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「#オール讀物目次絵コンテスト」結果発表&選考会レポート!

7月1日~8月31日にかけて開催しました「#オール讀物目次絵コンテスト」。全44件のご応募を頂きました。初の試みでしたが、みなさまから素敵なアイデアをたくさんお寄せいただきました。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!

↓ ご応募いただいた作品はすべてこちらからご覧いただけます ↓


9月1日に文春デザイン部・野中深雪、「オール讀物」編集長・川田未穂、「オール讀物」編集部員で、厳正なる審査を行いました。その様子と共に、結果を発表いたします!

最優秀作品

まず、「オール讀物」目次絵に採用となりました、最優秀作品をご紹介します。

(編集H)全体的にびっくりするほどレベルの高い応募作が集まりましたね。

(編集長)目次を飾るイラストとして、華やかなのは大事。ただ、細かすぎるのは目次の文字自体を見えにくくしてしまうから、目次絵には適さないかもしれません。

(野中)デザインがかわいくても、目次絵として成立するかどうかはまた別の問題だから、選ぶのも難しいですね……。

とき村 十五さん

(編集H)現実じゃない風景を描いた作品が、意外と少ないから際立って見えますね。現実なら降ってこない紙吹雪が、絵全体に鮮やかさを加えていて、何より祝祭感があります。

(編集長)物語性を感じるイラストですね。とき村さんのほかの作品を見ると、配色がやっぱり素敵で、思い切りのいいデザインがお得意な方なのですね。


朝江丸さん

(編集長)この方は本当に上手ですね!

(編集H)モチーフやタッチは時代物らしい一方で、構成がモダンです。

(編集Y)人物と動物がいいバランスで描かれていますね。矢で絵に動きを出そうというのは意図的に挑戦していると思いますが、その試みが成功しているのがすごいと思います!

(編集H)細長い枠を活かしたデザインですね。「この枠だからこそ」という絵はなかなか難しいですし、素晴らしいです。色の取捨選択もしっかり検討されているのも伝わりました。

(編集長)……せっかくなので、12月号の目次絵にどうでしょうか? 歴史時代小説特集の号で、マッチすると思います。新人賞はお祝い感のある、とき村さんのイラストでいかがでしょうか!

(野中)いいですね! 2号続けて掲載できるほど、良い作品をたくさん投稿していただけて、本当によかったです。

熟議の様子


佳作

佳作は全5作品選出されました。

前田なんとかさん

(編集長)八百屋さんのデザインもちゃんと考えられていますね。秋らしい季節感もある一方で、どこか「新人賞」の雰囲気もあって目を引きました。

(編集H)八百屋さんという発想がいいし、オリジナリティあふれるイラストですね。何より、すごく絵が上手ですよね! ただ、色味が少ないような気もします。

(野中)もうちょっと明るい色が1色だけでも入っていると、目次絵にぴったりですが。

(編集H)確かにそうですよね! さらに言えば、「オール讀物」の目次で、タイトルや著者名を赤や黄色で目立たせることが多いので、派手な色とのバランスも重要になってきます。目次絵ならではのポイントですね……。


審査は文藝春秋本社地下のラウンジで行われました

(野中)秋といえばお散歩をイメージされるのか、外の景色やお出かけしている様子を描いた作品がいくつか投稿されていました。

(編集Y)時代小説の新人賞だから、歴史要素としてお城を描き入れてくださった方がいて嬉しいですね! ただ、風景としての自然さが欠けているような気もします。

(編集長)たしかにそうですね。歴史的な建物があると一気に時代感が生まれる一方で、無理やり加えたようにも見えてしまうリスクもあります。


神田ゆうこさん

(編集長)私としては、このイラストが一押しでした!

(編集H)ストーリー性のある絵をたくさん投稿していただいている中で、一番デザイン的なイラストですね。

(編集長)今回は「小説家になる!」という特集でもあるから、原稿用紙を入れたデザインというのが、今号にすごくマッチするように思います。他の投稿作品で、小説に目を向けたものがなかった分、気になりました。お花も華やかで、お祝い感が出ていて素敵です!

(編集Y)季節感も感じられて、何しろ「オール讀物」の目次っぽさがありますね。

きたむらさん

(一同)かわいいですね!

(編集Y)描かれている人物たちに愛嬌がありますね。

(野中)江戸っぽさが描かれていて、明るい配色が素敵です。


村上 りつさん

(野中)浮世絵のようなイラストで、デザインが凝っていますね。北斎漫画を下地にしたような、おしゃれさがあります。

(編集H)水の流れの描き方が目を引きます! こだわりが感じられました。


スズキアヤコさん

(編集長)たくさんご投稿いただいて、とても嬉しいですね。

(編集Y)動物が漫画的でかわいらしいです。


入選

当初は想定していませんでしたが、選考会の途中で、「せっかく応募していただいたので『入選』に!」という声から設けることになりました。入選されたみなさまには、「オール讀物」11月号をお送りいたします。

ono haruさん

 

naoさん

 

あわてんぼさん

 

Chii。さん

以上の4作を、佳作として選出いたしました。


最後に

8月31日の締切が近づくにつれて投稿も増え、日々投稿される新たな作品を、編集部一同、毎日楽しみにしていました。「オール讀物」新人賞特集号に合わせて開催となりました目次絵コンテストも、ぜひ今後も続けられたらと思っております。

今回ご応募いただいたみなさま、本当にありがとうございました!

採用されました目次絵を掲載する「オール讀物」11月号は10月21日(金)発売です。

第102回オール讀物新人賞受賞者の米原信(まいばらしん)さんは、19歳で史上最年少受賞となります。受賞作「盟(かみかけて)信(しん)が大切(たいせつ)」も11月号に掲載されますので、こちらもぜひともお楽しみにお待ちください!

また、12月号(11月22日(火)発売予定)は「時代小説大賞」特集です。こちらにも、本コンテストから選出されました作品を目次絵として掲載いたします。ぜひ、お手に取ってご覧ください。

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