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嵐① 大野智のソロ曲推してみた。

個人的にわかりやすいので嵐から。

私が初めて触れた嵐のソロ曲はアルバム「Time」に収録されているものでした。しかも、音源よりも映像が先くらいのレベルでした(人から借りて見たのがきっかけで)。
どうでもいい話ですが、私はこの「Time」コンサートの映像で相葉さんに落ちた末に彼の担当になっています。まぁその話は後からするかもしれませんが、ともすればソロ曲というのにはそれくらいのチカラもあるということが言いたい訳です。

嵐のソロ曲は音源としてはアルバム「One(2005)」「Time(2007/限定盤)」「Dream"A"live(2008/限定盤)」「僕の見ている風景(2010)」「Beautiful World(2011)」「Popcorn(2012)」「LOVE(2013)」「THE DIGITALIAN(2014)」に、2014年現在までではそれぞれ収録されています。(というのを前提に話をすすめます)

嵐は割と楽曲性がバラけている人が少ない(と思う)ので、わかりやすいかなぁ、と。というわけでこれから「嵐の(キャラクターソングとしての)ソロ曲の面白がり方」を独断と偏見によりご紹介致します。

大野智、二種類の青色

大野さんのソロ曲というと、冷たい(ひんやりとした)感じの曲や、ゆったりとした凪いだ海に浮かんでいるようなイメージの曲や、月夜の森の静寂を感じるようなしっとりとした曲が多いなぁ、という印象です。そういった曲の印象だけ聴くと大野さんのああいったイメージ通りの「静」を感じますが、コンサートでのパフォーマンスは毎度おなじみダンス曲となっており、「動」であるわけですね。真逆の印象を一曲から植え付け魅せる男、それが大野智。

彼はソロ曲はおおよそ自分で振りをつけています。もう、ぬるぬる踊ります。私はあえて「ぬるぬる」と称していますが、なんというかつまり「浮遊感のある振り付け」と言いたいわけです。「ガシガシ」とかいうのでなく「ぬるぬる」です←
ダンスパフォーマンスという「動」でありながら、その印象は大野智その人の持つマイペースな雰囲気さながらな「静」の空気を同時に纏っている。そこが、あの人の「ミステリアスさ」も表しているような気さえするのです。

『曇りのち、快晴』

シングル「Believe」の両A面曲です。本人についてのキャラクターソングだっつってんのに役柄のキャラクターソングを最初に出してしまうという空気の読まなさですが、私はこの曲が大野さんのソロの中でもっとも好きです。(2015年春現在)
単独で音楽番組などに出演したこともあるので知っている方も多いかもしれませんが、主演ドラマの主題歌であり、ある意味一番のキャラクターソングとも言えます。何しろ、名義がキャラクター(役柄)なので。なので、「大野智」のソロ曲として推すのは間違っている気もしますが、私が大好きなので推します←

私はドラマを見ていないのでそのドラマの役柄の「キャラクターソング」としてこの曲が合致しているのかどうかについては語る事ができませんが、歌のお兄さん役としてこの曲を発表したことまでは聞いておりますので、つまり当たり前ですがこういう言い方もできます。「大野智のキャラクターソングではない」
何しろこの曲、他の大野さんのソロ曲と比べてダントツでキャッチーかつアップテンポで明るい曲です。ド頭から『DAN DAN DANG!』だし。
私は明るい曲調(アップテンポ)の楽曲を好きな傾向にあるので、ジャニーズ内でも歌唱力に定評のある大野智という人にこそこういう曲をもっと歌って欲しいわけです。歌唱力のある人だとバラード推しされがちですが、私は普段の大野さんのソロが「ああいう風」だからこそあえてこういう形で大野さんの歌声が聴けるこの曲を推したい。何なら、毎年アルバムの感想に「明るい大野ソロ待ってます」的なことを書いているほどです。すいません。いつものも好きなのですが。

