見出し画像

嵐② 櫻井翔のソロ曲推してみた。

櫻井翔、赤の温度が表す多面性

翔ちゃんのソロ曲というと、主に何パターンかに分かれます。
これはざっくりと表現すると、「やんちゃ翔ちゃん」「イケメン櫻井翔」「好青年翔さん」という感じ。まぁ「ラッパー」「俳優」「キャスター」とかでもいいです←

二次元のキャラクターならば精々二面性くらいでいいわけですが(多すぎてもキャラの立ち位置がゴチャつくし)、現実にいる人間だからこそ多面的な部分が見えるのはある意味当然なわけです。
個人的には、私、翔ちゃんは嵐の中でもっとも普通の人っぽいんじゃないかなと思うわけで、なぜかというとその「多面的な部分がちゃんと見えるから」なんですね。アイドルという人は、それを「意図的に見せない」あるいは「見えないようにされている」場合も多々あるわけですが、彼という人は長年かけて多面性を発揮してきていると思うのです。丁度今、それを語るに丁度いい時期、なのではないかなと。(単純にソロ曲からそれを語るのであれば、曲数が増えてこないと「多面的」ともいかないわけですから)

『T.A.B.O.O』

そんなわけで私が最初に推したいソロ曲は『T.A.B.O.O』(「僕の見ている風景」収録)です。10周年のベストを出した翌年にリリースされたオリジナルアルバムに収録されているソロなわけですが、これはもう絶好調超に「攻」な翔ちゃんです。絶対攻勢。前述した中で言うと「イケメン櫻井翔」です(ラップはありますが)。

この年までに音源化されている翔ちゃんのソロというと、ムーディーでちょっと色気出してみる?みたいな感じのやつと、サクラッパー(新ジャンル)としての彼(後述)のものでしかなかったわけですが、そこにきて、当時三十路を目前にして放り込んできたのがこの『T.A.B.O.O』。タイトルもさながら、これはもはや、ストレートに、エロい!!
……というと結構語弊があるのですが、とはいえセクシーさを狙った歌詞、メロディーライン、そしてステージ演出になっています。衣装とかは割合普通(でも赤の軍服風のジャケットと帽子が個人的に超絶好き)なのですが、イントロからのしばらく、モニターでの演出上彼は半裸(実質全身映っている訳ではないので分からないわけですが、全裸ということでもいい)で、アレをあのイントロと共に出されたら、もうみんなとりあえず「キャー!!」って言うしかありません(良い意味で)。何なら、コンサートでは音源と違って「息遣い」から始まります。「エロさ」を狙っていない訳がない。ここまでやられたら逆にあざとくないエロさです(実質ステージ上で脱ぐわけではないし/モニターの中では半裸ですけど)。そして『Get down!』でステージへと登場する櫻井翔。その姿、まさにイケメン。

このステージ演出では衣装を含め、赤が多用されています。照明の話は大野さんのくだりでもしましたが、照明も赤いですし、モニターに登場シーン他で映る「舌を出している櫻井翔」の舌に書かれた「T.A.B.O.O」の文字も赤いわけで。
日本において色気を演出する色はピンクや紫系統ですが、赤は情熱の色であり、血の色でもあります。『T.A.B.O.O』の名の通りそれは『禁忌』。アブない翔さん降臨。と言ってもいいでしょう。「俺に触ると火傷するぜ」みたいな(昭和)。でも、触れてはならないものほど、触れたい。ラップパートにもありますが、『気になんならもうこっち来いよ』とか言われたら、もう、……もう。
滲み出るエロとかではなくて。もう熱情のままに、愛を交わし合いたい。イこうぜ一緒に、天国へ。それが罪だと分かっていても、犯さずにはいられないだろう?……そんなような直球にエロあざといメッセージ性(妄想)を翔ちゃんのソロ曲で出してきちゃう感じが、私は好きです。あと単純にテンポやメロディーも大好きですね。
私はサクラップが大好きなので、シングル曲でも入っているだけでテンションの上がり方が違うのですが、勿論パフォーマンスを見る時点でもラップパートでテンションが上がります。歌詞のあざとさ・意味深さも含め、『二回のwink~奥の蜜』までのところが、特に好きです。もう、溜息出る。

