ひこばえ

ひこばえとは伐った木の
切り株からあらたに生えた
若い芽のことである。
漢字で蘖と書き、やごも、
やご芽とも言われる。

かなりの老木からも
緑の可愛い芽が生えて、
木が死んでいないことがわかる。
老木から孫が出たようだから、
孫生、ひこばえになった。

まごばえは眠っていた芽、
休眠芽が起き出したもので、
水分や養分の吸収力が高く、
みるみるうちに大きくなり。
僕らの見る目を驚かせる。

伐採したクヌギの株からの
ひこばえは特に成長が早く。
あっという間に樹木となる。
せっかく陽光が入ったのに、
元の神秘な森に戻るのだ。

とはいえ僕は蘖が好きだ。
生命力に溢れていて、
見るだけで元気がもらえる。
小さな緑の芽を見て、
どんどん伸びていけと思う。

ひこばえよ ぐんぐん伸びて 天まで届け 京太郎