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「移転日記」、これにて完・結!

 プレオープンだけではなくなんなら既に本オープンも無事果たしたわけですが、引き続き障子の張り替えやら消毒液を置くテーブルを作ったり、一つ終わればまた一つ、「あっ!これもやらな!」が出てきてしまうので、「開店準備」ですら、もう終わったのかまだ終わっていないのか、自分のことながら微妙に判断がつきません! とりあえずオープンはできたのだから、一応終わったのだろうか……。

 ちなみに、プレオープン前日に金庫を買いに行き(エアレジにするかどうか、さんざ悩んだ結果としてぎりぎりに金庫を買いに走る羽目に……。しかし、言うてるうちにエアレジにしたいー!)、気づけばゴミ箱がなかったのでめっちゃしっかりした正方形の段ボールで代用(今も)、足りないブックスタンドを本棚作りなどで余った木材で作る、玄関マットを買いに行く……エトセトラ! 雨が降りそうなら「傘立ているやーん!」となり、明日から定休日となったら「定休日のお知らせ看板いるやーん!」となる。ああ、事前の準備って、一体なんの話なん!??

 というわけで、明日で本オープンから数えて丸一週間なのですが、まだまだ「あれ足りんかった、これも足りてへん」だらけの本おやですが、考えてみればこれまでの11年間だって、日々日々いろんなものが足りていなかったーっ!
(ちなみに本おやは、今年の8月8日で店としては12周年でございます☆)

 だから、てんやわんやなのも今に始まったことではなく、そして今後もずっと生きてる限り、ひたすらてんやわんや人生だと思うので、ひとまずのところ、「本おや移転日記」はこれにておしまいとさせていただきます!

 というか、都市部で店をしていたけれどちょっと別の場所に移転を考えている!といった本屋さんなどにもっと有益な情報をお伝えできればよかったですね。すみません 涙! ちなみに古本の買取はしばらく落ち込むかなー?と考えていたのですが、初日からバンバンお売りいただいておりますのことですよーっ!! 
 なので、人口とか近くに本屋があるかないかとか、店舗の出店を考える際に通常なら鑑みるべきデータのあれこれももちろん大事なことではありますが、直感を信じて動いてみるのも個人的にはありなことだと思います。店が潰れる・潰れないは、自分が幸せと感じているかいないかと同じ、また、多くの人に良いと評判の本が、自分にとっても良いかそれとも悪いのか、やってみなければ、そして読んでみなければわからないのと同じです。1万人が良いと太鼓判を押した本が自分にとって良いかどうかなんて、読んでみなければわからないー! 

 結局何が言いたいのかといえば、本屋を始めたら人生の大半をその本屋の中で過ごすことになるので、そうなると自分が好きと思える場所で本屋をしているかどうかは、実は本屋を続けていくにあたりものすごく重大な要素であると言いたいわけです。それは、時として「データの上では良い」あるいは「悪い」という第三者的要素を簡単に吹っ飛ばす要素となります。ので、時に直感に頼ることも決して悪いことではないと言いたいです。といって、あまり無理して始めても後あとが大変なので、できる範囲でやりたいことを、というはじめ方でも決して悪くはないと、伝えたい! 実際本おやの最初の店(中崎町)は、貯金もほぼなかった私が借りれて家賃払い続けられると思ったところで、ほぼ自分の蔵書を売る形から始めたわけです。それが、結果としては6畳1間の小さな店で、借りて1年も経たないうちに雨漏りした物件だったのですが、それでも最初がその場所だったから今の本おやがあるのだと思っています。
 場所によって集う人はもちろん変わります。本おやはこれが3度目の移転なため、中崎町で出会った人たち、堂島で出会った人たち、そしてこれから朝来で出会う人たちと、本来ずっと同じ場所で店を続けていたならもしかしたら出会わなかった多くの人たちと、「本おや」という場所を介して出会うことができました。場所が変われども、一度出会った人たちとのご縁も続くものは続くので、そういう続くご縁がどんどん繋がっていくのが、店を続けていく中で個人的には一番楽しいところです。願わくば、いつか死ぬその日まで店に立ち続けることができれば嬉しいです。

 なお、「本おや移転日記」は今回でおしまいですが、近日中(5月中)には「本おや店主のツンドク本を読破セヨ!!」が始まります☆ そちらはレビューオンリーの有料記事にする予定ですが、読んだってもええぞー!な方がいらっしゃいましたら、引き続きお付き合いいただけましたら幸いです☆
 せっかく移転して少し時間に融通がきくようになったので、「絶対に良いに決まってるからすぐに読まなくても、なんなら一生持ってるだけでもいい!」と思っていた選りすぐりのツンドク本、あるいは初読時に「もっと自分の読むスキルが上がってから読み直したい!」と思った本を、どんどん読破しどんどん皆さまにその素晴らしさをお伝えしていけたらと思っております! 
 なお、本おやのレビュー文章はこんな感じ 
(光文社「本がすき。」 https://honsuki.jp/reviewer/sakaue-yuki )です☆ 毎回、本をおすすめする時には、搾りかすになるまで頭のなかをふり絞って文章に挑んでおりますので、「ツンドク本を読破セヨ!!」もその時自分の書ける一番の文章で書いていきたい所存です。なお、最初の一冊は、ノヴァーリスの『青い花』だぞー!

 今後の予定についてはそんなこんなですが、ひとまず堂島から朝来へ無事移転することができました! 約半年の間「本おや移転日記」にお付き合いくださった皆さま、本当にありがとうございました!!! 
 どなたさまも、どうぞお気が向かれましたら朝来に遊びにいらしてください☆ いつでも心よりお待ちしております☆★☆

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