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#SAW質問箱総集編 12

暴れるロー対策は紳士の嗜み

ローカットは楽器の葬式です。意図的なラジオボイスなどの音色作り以外では、如何なる時も絶対に行ってはいけませんし、基本的にする必要がないものです(断言)。セクハラは必要悪だから仕方なくてちょっとはくらいは必要悪、なんて戯言と一緒ですよ

 1.楽器職人が膨大な時間をかけ楽器を生み出して

 2.ミュージシャンが長い年月をかけて修練の結果として演奏を行い

 3.マイク職人が精密作業の結果マイクを完成させ

  4.ケーブル職人が丹念に選び抜いた素材でケーブルを作り

 5.時にヴィンテージのトランスや真空管を組み合わせたプリアンプを選定して音を増幅し

 6.数多の選択肢からターゲットにあったADコンバータやSRミキサーをチョイスして  

7.先進のコンピュータでハイテクプログラムであるDAWで先進のプラグインを用いてレコーディングして  

8.ライブであれば音場測定ソフトを使用して徹底的にキャリブレーションして最高の環境づくりを行い  

9.バカなミキサーが安っぽい感性と未熟な経験値でローカットする

 これはもはや悲劇です。まともなミュージシャンや演奏家であれば、低音を生み出すことやコントロールの難しさ(ついでに言うと倍音の恐ろしさ)を痛いほど知っていますし、難しいからこそありとあらゆる選択肢と経験値を持って自分の味方につけていきたいものです。楽器や機材を作る職人たちは、その膨よかな低音を身につけるために木材・金属・新素材ありとあらゆるものを選択肢に入れて日夜研鑽しています

 音楽は大いなるバランスの上に成り立ちます、上下左右前後、音は2つのスピーカーから放たれるだけではありません。全ては連続して常に変化を続ける大いなるうねりです。何かをカットするような歪なものが、バランスや調和を導くことはありません(断言)

 ライブのサウンドメイクについては、特にアマチュアバンドの場合は特に自分たちだけでコントロールできるものではありません。ハウスやその日限りのミキサーともやりとりをしなければなりませんから、ある種出たとこ勝負なものはあるでしょう。しかし、あなたたちの頭の中にある自分たちの理想のサンドを追求することは諦めてはいけません

 まずは第一に死ぬほど練習しましょう。次に事前に話し合って、自分たちのサウンドのビジョンやコンセプトを明確にしておくこと。そしてデモなりスタジオ録音なりレコーディングをして具体的なサウンドとして形にしていくこと。初見のライブハウス関係者が理解できるように、Live用の曲解説と照明イメージを詳細に記載したオーダーシートとともに音源を事前にライブハウスに提出すること。できることは全てやりましょう

 え?そんなめんどくさいことやるんですかって?バカ言っちゃいけない。今ツアーしてる有名なプロバンドの皆さんだって、ライブ用のMCまで入れた通しリハの録音録画データを事前に送ってきますし、照明スタッフなんかは前日ひたすらそれを通しながらチェックしているんです

 さて、ここまでこだわり抜いて自分たちのイズムや生きる証を伝える準備をしたときに、手元のアンプやスピーカーから放たれる音がローカットされたサウンドを組み込んでていいものか?少なくとも僕が聞いてきたライブハウスの帝王たちは、皆押し並べてフルレンジ鳴らし尽くす、頭の上からちんぽの先子宮の奥まで響き渡る心地の良い重低音の使い手たちでした  

Twitterで見かけるフォロワー数千人数万人のアカウントの助言、身近なスタジオの店員さんやよく一緒になるバンドマン。そんなゴミクズの意見なんて一切参考にする必要はありません全部ゴミクソです。そんなものより原点に帰りましょう!あなたが憧れ目標とした音源に学び、可能ならばその中から改善点を見出し進化させて、ライブハウスなどのいい演奏や刺激を受ける環境に足繁く通い、新しく出会う本物を見つけ出しましょう。Twitter見ててもわからない、ライブハウスにだけ生息してる、ライブハウスの中だけで光り輝く、光り輝きまくる帝王たちがゴロゴロしています。たった一つのバンドとの出会いがあなたの脳みそを撃ち抜く時が必ずあります  

今は昔のライブハウスと違って(笑)とてもフレンドリーで真摯で勤勉で熱心な人たちばかりです。本気のバンドマンと向き合っていくのが好きで、人生をそんな世界に賭けたバカがいっぱいいます。あなたの音楽への本気度が伝わったとき、きっと誰より最初に応援してくれるのは彼らです  

さあ頑張って!!負け犬どもの声に耳を傾けず、五臓六腑に響き渡る心地よいメロディを、説得力ある重低音に乗せてオーディエンスに届けてください

*過去に質問箱で回答したものの中から、反響が多かったものを中心に再編集・追記して投稿しています

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