クレオパトラ豆

朝のラジオ体操で
お隣さんが体操後、
カバンからごそごそ。
「もらってくれる?」と
小さな豆を出してきた。

「なに?なに?」と
何人か集まってくると、
「クレオパトラ豆なの。
紫の花が咲くのよ」と
そのご婦人が言うのだ。

「なに?なに?
クレオパトラ豆って?」
「花も紫なら鞘も紫。
でも中の豆は緑なの。
普通のグリーンピース」

この豆は別名もあり、
ツタンカーメン豆という。
三千年前の古代エジプトの
ツタンカーメンの墓から
出土された豆なのだという。

英国の考古学者カーターが
この豆を持ち帰って栽培、
見事発芽して豆が採れた。
アメリカに豆が渡って
世界中に広まったのだ。

鞘ごと入れてご飯を炊くと
紫色の豆ご飯になる。
ツタンカーメンやクレオパトラは
食べていたのだろうか?
古代エジプトを彷彿させる、
なかなかの味わいだそうだ。