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大統領選挙とAKBで思った、ココロに届くスピーチとは

長い選挙戦、戦いの末にようやくアメリカ大統領が決まった。(まだ長引くかもしれないが...。)個人的にはとても安堵している一方で、より印象的だったのは、初めての女性副大統領に選ばれたKamala Harris氏のスピーチだった。

移民2世であったことから、様々な差別や偏見、葛藤もあったであろう。そんな彼女から出てきたこの言葉は、この演説を見ていた人々に一番勇気を与えたのではないだろうか。

"But while I may be the first woman in this office, I will not be the last, because every little girl watching tonight sees that this is a country of possibilities." 
私が初の女性副大統領になるかもしれませんが、最後ではありません。なぜなら、今夜この場面を見た全ての女の子たちには、わかったはずです。この国は可能性に満ちた国であると。

この一フレーズから、もちろん小さい女の子だけでなくアメリカは「可能性に満ちた国」だと信じる全ての人が報われたと感じたのではないだろうか。どんな国の人でも、自分の国のことをずっと信じ続けるのは難しいかもしれない。けれどもそんな中で、信じ続けてよかったと思った人、希望を見出せた人はたくさんいるんだろうなと感じた。

スピーチ、と聞いて思いだしたのは、2015年のAKB総選挙で卒業スピーチを行った高橋みなみのスピーチだった。

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私はAKBのファンでも何でもないけれども、仕事で落ち込んだ時は、何度もこのスピーチを読んでいた。このスピーチの一文一文すべてが好きだったのだけれども、一番心に残ったのは、この文章だった。

多分みんな、いろんな活動をしていて、「悔しいなぁ」とか「頑張っても、100頑張っても1ぐらいしか評価されないなぁ」って、たくさん矛盾を感じていると思います。
でもね、人生というのはね、きっと「矛盾と闘うもの」なんだと思います。色々思うことがあると思う。でも、頑張らなきゃいけない時っていうのがあるし。頑張らなきゃいけないときっていうのは、一瞬ではないということを、みんなに覚えておいてほしいなと思います。
272人、今回立候補しました。呼ばれたのは80人でした。呼ばれなかったメンバーは、では、頑張っていなかったのか。違います。みんな頑張っています。劇場公演に立ち続け、学業を両立して頑張って、自分のやらなきゃいけないことと一緒に頑張っているんです。でも、ここに立てるのは80人なんです。だからきっと、AKBグループにいればいるほど、頑張り方がわからなくなると思います。どう頑張ったら選抜に入れるのか。どう頑張ったらテレビに出れるのか。どう頑張ったら人気がでるのか。みんな悩むと思うんです。
でもね、未来は今なんです。今を頑張らないと、未来はないということ。頑張り続けることが、難しいことだって、すごくわかってます。

ただでさえ日常の中で周りの人と比べて落ち込むことも多い中で普通の人の日常よりも圧倒的に競争が激しい世界で生きている人で、誠心誠意努力している人ほど言葉にできないぐらい人の痛みもわかるし、乗り越え方も知っているんだろうな、というのが第一印象。そんな人から発する言葉には説得力しかないし、立場関係なく力を分けてもらえるように感じるんだと思う。改めて、アイドルっていう職業は本当に大変で、けれども人にパワーを与える仕事だなあと思った。

この2つのスピーチに共通するのは、「伝えたいと思う相手」に「どれだけまっすぐに」「できるかぎり強く」伝えるかを考え抜かれた言葉たち、のことなのかと思った。スピーチに共感するために前提知識も、専門的な言葉もいらない。絵にするなら、太ーい矢印を届けたい相手にどーん!と届けるイメージ(語彙力が低くて伝わらないかも...反省...)。

しかしまあニュース見ながら久々にしびれたなあ。こんなかっこいい政治家、女性がもっと増える世の中になってほしい。久しぶりに感動した。

#大統領選

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