2023/2/18 神ヴィンテージレポート

使用デッキ:アトラクサオース
ヴィンテージ/オース/(ハギモリ カク,2023/02/18)デッキリスト | 日本最大級 MTG通販サイト「晴れる屋」 (hareruyamtg.com)
結果:3没

スイスラウンド 5-1
リアニ☓
MUD〇
イニシアチブ〇
ベルチャー〇
グリクシス船殻破りコンボ〇
イニシアチブ〇

SE
エスパーPO 〇
ピッチヴァイン 〇
エスパーティンカー ×

反省点
メタゲーム予想から受けに寄せたデッキが少ないと予想していて、とにかく早く押し付けることを重視した構築として練習もハードマリガンを前提としたプレイで行っていた。

決勝で、受けに寄せたデッキに当たってしまい、構築が不利であった。ただしこれはメタゲームを予想したうえで勝率を最大化した結果であるため、仕方がない。

しかし、少ないから不利になっても仕方がないと割り切ったデッキだからこそ、そのデッキに対する練習をするべきであった。

結果としてどれだけ攻めるのが遅くなっても問題ないか。という判断をその場で適切にできる自信がなく、決勝でハードマリガンは悪手と理解したうえでも、今自分ができる範囲で勝率を最大化するためには、悪手であっても練習を重ねたハードマリガンで素早く押し付けるプレイを貫いたほうがましだと判断した結果すべて捌かれ負けた。

デッキ調整の過程

メタゲームの想定
-大量のイニシアチブ
直前の晴れる屋休日大会等の状況から、メタゲームをトップメタが白単イニシアチブで占有率が2-3割程度と想定。
-赤の減少
ヴィンテージの赤の強みは紅蓮破をメインに大量投入できることだが、イニシアチブ相手にはwillのコストにすらならない無駄札であり、今はその構築をしづらく、強みを生かしづらいため赤が減ると想定。
-生物除去の増加
イニシアチブケアで生物除去が増えると想定。
-墓地対策の減少とバザーの増加
イニシアチブ対策でどうしてもサイドの墓地対策の枠が減るため、それを狙ってバザーデッキも増えると想定。
-受けるデッキは生物除去と非生物に対するカウンターの二択を迫られ、裏目が大きく使いづらい。また、それらを適切にサイドボードできる形にするとバザーやワクショに対するガードが甘くなりすぎ負けてしまうため、減ると想定。

デッキ選択
以下の4つを候補にした上でデッキ選択をした。
1.極端なイニシアチブ
2.血染めの月
3.バザー
4.オース

1.極端なイニシアチブ対策
イニシアチブのメタゲーム占有率6-7割くらいの極端な状況になりそうであれば使おうと思ったが、そこまでのメタゲーム占有率ではなかったため、ボツ。(ネクロの夏に対する12Knights並のヘイトデッキを考えていた。)
2.血染めの月
赤いデッキが減り、環境の6-7割(イニシアチブとur系以外の全て)のデッキに月が強いのであれば月デッキも考えた。
ゴブリンやエイトムーンなども考えたが、エイトムーンはイニシアチブ相手に弱すぎたのでボツ、ゴブリンは環境の生物除去増加でボツとなった。
3.バザー(ピッチバイン)
墓地対策が減るからメタゲーム上の立ち位置は良いと思ったが練習したところイニシアチブ相手には不利だと判断し、ボツ。不毛だけでなくサリアと選定された平和の番人がとにかくきつい。
4.オース
根本的にオースは生物デッキ全般に強く、他に検討してたアーキタイプがボツになったのでオースを選択した。

-デッキ構築の方針
メタゲーム予想により、今の環境は押し付けたほうが強いと判断。
そのため、押し付け力をとにかく高めた。
また、受けるカードが環境から減っているという読みで、マリガンで手札が減るというデメリットが小さいと考え、手札調整は定業ではなくマリガンを選択した。

-オース以外の部分の選択
オースには以下のような多様なデッキ構築の幅がある。
-オーコオース
-オムニオース
-逆説オース
-ブリーチオース
現在主流のオーコオースは、イニシアチブ相手に後手を踏むとオーコが間に合わず不利だと考えた。また、マナ加速が少ないため、押し付ける力も低いと考えた。
そこで、マナ加速が多く押し付け力の高い他のコンボとのハイブリッド型のオースが良いと考えた。
2018-2019年頃は逆説オースをよく使っていたという経験値もあるので、今回は逆説オースを使うことにした。
逆説オースはマナ加速が多く、2-3ターン目にオースで出す生物を素出しできることも頻繁にある。そのため、オース/逆説/Tinker/サーガ/素出しの5つの勝ち筋で多角的に攻められるのが強みと考える。