この曲のキャラクターソングとしての面白がり方はといえば、「大野智の役者スイッチ」ですね。いつもの彼のキャラクターとは違うわけです。ドラマキャラだから。そこを、この「矢野健太というスイッチを入れている大野智」という感じでこの曲、できればパフォーマンスも込みで聴いてほしいところです。大野さんの中に内包されているアップテンポなスイッチを突き抜けて押している感じ。この曲を、他の大野さんのソロと合わせて聴くと、とても面白い感じになります。
(ちなみにこの役者スイッチの話は「怪物くん」(ユカイツーカイ怪物くん)でも通じますね)

『Song for me』

さてアルバムに収録されているソロのほうに話を戻しますが。私がその中でも推したいのはやはり最初に触れたソロ曲でもある『Song for me』(「Time」収録)。

前述した、「ひんやりした冷たい感じ」の曲とはこれを指しています。
高音で規則的に、まるで時計の針の音のように刻まれるリズム、全体的にゴチャゴチャとした音のないメロディーの中、冷たく響き渡る大野さんの歌声。パフォーマンス上でも、特に無駄な演出はせず、主に照明効果のみで進んでいきます。
この曲。楽曲のみでぼうっと聴いていると淡々とした「静」の印象を受けるのですが、映像で見るとこれがまさに「動」。前述としてはぬるぬると言いましたが敢えてガシガシと形容してもいい。とにかくガッツリ踊っています。
あとこの曲、カラオケで歌ってみると分かるのですが、ブレス入れるところがあまりないです。追っかけとか重なっている部分もあるから、というのはあるのですが、それにしたって忙しい。1曲歌うのにとても体力がいります。こんなに、淡々とした曲なのに。そこに内包されているパワーが、半端ないのです。

「Time」の映像を見たその時、それまでテレビで見ていた、ぼんやりまったりとして「天然」と呼ばれふにゃあっと笑う大野さんの印象が一気に一変させられた瞬間でした。ソロ曲になった途端、「大野智」のいつもと違うスイッチが入った。明らかに、その手前まで「嵐」として歌っている時とは違う何か。これがつまり、嵐としての大野さんではない、「大野智の世界」を垣間見る瞬間。静の中に動を内包する。それが大野智キャラクターソングの真髄のように、私は感じました。
なんというか、……あれが出来るから、『曇りのち~』のような曲もできるし、勿論嵐のそういう曲もそうですが、もっと言うと怪物くんのようなぶっ飛んだ(「動」の)キャラクターを演じられるのではないかな、と思うのです。
私は大野さんをテレビで見ていて、口数も少ないし基本的に眠そうだし(※2009年当時くらい)、何考えてるかわからない人だな、と思っていたのですが、ソロ曲のパフォーマンスを見た時に「眠れる獅子が目覚めてる」くらいのことを思ったわけです。普段あれだけ省エネモードなのは、ここで発散されるためなのかと。そういうものを普段は自分の中に隠しているのだろうかと。そんな深読みすらしてしまうくらいだったのですが。(でも、怪物くんやって以降くらいからあまり普段眠そうではなくなっていった感じはありますね/笑)

それを特に感じた瞬間は、大サビの『忘れないよ』のところ。
この大サビに入ると、照明の色もガッと変わっていかにもクライマックス感がするのですが、バックを従えてそこを歌い上げながら天を指差す大野さん。もはや、神々しさすら感じました(初見の私には)。まぁ振り付け的にそういうところがある、というのもありますが。この映像では、この部分の音の伸び方が音源とは違ってまた素敵なので、ぜひ音源と合わせてどうぞ。違いを感じてほしいです。

ちなみに『two』(「Popcorn」収録)の大サビの『震えるほど』あたりでの盛り上がり方がこれとちょっと似ているので(パフォーマンスも、かも。曲調は結構違うのですが)、面白いので聴いて、見てみてほしいです。個人的には音源のほうがザワッとする感が強いのでこれも映像と比べて見てみてほしかったりします。

