クチナシの花

甘い香りが漂って
ふと目をやると
白い大きめの花を
たくさん咲かせている
私の背の高さくらいの
緑の木を見つけた

白い花に近づいて
嗅いでみると
ジャスミンのような
うっとりする香り
「あ、クチナシだ」と
思い当たった

私にはクチナシは
灌木に思えていて
これほど立派な木に
なると思っていなかった
綺麗な女性たちが賑やかに
話しているような感じだ

真っ白な6片の花の
中心に黄色の花心がある
見ているだけでも
香りが漂って嬉しいが
花を摘んでドライにしても
甘く香るのだろうか

花は三杯酢や甘煮にして
食べられるという
黄色い果実は染料になり
ご飯と炊けば黄飯になる
沈丁花や金木犀と並ぶ
三大芳香花なのだ

花言葉は「幸せを運ぶ」
アメリカでも喜ばれたのか
黒人のジャズ歌手、
ビリー・ホリデイは
この花を髪に飾って
ステージに上がったという