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■ 買った土地に、イメージしていた家が建たない?


結論から言うと、「土地を買うときにはどんな建物が建つかよく相談してから買わないと後で後悔することがあります。特に都内で三階建てを検討するときは。」というお話です。

某住宅会社の営業マンだったその昔、住宅展示場でお客様の応対をしていると私のいた展示場だけでも年間に何件か「…先日土地を契約したんです。お宅で建物を検討したいのだけど…」という相談が来ます。

住宅会社からすれば土地を購入したばかりのお客様なんて、すぐにでもご契約いただけそうなありがたいご相談。すぐにテーブルにお掛けいただき詳細を伺います。

しかしこのように土地を購入してしまってから展示場に来られるお客様の場合、話をよく聞いていくとこう答えざるを得ないことがしばしばあります。

「…残念ですがお客様、お客様のご希望される建物はこの敷地には建てられません…」

…というのも建築にはいろいろと難しい法律があります。建蔽率、容積率、斜線制限、採光規制、等々。皆さんご存知ですか?特に都内の三階建てになると避難口などさらに厳しい規制が。また、そもそも敷地の大きさや形、道路付けによって建てられる建物の広さも間取りも大きく変わります。

ご存じかと思いますが土地は契約書にサインして契約金を渡してしまえば、その手付金を相手に渡さないと契約解除はできません。いわゆる「手付流し」というやつです。土地の契約を終え、楽しいマイホームの設計に、いざ取り掛かろうと思って飛び込んだ住宅展示場で営業マンからのまさかのリアクション。

契約が済んだばかりの購入予定地に希望通りの建物が建てられない理由をひとつひとつ聞かされると、ご夫婦の顔はみるみる青ざめて最後は肩を落として展示場を出て行く。私はそんなシーンを何度も見てきました。

このようなお客様の姿を見るたび「どんな建物ができるのかを確認せずに、どうして先に土地の契約をしてしまうのだろう」と思ったものです。

(つづく)

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