-オースで出す生物の選択
アトラクサ2枚を選択した。
以下が候補にあがった。
-残虐の執政官
-アトラクサ
-グリセル
-セラの使者(サイド要因)
カラカスケアと、ボードコントロール力の高さから最初は残虐の執政官が良いと考えていたが、コンボ相手に2回殴らないと勝てない遅さと、布告が果樹園トークンでかわされる。果樹園なしで相手1体のときにオースから出すと相手にオースを使われることがある等のかみ合いの悪さで不採用になった。
セラの使者は、イニシアチブなどを警戒したカードであるが、オースから出てくる生物を除去するプランでソープロをサイドインされる裏目を考えるとイニシアチブ相手に出ても勝ち確か怪しく、勝ち確にならないのであればサイド枠を消費してまで採用するほどのリターンはないと判断し不採用になった。
グリセルとアトラクサの比較だが、グリセルのほうが強い局面はライフが14点払える状況だけである。しかし、そのような状況であってもアトラクサの10枚見れる能力で十分勝ち切れるケースがほとんどであり、アトラクサでは負けるがグリセルだったら勝てる。というケースは極めて少ないと考えた。半面、現環境にそれなりにいる船殻破りや迷宮の霊魂といったドロー制限および、アグロデッキにライフを詰められていてライフが払えない等で、グリセルでは負けるがアトラクサだったか勝てる。というケースはかなり多いと考えた。そのため、アトラクサ2枚とした。
ほかにも、アトラクサには7マナであり、各色を1つづつそろえるだけですむのでグリセルと比較して素出しがしやすいというメリットがある。

Tinker
以下デメリットを恐れて最初は採用を躊躇っていたが、練習してみるとそれらのデメリットは想定よりも小さく、それよりも1t目にチューター打って2t目に1枚で勝てるカードがデッキに入って無いことのほうがデッキ構築上の弱点と考え、採用することにした。
1.アグロ以外には木偶の棒なスフィンクスの採用が、オースを弱くする。
2.デッキが重く、ボーラスの城塞を強く使えない。
3.アトラクサやボ城等の重すぎるカードが増えて事故りやすくなる。

1.はtinker先をボ城とvaultだけに絞る事で解決した。スフィンクスが入っていないと活性使うアグロ相手にTinkerが使いづらいが、その場合はtinker自体をサイドアウトする。
2.はそもそもアトラクサなどを唱えられたらそこでライフがなくなりボ城がストップしても勝てるから問題なしと考えた。
3.はマナベースが強く素出しが現実的なので、想定したよりも大きなリスクではないと判断した。

カウンターの選択
mm1.will4.フラスター2を選択した。
mm1will4は確定枠として、残りはフラスター、否定の力、精神壊しの罠などが候補であるが、デッキ方針としてとにかく押し付けたいため、押し付ける時に一番役に立つフラスターのみを採用した。

マナベース
マナファクト11
mox7
ロータスクリプトソルリンマナヴォルト
土地17
母聖樹2
サーガ3オーチャード4学校
フェッチ3アンシー2トロピー2

多めの土地17
スクリューしたら森として使える打ち消されない置物破壊として、母聖樹を2枚採用することでイニシアチブ等のtaxingと、vault-keyを警戒した。
アトラクサから土地カウントで拾えるネイチャークレームは偉い。

ペタルの不採用
押し付け速度が上がるが、使い捨てであるため初動をはじかれた後の動きが弱くなるため採用すべきか微妙なラインであった。
グリセルで回してた時は素出し貢献度が高かったため採用してたが、アトラクサはそこまでしなくても素出しできるので不採用とした。

サイドボード
今回は以下の方針でサイドボードを構築した。
ヴィンテージ デッキの調整方法に関する検討|homflan495|note
それぞれのカードを選択した意図
タバナクル:バザー系はピッチヴァインが一番多いと想定し、初動を弾くカードとしては最高と考えた。長期戦には簡単に対処され微妙ではあるが、自分も早いデッキであるため初動さえ弾ければ充分と考えた。
針:MUD相手に不要牌を抜ききるために、MUDにもプレイアブルなバザー対策として針を採用した。
フラスター:カウンターや活性の力で妨害してくる相手に、追加できるように3枚目を採用。押しつけるために使う分には、2枚構えながら押しつけるのは難しく、2枚引いても仕方がないので3枚で充分と考えた。
精神壊しの罠:自分より早いDoomsday相手に不利と考え、Doomsdayに対するサイドとしては否定の力より質が高いこちらを多く採用。書庫の罠の採用も検討したが、精神壊しの罠のほうが受けが広いことと、サイドガイアの祝福で書庫の罠を対策しているDoomsdayもネットで発見したので精神壊しの罠を選択。
否定の力:防御札としての質は精神壊しの罠のほうが高いがMUD相手にプレイアブルなカードが足りないのと、受けを広くするため、こちらも1枚採用。
ぼせいじゅ:追加の土地兼置物破壊として3枚目を採用。MUDやイニシアチブなどのマナ拘束相手には、土地として使えるという選択肢がとても優秀。
ハーキル:これがないとMUDには勝てません。
四肢切断:ヘイトベアをテンポよく対処できるので採用。殺しや殺戮の契約などの0マナ系カードも考えたが、殺しは沼が足りてない、殺戮の契約はリスクが高すぎるため、不採用。
美徳の喪失:イニシアチブ対策として最高のカード考えていたが、使ってみたらサリアアルコン不毛などで打てないケースも多くキープ基準にならず、微妙だった。しかし、どうしようもない盤面からチューターで探してまくる選択肢も欲しかったので1枚採用。

