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朝比奈遥のロゴストーリー

▼プロフィール
氏名(愛称):朝比奈遥 (ひなさん)
お仕事:滋賀県で地域おこし協力隊員(※)として従事。地域の小中学生向けものづくりイベントの企画運営や地域特産物の販売環境の整備など、様々な事業に携わる。
好きなこと、趣味:散歩、音楽を聴くこと、ドラマ鑑賞、絵を描くこと、写真撮影

「色合いがとっても好きな一枚」
「紅葉がとってもきれいで、うきうきして撮影しました」

※地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。隊員は各自治体の委嘱を受け、任期は概ね1年以上、3年未満です。(参照)

私が願い、歩みを進める先の世界 ~木もれ日のような居場所~ 

ー早速ですが、このロゴにはどんな思いが込められているのでしょうか?

このロゴは、「私がつくっていきたい、歩んでいきたい居場所」を表現しました。木もれ日のもとで、みんなが集まってお話ししている。それがだんだん溶け合ってひとつの「輪」になっていくような居場所をイメージしています。
おとなしい人もいれば、エネルギッシュな人もいて、人生に悩んでいるような人もいるかもしれません。そんな色々な人が集まる中で、明日からも頑張ろうと思える、休憩所のような、そんな場所になったらいいな、と思っています。

「穏やかな木もれ日の下で、ほっと一息安心できる...そんな居場所をつくりたい」

ー「木もれ日」という表現、良いですよね。そう思うようになったきっかけはありますか?

まず、まちづくりに携わりたいと思うようになったのが大学3年生です。
子育てや介護の問題が深刻化していく中で、地域の中でお困りごとの共有や助け合える関係ができたらいいのに、と思っていたことがひとつのきっかけです。日々のもやもやを人と分かち合うことが、年齢性別関係なく必要なことなんじゃないか、とこれまでの経験で感じていて。そういった関係を作れるような居場所が地域にあったら、より素敵な場所になるんじゃないかな、と思ったんです。

小さいころから夏祭りや運動会といった地域の行事で、普段挨拶をするくらいの関係性の人と距離が近くなるようなイベントがすごく好きでした。何とも言えない距離感で、でもちゃんとつながっている。そんな感覚が温かくて嬉しくなったんです。そういった行事が年々なくなっていくのが悲しく、地域のつながりが恋しくなっていきました。

「地元の神社。いつも殺風景だけど、無くてはならない存在」

自分自身もずっと居場所を求めていたんですよね。小中高校、大学、今ももちろん、ちょっとした悩みから深刻な悩みまで、気軽に相談できる人って少なくて。ただ、少ないといってもそういう居場所はあったんです。高校生のときは、校舎から少し離れた吹奏楽部の練習場所。先輩後輩同級生、仲の良い人たちがいて、楽しく演奏するようなそんな空間がすごく好きで。大学ではオフラインだけでなくオンラインで大切な繋がりが生まれることもありました。
そういった日常の中での繋がりや、建物としてでない空間を自分はとても大切にしている、ということに気付き、「居場所」が自分の中のキーワードになっていきました。

昔のヒナ、いまのひな。

ーひなさんはどんな子どもだったんですか?

幼稚園低学年の時は無邪気な感じでしたね。欲しいものをおねだりしたり、姉がピアノの先生とレッスンしているときに横で「指ここだよ!」って教えたり...。先生が教えているのに横で口出しするみたいな(笑)

「5歳のとき。近くの動物園にて」

ただ小学4年生くらいから性格が控えめになりました。仲の良かった子に大きな声で悪口を言われるようなことがあり、それがきっかけで軽く人間不信のような状態になりました。それからあんまり積極的に人と関わらなくなりました。誘われたら安心して、仲良くしていいんだな、と思える…そんな人付き合いをしていました。

ー今はどうなんでしょう?

今も少し引きずっているかも(苦笑)。そういった過去の自分は「もっと一緒にいたい」「もっと遊びたい」気持ちを抑えて人と関わっていました。その反動みたいのもので「グループでディズニーに行ってみたい!」というようなキラキラしたことに憧れがあったんです。
ただ、それも大学2年生くらいまでで、それ以降はハッと気づいたことがあって。大学3年生でゼミに配属され、仲良くなった友人とお話ししたり、ご飯にいったりするようになり、その時の自分が自然体でいられることに気付きました。キラキラグループで遊びたいと思っていたけど、「それって自分に合っているんだろうか?」と疑問に思い始めて、考えてみると自分は広くよりも「狭く深く」の方が楽でいられるなと思うようになりました。自然体でいられる関係性というのも自分にとって一種の「居場所」だったのかもしれません。

「対話の場は、自然体でいられる居場所」

ーそんな「居場所」をひなさんが大切にする意味ってなんでしょうか?

