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ペップ流5バックの攻略 CL21-22ベスト8 マンチェスターシティ対アトレティコマドリード(1stレグ)より

2022年4月6日チャンピオンズリーグベスト16、1stレグ、マンチェスターシティ(以下シティ)対アトレティコマドリード(以下アトレティコ)の一戦から、「5バックの攻略」について考える。

試合は、シティホーム、エティハドスタジアムで行われた。終始マンCがボールを支配するも前半は両者無得点。69分に交代で入ったP.フォーデンのスルーパスにK.デブライネが抜け出すと、これをファーサイドに決め、1-0試合は、そのまま終了した。

・堅守のアトレティコが見せた5-5ブロック
アトレティコは、試合開始時は5-3-2の2枚前残りでセットしたが、30分ごろには、前残りしていた2枚(A.グリーズマンとJ.フェリックス)のフォワードも中盤のブロック形成に参加し、異例の5-5-0ブロックをつくった。

これによりシティの前線にはほとんどスペースが与えられず、ハーフタイムを挟んで40分程度、膠着状態が続いた。


・シティの揺さぶり
鉄壁ともいえる5-5ブロックに対し、
まずセンターフォワードで起用されたB.シウヴァが少し引いたポジションを取り、
アトレティコディフェンスラインとミッドフィールドラインの間でボールを呼び込んだ。

同時に、サイドバックは大外で非常に高い位置を取り、ウィングは中に絞ったポジショニングをした。
(青=シティ、赤=アトレティコ)

2022-04-06 戦術ボード①

そこで、アトレティコの3センター左脇がシティウィングに釣り出されたスペースをインサイドハーフのK.デブライネが使っていた。

2022-04-06 戦術ボード②

2022-04-06 戦術ボード③

補足
シティのこのような動きに対し、普通ならディフェンダーがミッドフィルダーとマークを受け渡すなどして、対応できる。

しかし、5-5ブロックを敷いたアトレティコのミッドフィールドラインには、守備意識の低いJ.フェリックスやA.グリーズマンが含まれており、
彼らの守備力の低さがをシティが突いたと考えられる。

・まとめ
シティの名将ペップ・グアルディオラは、試合後5-5ブロックを攻略する難しさを語った。
確かに、5-5ブロックを敷く相手は決して多くない。

そんな中、シティの選手は、流動的なポジショニングによって相手のマークをずらし、相手の急所にスペースを創ることで堅牢な5-5ブロックの攻略を図った。
シティの1得点もまさに、戦術ボードと同じような形から生まれた。

ペップは、ボール支配率を高め勝利への蓋然性を高めることに成功した。
しかし、そのシティも取りこぼしがあるのは事実だ。

2ndレグ、アトレティコのホームでシティが取りこぼさずにベスト4に進出できるのか、注目したい。

P.S 明日のビジャレアルがバイエルン相手にどれだけ戦えるか見ものです。

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