プレイング

キープ基準
2ターン目までにオースやTinker等で攻められないハンドは積極的にマリガン。
3枚あればオーチャードオースモックスのぶん回りができるので、4回までマリガンできる。そのため、4枚、5枚になってもどんどんマリガン。
2枚からは初手でぶん回りが確定することはないので、(ロータスアンリコからのオーチャードオースが両方あるなどの結果的にぶん回る可能性は一応あるが)3枚までマリガンした場合は、マナが1つでも出ればキープ。
このデッキの力を引き出すには、バザーデッキよりも多くマリガンする必要がある。実際に神決の9ラウンドで30回以上マリガンした。


ガイアの祝福
オースで事故死することよりも、遥かにオースが誘発する前に負けてしまうことのほうが多い。
そのため、事故死を過剰に警戒してサイクリングしないのは誤り。

まだデッキにアトラクサが2枚残ってる場合またはヨグウィルが手札にある場合はサイクリングしようがしまいが事故死する可能性は低いのですぐにサイクリングする。
手札にアトラクサが1枚かつヨグウィルがない場合は、サイクリングしないことにより事故死を避けれる可能性がそれなりにあがるので、慎重に。特にヨグウィルももうライブラリにない場合は事故率が跳ね上がる。
手札にアトラクサが2枚の場合はもう開き直ってサイクリングする。

戻すカードはヨグウィルとの兼ね合いで考える。デッキの濃度を最大値にするのではなく、ポンダー等のそこまで濃度が上がらないカードは戻さない。相手のフェッチなど、相手のデッキの濃度を下げるのに使っても良い。

また、ガイアの祝福の役割は、オースプランで攻める時の事故を防ぐことであり、特に2回目のオース誘発時の事故を減らすことである。
そのため、以下の条件がそろった場合は積極的にサイドアウトする。
-相手が早くオースを置いた後ターンを返したくないためオースプランではなく逆説やTinkerプランで主に攻めたい。
-サイド後アトラクサを対処するカードを相手が使ってこなさそうで、2回目のオース誘発の必要性が少なそう。

オースの2回目起動判断
すでにアトラクサが場に出ている状況で2回目のオースを起動し、手札を補充すべきか考える。
結論から言うと、ガイアの祝福が手札かライブラリにある場合はLOする可能性は極めて低いので、絶対に勝てると言い切れる手札でないのであれば2回目のオースを起動して手札を整えたほうが良い。
ガイアの祝福が墓地や追放領域やサイドボードにある場合は、それなりにLOする可能性があるので、リスクとリターンを考えた上でオースの起動を判断する必要がある。
それぞれの状況でどれくらいLOするリスクがあるか?(勝つまでにアトラクサ3回殴る必要があるので、2t後以内にLOするケースをLOと定義する。)
ヨーグモスの意志が追放領域やサイドボードになく、かつライブラリにガイアの祝福が残っている場合はガイアの祝福が底、その上にアトラクサといった0.1%以下で発生するワーストケースであっても相手にアンリコを打たれるorガイアの祝福が打ち消されない限り4ターンはLOしない。
ヨーグモスの意志が追放領域やサイドボードにある場合は、0.1%以下のワーストケースで3ターン後にloする。
ガイアの祝福が手札にある場合は、アトラクサが底にいる2-3%でLOする。
ガイアの祝福が墓地やサイドボードにある場合は、底3枚にアトラクサがあるとLOするため10%程度である。

但し、切削してくるデッキ相手には注意が必要。
ブリーチの思考停止や赤青執政の思考掃きなどがヴィンテージに存在する切削なので、それらと当たったときは手札が充分に強いのであればケアして起動しないほうが良い。

