野鳥が気絶した!

朝目覚めたばかりで
ぼうっとしていたら
突然ゴーンと窓硝子に
何かの衝突音がした。

ひらひらと羽毛が落ちる。
野鳥が飛んで来て
窓硝子にぶち当たった。
急いでベランダに出た。

野鳥がぐったりと
床に横たわっていた。
足がぴくぴくと痙攣、
息があり弱く鳴いた。

触ってはいけないと
静かに見守っていると、
ひょんと立ち上がった、
しかしまったく動かない。

脳震盪で自分が誰だか
ここがどこなのか
わからないでいるようだ。
頭を動かし周囲を見ている。

黒っぽい頭に白い腹
嘴と目の縁が黄色い。
生物に詳しい友人が
クロツグミと教えてくれた。

かなり長い時間を経て
少しだけ羽ばたいた。
飛べるかを試したみたい。
頑張れ!クロツグミ!

そっと扉を開けたとき、
ぱあっと飛び立った。
かなりの低空飛行だけど
無事に森に帰っていった。

クロツグミの綺麗な囀りが
森から聞こえるのを待っている。