英語表記だ。
以前働いていた小さな会社で、実験を補助してくれるアシスタントの人と打ち合わせをしていた時のことだ。
僕はその人に、ある装置の使い方を説明していて、
その機械を制御するソフトウェアの画面を見せて、
「まず、この “Initialization” っていうボタンをクリックして…」
と言って、そのボタンをクリックし、
機械が Initialization の動作を始めるのを見ながら、
ふと、
「Initialization って、どういう意味か知ってる?」
と聞いてみた。
アシスタントの人は、
「いいえ」
「じゃあ、Initial って、どういう意味?」
「え〜っと」
「「頭文字」じゃないよ?」
「(笑)」
「Initial は、「最初の」っていう形容詞。」
「あー」
「で、そこから、Initialize っていう言葉ができて、これは「最初の状態にする」っていう動詞。」
「はぁ・・・」
「で、そこからさらに Initialization っていう言葉ができて、これは「最初の状態にすること」っていう名詞だね。」
「・・・」
「つまり、「初期化」っていう意味だね。」
「へぇー!」
とか言ってる間に、
機械は「初期化」動作を終えたんで、
僕は次の説明に移った。
なんてことない、ラボでの雑談だけど、
なぜか忘れられない。
モノゴトの起源とか、成り立ちに興味がある、
ってあたりが、いかにも研究者って感じだ。
対象は、生物でも、言葉でも、なんでもいいのだ。
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