映像は、Sceneツアー映像ソフト「スタジアム版」「ドーム版」そして「アラフェス'12」があります。個人的にはダントツでSceneツアースタジアム版の『T.A.B.O.O』が好きですね。国立とドームではほとんど同じ演出やステージ構成を組んでいますが、私のもっともアガるポイント、大サビの『Get down!』で鳴り物がパーン!てしてるところ、帽子取ってJr.従えて花道歩いてくる翔ちゃんが超絶カッコいいので、その演出がより派手で勢い良く見える国立verが好きなのです。あと細かいところの動きとか表情とかカメラ割も、あくまで個人的には国立のほうが好きですね。最後仰向けに倒れるところとか。
アラフェス版の『T.A.B.O.O』は途中まで一切Jr.などがおらず翔ちゃんひとりでいるので、ある意味一番よくモニターが見えるバージョンでもある気がします(でも多分アラフェス用に半分以上は作り直している気がするのですが)。更に、前述した大サビからは嵐の他メンバーが登場してバックにつくという豪華ぶりですが、あくまで「ソロ曲の演出」という意味ではあまり好きじゃないです。カッコいいんですけどね。まぁアラフェスはお祭りなので。
ソロ曲の演出として考えるならば、Jr.という「櫻井翔」を引き立てるためのダンサーたちが相応しいし、ソロ曲演出の出来上がりとして、あちらの方が美しく感じますね。(当然、Jr.皆お揃いの地味め衣装/アラフェスだと他メンは割と次の曲用の衣装で出てくる)

『Hip Pop Boogie』

「Dream"A"live」に収録されているソロですが、これは前述している中で例えると「やんちゃ翔ちゃん」ですし「ラッパー」ですね。ほぼ全編がラップという構成の曲で、メロディーラインも(音源で聴くと余計に)割合淡々としています。なんというか、タイトル通りっぽい感じの曲ですね。

この曲の何が好きかというと、歌詞です。そして聴けば聴くほどにハマッてゆくサクラップ節。初めて歌詞をちゃんと見たとき、「何だこれ最高だな(笑)」って思いました。
普段はキャスターでイケメンでお坊ちゃんでマジメで、良い子ちゃんなパブリックイメージの強い翔ちゃんですが、ラップしているときの翔ちゃんはそれをガラッと覆す。歌詞でも、パフォーマンスでも。そこが、サクラップが好きな一因でもあります。「俺、ただの優等生じゃないんで。」そんな意志が感じられるところが、好きです。おそらく、書いている時期(年齢等)を加味して考えていくとまた面白くなってくるところだと思いますね。
翔ちゃんは確かに根本や育ちの関係でやはりマジメな人だとは思うんです。けれど、友人とワイワイおかしなテンションで笑いあったり、やんちゃ男子なところもきちんとある。そんな「真面目すぎない部分」が押し出されるのが、サクラップじゃないかなぁ。と思うので、定期的にその様子を観察したい私です。

他の嵐名義の曲のラップでも使われている『アイドルがタイトル奪い取る~』とかも好きなのですが、私がこの曲の歌詞で一番「イイわぁ(笑)」って思うのは『ステージ上終身雇用』ですね。
この曲が収録されたのは2008年のアルバム。その年、嵐は初めての国立公演を行なっています。その時にはおそらく、それから何年もそこでやることになるとは、思っていなかったかもしれません。けれどたぶん、「こんなところまで来たんだ」くらいには思ったことでしょう。そんな歌詞もこの曲中で書かれています。
翔ちゃんは一応、嵐が始まったときには『辞めようと思ってた組』のひとりです。けれどその後の節目節目で、「1stコンサートでメンバーと手を繋いだとき、覚悟をした」というような話をしています。たぶん翔ちゃんは、そんな何かの節目のたび、「この場所で、この面子で、これからもやっていくんだなぁ」という覚悟をするのではないでしょうか。これは私の単なる妄想で、願望でしかないですけれども、そんな彼の『覚悟』が、初めての国立公演をした2008年アルバムソロ曲でのこの歌詞に表れているんじゃないかな、などと。
私はアイドルという職業が背負っているどうしようもない業に魅力を感じて、応援したいとか惹かれたりとかするのですが、そんなジャニーズアイドル櫻井翔の決意がこの歌詞だったらいいなぁ、と思った次第なのでした。

