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自省録

マルクス・アウレリウス『自省録』は、100分de名著を見て、岸見一郎先生の経験基づく解説には感動した。『マルクス・アウレリウス『自省録』 2019年4月 (100分 de 名著) 』

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また、テキストに載っている約は、それ以前に訳された神谷恵美子さんのものより読みやすく、全編を訳して欲しいと考えていた。

この度、全部ではないが岸見訳のものが出たので購入して読んだが…やはり素晴らしい。『』マルクス・アウレリウス「自省録」を読む (祥伝社新書) 』

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アウレリウスは五賢帝時代の最後の皇帝であり、ローマが蛮族に襲われる時代に生きた。故に塩野七生さんは、アウレリウスを扱う本の題名を『ローマ人の物語 (11) 終わりの始まり』

としている。ポンペイの噴火も含め、環境に恵まれなかった人物であるが、自省録ではそのような政治回りのことは書かれてはいない。

ここには、来世や超人的力に期待せず、地道に一歩一歩歩いていく姿が見えてくる。それは原始仏教の釈迦にも似通っている。

生きることのできるところでは、善く生きることもできる。ところで、宮廷においても生きることができる。したがって、宮廷でも善く生きることができる(五・一六

ここでの「善く生きる」とは「幸福に生きる」という意味だそうです。アウレリウス自体は皇帝にはなりたくなかったのですが、与えられた現実のなかでベターをつくした人生なのでしょう。むしろ自己と向き合い、逆境を超えて生きていく姿が見えてきます。

今という時代にこそ輝く一冊です。秋の夜長に読まれては?

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