「いいね農業」という人に知ってほしい農家の悩み3選!

農業を始めるという時に圧倒的に足りないのが「目的」ではないでしょうか?
農業している人に「いいな」って言いう人の多くは「好きなことをしてお金が入っている」と勘違いしているのかなと思います。
「会社の様な人間関係がない」や「出勤する必要がない」「健康的」といった「うらやましい」という声を多く聞きますが、その中に「儲かっていいね」という声はあまり聞かないのが現状です。

今回は農業従事者が抱える悩みを紹介していきます。

1. お米と野菜どっちがお得に生産できる?

ここ最近、野菜が高騰しているというニュースを見た人は多いと思います。
世界情勢による燃料費や資材の高騰などが主な理由です。
そんな中、お米の高騰ってあまり聞かないじゃないですか。

あれはお米って日本人の主食だからある程度は安定した価格にする必要があるからなんです。
具体的に言うと、市場での売買がなく競りがないんです。
だからある程度の価格は決まっているので、安定収入が期待できます。

ここまでなら「お米の方が得だ!」と思うかもしれませんが、実際にはお米の価格というのは高くなく、コメ農家で生活を成り立たせるためには広大な田んぼが必要になってくるのです。
そして年に1回しか収穫できない米は、冷害被害などで大きなマイナスを被ることも。

そんなこともあり、お米と野菜を一緒に生産する農家が多いのです。

2. ハウス栽培の罠

ハウス栽培は農業を大きく発展させました。
冷害や害虫といった自然災害を防ぐだけでなく、季節に問わない農産物の生産が可能になったのです。

ただ、大きな問題があります。
それはハウスの建設に大きな費用が掛かる上に、台風や大雪などの自然災害でハウスが倒壊した場合にかなりの撤去費用が掛かるということです。
自然災害から守るのが目的のハウス栽培ですが、それでも台風などで倒壊する危険性はあります。

またハウス栽培は温度管理がしやすい反面、電気代などのコストも高くなります。
自然栽培では難しい作物の成長をコントロールできる反面、反動でのリスクは覚悟しなければならないのが悩みです。


3.お金回りってどうなっているの?

農業をやっていると、固定給ではないのでいつお金が入ってくると思いますか?
多くは収穫時に売買して現金に換えるので、年に1回から2回程度が主です。
しかし支払いは年1回では済まないので、多くは補助金などを活用しています。
新規就農時や新品種に取り組む際などに申請を行い、資材などの必要な経費だけでなく生活費も賄います。

しかしこのお金、無利子での貸付だったりするので年間を通して返済しなければなりません。
返済があるから農業収入を増やしていく。
農業は冷静にみれば自転車操業の経営者が多い業種です。

そしてお金が見えにくい(みえにくくしている)のが農業です。
新規就農者の30%が5年以内に離農しています。
その多くは経営資金のショートが理由です。
いい農作物を作るということも重要ですが、現金収入をいかにキープするかが農業を継続していくために最重要といえるでしょう。

まとめ

農業やってみたいと考える人は多くいますが、実際にやってみる人は少ないですよね。
さらにやってみてから継続するのはさらに難しいのが実状です。

「いいね農業」という前に、その裏にある「生活」を考えてみてはいかがでしょうか?



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