動画授業なら聞く子供たち

1 はじめに

こどもの日記を見たり休みの日の過ごし方や勉強の仕方について話をしていると,教育系のYouTubeを見ているこどもがいて時代の流れを感じました。勉強熱心な子どもは学校の勉強では飽き足らず,教育系の動画で学習をしていましたが,「学校の先生よりもわかりやすくておもしろい」と言う子どももいて,精進せねばと感じる一方で,動画授業ならやりたくなる子どもの心理はどのようなものなのだろうと感じることも増えました。そして,実際に子どもが見ているYouTubeにも目を通してみましたが,中田敦彦のYouTube大学を挙げる子どももいました。数学の説き方や教科に特化した塾の先生をイメージしていたので,知的好奇心の広がりを感じます。YouTube大学の是非は別にして,なぜ子どもの心をつかむのかを考えながら見てみました。


2 ネームバリュー


まず一つに,ネームバリューがあるというのは大きいですね。教育系YouTuber
の並々ならぬ努力はもちろんですが,それに付随するネームバリューは強いです。YouTubeを一から自分で発信と集客をしてきたという人はどのように取り組んでいたのか,はねたきっかけが何だったのか追いかけるのは大変興味深いですが,中田敦彦さんは始める時点でのスタート地点が違いますよね。(芸能人でもYouTubeの再生回数でいじられる芸人もいますが)
一冊だけの本を根拠に知識を伝授するのは怖い面もありますが,活字が苦手な人にとってはうってつけのツールになり得るかも知れません。聞き手のメディアリテラシーが問われる社会になっているという事でしょう。
注目度の点で言えばお笑い芸人が勉強の中身を語ると言うことは子どもや社会で気には新鮮であり,希少性も高く集客力は圧倒的なものを感じます。

3 テンポと引き出し


名前だけで人が見に来るかと言うと,やはりそうではないと実感させられるのも事実です。おもしろくなかったり中身が薄すぎると人は離れていきます。その点,子どもが惹かれている動画を見てみると,話やみぶり手振りがその道のプロの動きです。中田敦彦のYouTube大学では「このしゃべりのうまいYouTuberは誰なんだ」と言われたと語っていましたが,確かにはじめから書かれた使っているのかどうかすらも怪しい文字が羅列されたホワイトボードはあるものの,しゃべり一辺倒で話を聞かせられる技術があります。あのライブ感と話の抑揚の付け方は子どもにも入って行きやすいのでしょう。中身云々の前にパフォーマンス力が現場の先生とは差が開いて見えます。


 
3 おわりに


YouTuberの方はそれを職としているだけあって,大変魅力的な語りをします。学べる点は大いにあると思いますが,内容で勝負するのであれば現場の先生方が劣っているとは思えません。しかし,子どもは動画でまとめれたあの語りの方が魅力的でわかりやすいと感じています。結局,ジャッジは聞き手が行うものであり,学校の授業がつまらないと言われたらそれまでです。大人が違う視点で吸収するということも必要となってくるのでしょう。
 そして,インターネットという便利な道具を駆使して学習するのは大変効果的ですが,その扱い方やメディアリテラシーについては十分大人自身も注意し,子どもにも伝えていきたいところです。

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