サイドプラン
全体的な方針
ミラーや、オースが間に合わないマッチアップ等でオースにあまり依存しないゲームプランの場合はガイアの祝福を抜く。それらのマッチアップはオースを2回誘発させたいケースも少ないので、オースルートでもガイアの祝福がなくて困る可能性も低い。
相手のカウンターが濃くてかつ相手に即死コンボがない場合はtinkerを抜く。
除去はサリア船殻破りラヴィニアアウフ等のヘイトベア又はメンターやルールス等の対処できないとすぐに負ける場合のみ入れる。
的が相手のデッキにあるからと安易に入れるとデッキが弱くなる。
タバナクルは基本的にバザーデッキにのみ入れる。イニシアチブやMUDや墓荒らし相手には追加の展開が少し遅くなる程度で効きが悪いので、デッキを弱くしてまで入れる価値がない。
母聖樹は割りたいカードがなければ抜くが、相手が不毛打ってくる場合はマナが足りなくなるので1枚は残す。
青マナが出る土地はカツカツなので相手にマナ否定要素がなくても原則抜かない。
オパモを引けないと逆説の回りが悪くなるので基本的に減らさないが、アーティファクト大量破壊系カードをケアしてモックスを手札に抱えたい場合に限り、使いづらいので1枚減らす。
2t以内にゲームがほぼ決まるマッチアップの場合はサーガが間に合わないので抜く。

イニシアチブ
in 美徳の喪失1 四肢切断3 母聖樹1 針1
out フラスター2 ナーセット1 ギタ調1 ミステップ1 ヨグウィル1
taxingしてくる相手にギタ調とヨグウィルはいらない。針はカラカスor不毛指定。
MUD
in 否定の力1 ハーキル2 母聖樹1 針2
out フラスター2 ナーセット1 ギタ調1 ミステップ1 ヨグウィル1
taxingしてくる相手にギタ調とヨグウィルはいらない。針は不毛指定。

ドゥームズデイ
in フラスター1 否定の力1 精神壊しの罠2
out 母聖樹2 ガイアの祝福1 サーガ1
母聖樹は割りたいカードがないかつ相手がマナ否定してこないのですべて抜く。サーガは根本的に相手の速度に間に合ってない。特に1t目に置くとフラスター持ってないのがばれてぶっぱされるので、2t目に置くことになりがちで本当に間に合わない。そのため複数枚引きたくないので1枚減らす。

ドレッジ、ピッチヴァイン
in タバ2 母聖樹1 フラスター1 針2
out vault1 key1 tinker1 ボ城1 ナーセット1 MM1

サイド後はほぼ確実に活性4枚使ってくるので、フラスターは必要。
ライフがすぐになくなるので、tinkerボ城は抜く。
活性に弱いので、vault keyも抜く。
ドローを止められるのは偉いがナーセット出す前に先に展開されがちで1ターンも止まらないことが多いため、ナーセットは抜く。

オーコオース
in 針1、フラスター1、否定の力1、母聖樹1
out オース3、ガイアの祝福1
オースを誘発させることに関しては、オーコがある分相手の方が上手なので基本的に逆説tinker素出しを狙う。
但し、噛み合いでオースの誘発に成功するケースがあるので、その時にサーチ出来るように1枚だけ残す。

墓荒らし
in 四肢切断2 フラスター1
out tinker1 ボ城1 母聖樹1
フラスター、活性等でtinkerを咎められやすく、咎められた時のダメージが痛すぎるのと、そこまで勝ち急ぐ必要もないので抜いてしまう。
母聖樹は檻やヌルロッドはあまり採用されていないため割りたいカードがほとんど無いが、不毛などのマナ否定要素は強いので1枚はほぼ森として残す。当然、檻やヌルロッドを複数見れば抜かない。
基本的に対処したい生物がアウフしかいないので、四肢切断は2枚だけサイドインする。船殻破りなどがあれば、3枚目のサイドインを検討する。
アーティファクト破壊は活性が基本で、ケアしても被害が減らないためオパモは抜かない。むしろ、相手はフラスターにかなり頼るはずなので先出ししたらフラスターケアできるなら先出しする。
無垢への回帰などが見えたらそれらをケアするために、オパモは1枚減らす。

UR執政
in フラスター1
out オパモ1
破壊放題ケアで不要であればモックスを展開したくなく、オパモが使いづらいので、1枚減らす。檻とヌルロッドケアで母聖樹は抜かない。
ヘイトベアはあまりなさそうなのと、四肢切断は一番対処したい執政を対処できないので入れない。除去を入れる場合は紅蓮破で通りづらいtinkerを抜く。

ジェスカイルールス/メンター
in フラスター1 四肢切断2
out オパモ1 tinker1 ボ城1

ラヴィニアや封じ込める僧侶等のヘイトベアが採用されやすいかつ、メンターやルールス等のどうしても除去したい生物がいるので、除去を入れる。紅蓮破で通りづらいtinkerと破壊放題ケアでオパモを抜く。



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