グラナドスの「ゴイェスカス」

美しいピアノの旋律。
エンリケ・グラナドスの
「ゴイェスカス」だ。
アリシア・デ・ラローチェの
繊細なピアノのタッチが
心をスペインに翔ばしてくれる。

「ゴイェスカス」とは
ゴヤの絵のようなの意味。
フランシスコ・デ・ゴヤの
マハやマホの人生模様に
グラナドスが魅せられて
この麗しい曲が創作された。

僕は「着衣のマハ」と
「裸のマハ」を思い浮かべる。
グラナドスを夢中にした
「アルバ公爵夫人」の
いまにもフラメンコを
踊り出しそうな黒衣の人を。

さらに「ギターを奏でるマホ」。
この絵のマホは死んだ幽霊。
空を見上げて死に神を歌う。
命があったときのような
情熱を込めて愛を語らい
恋人の眠りを甘く呼び覚ます。

スペイン人の熱い魂が
繊細に奏でられる美しい曲。
詩情溢れるグラナドスに乾杯!