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読書会で戦う為の5選

【今年は新しい事をしよう】と言うチャレンジを掲げた結果、友人氏からオンライン読書会なるものに誘って頂いた。
普段、どこに出しても恥ずかしくない引き籠もりなもんだから、足の小指を本棚にぶつけて叫んだら、久しぶりに大声だしたせいか盛大に噎せてしまい、呼吸困難になりながら床を転げ回るという必殺技を繰り広げてしまう程度には人と会話をしていない。

そんな我が初めての人達の前でお題つきで話をする。訪問営業ですら断るのに20分くらいかかり、横の部屋に荷物届けに来たヤマトのお兄さんが撃退してくれた位にはお話が苦手な我がだ。

そんなに嫌なら断れば良いだろと思うが、今年は新しい事をすると決めたのだ。読書会、良いではないか。それに本は好きだし。

しかし、誘ってくれた友人の面子の為にも真っ当な一般人、そして立派な大人たるふるまいを見せなければならない。せめて『あの人挙動不審だったね、もしかして普段地下牢に閉じ込められてたりする?』とか陰で言われない程度には。

なので、読書会に参加するにあたり、まずは自分の好きな本達をつらつら上げていく事にする。
なお、この記事に有益な情報はなく、ただただオタクが奇声あげているだけなのでよしなにです。



泣く子も黙る理系ミステリの金字塔


森博嗣・すべてがFになる。

【現世から隔離された孤島の研究所に暮らす天才プログラマ・真賀田四季。
彼女に会うために那古野大学准教授である犀川創平とその学生西之園萌絵は孤島に訪れるが、そこで待っていたのは完璧な密室で四肢を切断された死体だった……】

S&Mシリーズ、犀川&萌絵ペアの作品。
表紙が新装されて読む前からうっとりする美しさである。
これがデビュー作だと言うのだから驚愕だ。
因みにドラマにもなったのだが、ここで感想を言うのは控えておこう。ただ、ドラマを観て『森博嗣苦手かも』と思われた方がいるなら絶対原作読んでくれ、読むべきだ(懇願)。
全作煉瓦並みの分厚さを誇るが、文体が軽やかなのでそこまで読むのは大変ではない。
後、理系ミステリとあるが、別に数学が苦手な人でもサクサク読めるのであまり気にせんでよかろうです。



講談社ミステリで避けて通れぬ重鎮

京極夏彦・ルー=ガルー 忌避すべき狼
【生活の全てを管理された近未来社会。 子供達は物理的なコミュニケーションを避け、モニタと呼ばれる携帯端末に依存して生活していた。
子供達は無機質な都市で清潔に暮らしていくはずだった、しかしその生活は突然幕を下ろす。
14〜15歳の少女だけを狙った連続殺人事件が発生したのだ……少女達の闘いが始まる】

少女✕近未来SF好きならマストな一冊。
百鬼夜行シリーズしか読んだことないんだよね、という方にも是非勧めたい。なんなら近未来SFってちょっと抵抗が……という方にも前のめりで勧めたい。
実はこの作品、実験的な一面も持っていて、インターネット上から近未来のアイディアを読者に募り、送られてきた情報を京極夏彦本人がまとめて作品に登場させる、という事を行っている。その為普段の京極作品と趣がやや異なる、それもそれで大変楽しい物だ。
実際目にすると分厚さに怯えるかもしれないが、京極夏彦先生の作品は大体ごんぶとなので、これを機に本棚圧迫させてみるのも一興。
因みに続編 『ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔』 は更にミステリ色が強めに出ているのでそちらも読むと花丸である。



文系✕アクションを成立させた稀有な作品

倉田英之
R.O.D READ OR DIE YOMIKO READMAN"THE PAPER
【神田神保町で非常勤の仕事をしながら読書三昧の生活を送っている活字中毒の読子、だが彼女には大英図書館の特殊工作部に所属するエージェントという裏の顔があった。
産休の代理教師として都内の高校に赴任する事になった読子は現役女子高生であり天才少女小説家菫川ねねねと出会い、そこから様々な事件を2人は『紙の力』で乗り越えていく】

今は亡きスーパーダッシュ文庫の創刊を飾った作品。
現在12巻まで出ており完結予定は13巻、過去に作者がインタビューで『2017年には13巻出ます』と語っていたが、そこから早くも7年経ってしまった。先生!先生!!13巻はっ……!?
12巻出るまで10年かかったので、根気よく待ち続けますね………(座布団出しながら)


お嬢様✕女子校が嫌いな奴なんておるんか

今野緒雪・マリア様がみてる
【歴史と伝統を誇る私立リリアン女学園高等部に入学した祐巳。 日本屈指のお嬢様学校であるその学園には、上級生と下級生が規則正しい学園生活を送るために姉妹の契りを結ぶという独特なシステムが存在していた。 平凡な学園生活を送っていた祐巳はある日、みんなが憧れる2年生の祥子から、“妹”に選ばれてしまう。(あらすじ・MOVIE WALKER様 『映画 マリア様がみてる』よりお借りしております。これ以上ないくらい適切で完璧なあらすじだった……)】

読んだことなくても名前くらいは聞いたことがあるんじゃないだろうか、という位有名作品。
当方は学生時代にどハマりし、女子校出身の同級生に『女子校ってこんな感じ?』と聞くキモオタムーブをカマした黒歴史がある。皆、一回はそういう事するよね?ね?(必死)
こっっっれは、もう、名作。『なんだ姉妹の契って』とか思うかもしれないが、本質はそこじゃない、違うんだ、地に足がついてるしっかりとした物語なんだ。
多分タイトルとジャケで敬遠する方が(特に女性に多いイメージがあるが)一巻だけでも………読んで欲しい………
『あー、全然百合とか興味ない』と言っていた方々を尽く沼に突き落としてきた作品。百合を抜きにしても学園小説として秀逸。



切なくて美しい、そして救済の意味を問う

白倉由美・しっぽでごめんね
【飛行事故で両親を亡くした天涯孤独の漫画家『僕』は妻と離婚したその日にしっぽのある少女繭果と出会う。
透き通った日差しのような日々と一瞬のきらめき、子供のまま大人になった僕らへのイニシエーション】

ラジオ番組のプロデューサーでもあり、漫画家としても活動していた白倉由美氏、大塚英志先生の奥さんでもある。
当方は漫画・セーラー服で一晩中からファンになったのだが、これね、この本ね、是非読んで頂きたい。 
文体はどちらかと言えば幼さが残るし、作り込まれたギミックやどんでん返しもないし、凄い超能力の主人公もいない。
だけど、ずっと刺さって取れない、忘れさせてくれない力がある。こういう出会いがあるから本って良いなと思いますね。


一応ババッと思いついたのがこちら5選。
本当は伊坂幸太郎とか三崎亜記とか賀東招二とか時雨沢恵一とか紅玉いづきとか勧めたい本は沢山あるのだが、書きながら『これはキリがない』と気づいてしまった。ので、ここで一旦打ち止めとしよう。
ただ、書いてみて『ああ、まだこんな熱意持って本の話書けるんだな』と自分のことながらなんだか嬉しくなってしまったので、またどこかで書き出してみようと思うでござる。

皆様のお勧めも是非教えてください〜〜ではでは!

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