『静かな夜に』

「僕の見ている風景」に収録されているソロ曲です。月夜の森の静寂を感じるようなしっとりとした曲、と前述したのがこれ。正直、私はこれを聴いてると眠くなります(良い意味で)。
『Song for me』とは違って曲調もかなり穏やかなので、だいぶパフォーマンス上の振り付けもパッと見激しくはないのですが、大野さんの振り付けは割といつも地味に細かいというか、細かいステップを踏んだり、地味に細かい動きでリズム刻んだりしています。(これは多分どの曲にもに通じることではないかな)なのでやはり、「静と動が混在する」わけですね。
パッと見た時、大野さんソロの振り付けから受ける印象というのは、けして派手ではない。でも、実際はかなりガッツリと踊っている。これってまるで、優雅に浮いているように見えて水面下では水を必死に掻いている、白鳥みたいだ。

そういえばこの曲も、大サビの『月は~』以降くらいから照明演出が変わります。『Song for me』もそうなのですが、おおよそ青系→ピンク・紫系へ。
大体、単純に考えれば曲の盛り上がり部分なのでそうなるのも道理とも言えるかもなのですが、私はあえてこう考えてみることにします。「曲中で、彼の中の静と動の移り変わりが照明でも表現されている」と。
曲の最後には収束するかのように、照明もまた青に戻り、そして消える。そういう構成自体が、「大野智」というキャラクターをも表現している。……と、私は考えます。
静かな無から穏やかな青が生まれ、瞬間的に燃え上がる(動のスイッチが入る/赤っぽく切り替わる)。そしてまた青に沈み、無に還る。……とまぁ、小説描写的に表すとそんなふうなイメージでしょうか。

『Rain』(「One」収録)と『Take me faraway』(「Dream"A"live」収録)もチェックどころですね。この2曲は当時のコンサート映像を私がまだ見たことがないのでそれについては語れないのですが、一応どちらも「アラフェス」でパフォーマンスされています。
『Rain』はテンポ的に『Song for me』のような少しダンス曲っぽいメリハリと色気のある曲で、『Take me faraway』は『静かな夜に』よりも更にゆったりとしたバラード調(ちなみに、凪いだ海に浮かんでいるようなイメージの曲と前述したのは『Take me faraway』です)。

ここで取り上げたいのが、大野さんのイメージカラーである「青」についてです。

色の働きは場合によって(国によっても)変わったりするのですが、青というのは、冷静さや秩序を示す色だったりするのです。単純にいえば、海や水のイメージで魚介類を表すこともあるとか。そして、平和の象徴として使われたりもします。
これらのキーワードを拾っていくと、これはまさに「大野智」という人のパブリックイメージと相違ないのではないでしょうか。繰り返し先程から書いているように、海や水からも静や動を象徴させることができる。『Rain』では穏やかに降る雨よりも激しく降りしきる雨を想像させますし、『Take me faraway』では深くて底の見えないような暗い青色の静かな海をも想像させます。
見ている人の心にすっと沁み込み、何かしらの感情を湧き立たせるけれど、心地良く通り抜けていく。そんな、まさに「水」のようなその人を、曲でも表している。これこそ、「キャラクターソング」というわけですね。

ちなみにここでは詳しく取り上げませんが、大野さんは2013年に「いつもとは違うものを」ということで『Hit the floor』(「LOVE」収録)という曲をやっているのです。が、……まぁ個人的な感覚ではそこまでの普段との違いはないかな(苦笑)大人感が増してる感じですね。
『Hung up on』(「Beautiful World」収録)は淡々とした中での音的なメリハリが面白いと思うのですが、他とはちょっと違う特殊さがありまして、演出上パフォーマンスでは赤っぽい照明が多く使われていたりすること(もしかしたら、曲中に翔ちゃんのラップが入っていることが関係しているかも)。他の人のエッセンスが強く関わっているので、キャラクターソング的にはソロ扱いで語りづらいなぁ、とも少し思ったりする1曲です。

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