クルチザンヌ

フランスの佳き時代と言えば

その名の通り、ベルエポック。

普仏戦争後から第1次世界大戦までの

僅か30年のパリ華やかなる時代だ。

ナポレオン三世などの王族や貴族、

好景気による俄かブルジョワたちが

社交界で遊び狂っていた時代。

だからこそ絢爛な文化も生まれた。


このベルエポック時代に活躍したのが

クルチザンヌと呼ばれる高級娼婦。

リアーム・ド・プージイ、ラ・パイヴァ、

ラ・ベル・オテロ、ラ・カスティリオーネ。

彼女たちは美しい顔と肌を磨き上げ、

綺麗な衣装に身を包み、豪華な宝石を身につけ、

巧みな話術でハニートラップの名手となり、

性の奥義にも長け、男たちを虜にさせた。


貧しいお針子から成り上がった踊り子や女優、

高貴な家柄のマダムなどいろいろいたが、

男たちから絢爛な豪邸に住まわせてもらい

華麗で自由な生活を謳歌していた。

後ろめたいことなど何もない

市民がうらやむスーパースターだった。

当時の印象派の画家が彼女たちを描き、

それは今や世界の文化遺産である。


そうした押しも押されもしないクルチザンヌは

今の世知辛い世の中には出現することはあるまい。

しかしよもやそうした女性がこの世に生まれ出たら

この世はもっと味わい深いものになるだろう。

卓越した美貌はもちろん、教養に満ち、

ファッションとアクセサリーにこだわり、

卓越した話術と性技を持つプロの女性。

ぜひとも一度会ってみたいものだ。