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人工的孤独感

2020.05.08

小さい頃、夏休みに父と兄弟とで近くの川でよく遊んでいた。

その川は両側が低い藪に囲まれていて、遠くの山とか空は見えるけど、周りの家や道路からは距離的にも視界的にも程よい障害になっていた。

今日、一人で考え事をしたくなって、10年ぶりくらいにその河原に行った。

そこで、「孤独感は人工物だ」ということを知った。

周りにひと気のない河原にはその分自然があって、
野鳥の鳴き声や、カサッていう異音から、小動物や虫などの、たくさんの命が複雑に交わる生態系の存在を感じる。

その中に居るだけで孤独という感覚が無くなる。

僕はこれまで孤独感を感じる事がほとんど無かった。

それは兄弟が多いからだと思っていたけど、
それ以上に、周りに沢山の命がある事を感じながら育ってきたからだという事を悟った。

専門学校入学を機に上京をして、都会で暮らすようになって、去年あたりから孤独感というものを初めて感じるようになった。

往々にして、孤独感を感じると人が多く居る所へと行きたくなる。
でもそこで人間疲れをして、次は自分の部屋にこもる。

部屋の中にあるのは生態系を育むことのない人工物ばっかり。

孤独感っていうのは、人や人工物ばかりに囲まれて、五感で生態系を感じられなくなった状態のことなんだと、今日改めて思った。

そういうことか!と考え始めて、
結局当初考えたいと思っていたことは考えられずに帰ってきた。

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