朝の目覚めが怖い

朝、眠りから覚めたとき、

目を開けるのが怖い。

この世でなかったらどうしよう。

そう思ってしまうからだ。


息はしている。

目を閉じたまま、

手を少し動かしてみる。

どうも生きているみたいだ。


でも、本当はもう死んでいて

あの世なのかも知れない。

生きているという夢を

見ているだけもしれない。


そっと目を開ける。

周りを見てから上半身を起こす。

ベッドから下りて立ち上がり、

カーテンを開ける。


日の光がわっと差し込む。

眩しさに思わず目を閉じる

小鳥のさえずりが聞こえる。

見れば小鳥がじゃれ合っている。


「ありがとう」

思わず呟いている。

この世であることは間違いなさそうだ。

生きていたことに心底ほっとする。