映像としては私まだこのコンサート映像を所持していないので語れないのですが、「アラフェス'13」でもパフォーマンスしています。が、元のものを見ずにお祭りの話をするのもどうかなという感じ。とりあえず、演出が豪華。あとダンサーさんも。『この面子~』のときにモニターに映る『面子』思わず盛り上がるのも分かります。アツい演出です。

『このままもっと』

「Beautiful World」に収録されているソロですが、これがいわゆる「好青年翔さん」な曲です。
もう、幸せで、爽やかで、春の風って感じの、これぞ慶応卒イケメンお坊ちゃんという二次元的スペックを持つ男の本領を発揮しろよと言わんばかりのお花畑ラブソング。乙女ゲームの王子様キャラのキャラソンなんじゃないかなとすら思います。
翔ちゃんソロの面白いところは、こういうのが前述のと並び立って存在し、それによって櫻井翔という人が形成されているというところだと思うのですよ。

割とテンポ感的には私の好みとはちょっとズレているのですが、あまりに爽やかかつ明るい太陽と空と花を思わせる曲で、私が翔ちゃんに「こうあってほしい」という一面(あくまでも一部分)がキレイにイメージできる曲だったので、すごくハマりました。ラップパートもありますが、内容にちゃんと沿っててやはりとても好きです。「囁くような」と一口に言っても『T.A.B.O.O』とは全く違う印象で(笑)。ラップパート、そしてメロディーパート含め、歌声から溢れる優しさがまさに王子様ソング。と勝手に思っています。翔ちゃんの歌声の質に合っているところがまた良いですね。
映像(コンサート)だとちょっと個人的に衣装があまり好きではないんですが、モニターとか使っている色味的には全体的にイメージ通りで、曲の好き度と換算して言うとプラマイゼロでした。

私は、赤という色が表すもの、特にイメージカラーにあてる場合、おおよそにおいてそれは「炎」だと思います。ただし、炎といっても色んな炎がある。青い炎にも赤い炎も温度によって変わりますし、烈しい火も優しい灯もある。それが翔ちゃんの多面性に重なって見えてきます。
『T.A.B.O.O』では烈しく艶かしく燃え上がり、『Hip Pop Boogie』では安定した中にも秘めたアツい熱を持ち、『このままもっと』では穏やかに穂先を揺らし、ふんわりと柔らかにその場を照らす灯のように。これらが共存してなおひとつの櫻井翔というジャンルを作り上げているのが、グッときます。人間って面白い。←

ここではあまり詳しく語りませんが、『Fly on Friday』(「Popcorn」収録)や『Hey Yeah!』(「THE DIGITALIAN」収録)のように「爽やか+やんちゃ」ポップな曲もあります。この2曲も実はかなり大好き。『Fly on Friday』のステージ演出はペンライト・衣装含め全体的にピンクでまとまっていて、しかもアオリとしてまた曲がぴったりで、ドーム内がピンク色にキラキラしているのが曲のキラキラ感と共に浮かび上がってとても素敵です。『Hey Yeah!』もアオリですね、こちらは歌詞にもありますが「手叩け」系の曲。もう聴いた瞬間からアガりました!
『夢でいいから』(「One」収録)はラップっぽいんですが翔ちゃんが詞を書いていない曲で、個人的には眠くなる曲です(笑)。でも雰囲気は柔らかかな、朝の微睡みな感覚ですね。『Can't Let You Go』(「Time」収録)と『sugar and salt』(「LOVE」収録)はそれより少し大人感が増して、色気を醸し出してる系と言いましょうか、雰囲気としては柔らかだけど、朝というよりは夜明けとか夕方とか、そっち系のゆったりさを感じる曲です。
まぁゆったりした曲にあまりハマらない傾向にあるので(ものによりますが)、その三曲は単純に聴いてる回数も他と比べると少ない現状という(汗)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?