汗っかき叔父さん

滋賀県の彦根にいる。
叔父さんが亡くなったからだ。
汗っかきの叔父さんだった。
寒い冬でも「暑い暑い」と
ハンカチで汗を拭いていた。
ハンカチ叔父さんである。

若い頃はハンサムだった。
祖母はお多賀さんの人で
一族は奥目の美男美女。
叔父さんは血を引いていた。
でもすぐに髪が薄くなり、
つるつるにはげ上がった。

美人の叔母さんと結婚したが、
こんなに髪がなくなるなんて
「だまされたわ」と笑う。
でも仲むつまじい夫婦だった。
叔父さんは自宅で叔母さんに
看取られて天国に旅立った。

晩年は腎臓を患って
透析をするようになったけど、
幸せな人生だったように思う。
とても安らかに眠っている。
これから告別式になるけれど、
天国で母と逢うことになる。

どんな話をするのかわからないけど
二人で大笑いしているに違いない。