爺やとツクツクボウシ

「ツクツクボーシ!
ツクツクボーシ!」
「江古田の森公園」は
ツクツクボウシの大合唱である。

小さなセミなのに
その鳴き声はバカでかい。
しかもこれほど複雑な
鳴き声を発するセミはない。

鳴き声をよく聞いてみると、
「ジー」で始まることがわかる。
「ジーー、ツクツクボーシ!
ツクツクボーシ!」と10回ほど鳴く。

その鳴き声は段々に速くなり、
「ウイヨース!」と数回繰り返し、
最後に「ジー」で鳴き終える。
一体どんな意味があるのだろう?

夏の終わりを告げるセミ、
晩秋まで鳴いたため、
「寒蝉」として秋の季語となる。
八丈島はこのセミしかいないらしい。

「爺や、その帽子を突いてみたい、
何度も何度も突いてみたい。
ウイッ、いけねえ飲み過ぎた。
ウイッ、ヨース、またな、爺や!」

ツクツクボウシの鳴き声を聞いて、
公園にいる爺やとの会話を夢想した。