こぎん刺しタペストリー

僕らの友人である
千穂さんが工芸美術で
3年連続の日展入賞を
成し遂げた。

千穂さんはこぎん刺しの
アーティストである。
一年以上もかけて
一刺し一刺し刺し子する。

千穂さんの今回の作品名は
「天空都市の夢」。
明るく美しい幾何学模様の
タペストリーである。

津軽では野良着を
頑強にするために
麻布に木綿の糸で
刺し子を施した。

そのこぎん刺しに
芸術家の魂が込められ、
素朴な質感が漂う
崇高な芸術に昇華させた。

絵画や彫刻、書など
何千点もの作品がある中で
日本の生活に根付いた
源泉のこの作品は貴い。
他を凌駕するものだった。