居場所があることで頑張れる自分がいるんですよね。何かに挑戦したいというときに、いいね!ってみんなが応援してくれるだろうな、と思っていて。そういったパワーの源が、いろんな人にあったらいいなと思うんです。辛いことがゼロな人生はあり得ないので、そんなときにもここに来たら少し元気になれる、そんな場所をみんながもっていたら、ちょっと世界が明るくなるのかな、なんて考えています。

「対話の場でメンバーが描いてくれました。宝物です」

私は、こうして居場所を作っていく

ー「居場所への思い」が明確になる前後で何か変化はありましたか?

大学3年生というタイミングで、「自分がどんな仕事をして、何を志していくのか」について考えるようになりました。もちろんアップデートし続けていますが、確信めいたものがみつかったときはすっきりしました。具体的にどういう仕事をしていくのかを考えた時に、自分ではまだ力不足だということを感じて大学院進学を決めました。
ただ、学生の頃は行動できていないと感じることが多かったです。今、地域おこし協力隊として活動する中で、「居場所づくり」という自分の志に一歩ずつ近づいているような感覚があります。
例えば先月、初めて子ども向けのイベントをやったのですが、子どもとの接し方や集中できる環境づくりなど、自分には知識がないことを自覚しました。NPOで子どもの居場所づくりをやっている方の講演会があるので、それに参加して勉強しよう、と考えるなど、行動できることが増えてきています。

「イベントのお昼ごはんにて。美味しそうに食べる姿がうれしかったです」

ー地域おこし協力隊は、ひなさんに合っていたんですね。

そうですね。会社に所属すると地域との深いかかわりを築くことは難しいと思います。地域おこし協力隊という少し変わった働き方も面白いと思いますし、身近にあった選択肢の中では最善のものを選んだんじゃないかな、と確信しています。

ーこれからどんなことをやっていきたいですか?

目の前のことでいうと、今携わっている地域で、子どもたちが放課後に集まれるような環境を整えたり、地域の方が気軽に集まれるような場所をつくったりしていきたいです。地域おこし協力隊の任期が3年なので、その中で周りの協力を得ながら実現していければと考えています。
長期的な話だと、そういった居場所をいろんな地域につくる人になっていたいですね。相談相手兼おしゃべり相手のような存在になっていきたいですし、そこに集まった人々がお互いにそんな関係になれる空間がつくれたらいいな、と思います。さらには知識やスキルをもっと高めて、居場所づくりをしたいと考えている人や地域に対してアドバイザーのような立ち位置になっていきたいという思いもあります。

「後ろ姿を撮影するのが好き。 前を向いて歩いていくみんなを見守っていたい」

朝比奈遥という物語、第2章の幕開け

ーひなさんの人生が物語だとすると今はどんなシーンですか?

え、なんだろう。まだ、本当に始まったばかり、みたいな。10章くらいあるストーリーの第2章の1くらいかな。旅人だったら、ちょうど序章が終わって旅に出始めて、初期装備をそろえなきゃ!というイメージ(笑)。最初のダンジョンに向かって、一番弱い武器を使って、敵を倒しながら材料を集めているような感じです。
これから山場もあるだろうし、崩れ落ちるようなことや、想像できない凄いことが起こるかもしれないですね。

「大学1年生で海外インターンに参加した時乗っていた自転車。 あの頃のようにひたむきに漕ぎ続けていきたい」

ーなるほど(笑)。先ほどのアドバイザーというのはそのダンジョンを乗り越えたひなさんなのですね。

装備も整えて経験値も積んで、多少難しいダンジョンでも手こずることなくレベル上げしていけるような状態がそれですよね。
ただ、まちづくりをやってる人によく言われます。「(まちづくりが形になるまで)あと20年かかるよ」って。「すぐ60歳になって引退(定年)になっちゃうじゃん」なんて思いつつ、まちづくりや居場所づくりは自分の中でもう使命のように感じているので、長い目でみてわくわくしながら進んでいけたらいいなと思っています。

「朝日のような夕日。終わりと始まりを感じる瞬間」

ーひとつの温かい思いをずっと大切に育てているひなさんに、すごく向いているように感じますね!素敵なお話をありがとうございました!




小さい頃の無邪気なひなさんや控えめな性格のひなさん、ダンジョンに挑んでいくひなさんなど、色々な色を持つひなさんの姿が伝わってきました。その中でずっと温かく持ち続けている木もれ日のような居場所への思い。それが実っていく様子をのぞかせてもらったような、そんな気持ちになりました。

インタビュー・執筆:村山彩



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