椿の白い花

近所の椿の木に
白い花が
たくさん咲いている。
花びらが純白なものは
すごく少ない。
多くの花はどこか
茶色のところがある。

汚れたような
枯れたような
茶色の部分が
花の白さを穢している。
花の痛みと言ってもいい。
何者かに傷つけられ、
茶色く変わってしまった。

やがて穢された
白い椿の花は
花ごとポトリと
地面に落下する。
生首が落ちたように
まだ花は形を保っている。
死んじゃいないよと。