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名刺とハンコ

一年前、全国緊急事態宣言が出た時、「ああ世界が変わるんだ」って感じたけど、結局どれくらい変わったんだろう。

世界が変わっていき、全てが非接触になるから、もう名刺やフライヤーのような手に触れないといけない紙媒体は無くなってしまうんだって、あの時思って、そうなると、名刺に記載される情報は全てデータ化されてスマホの画面上に表示されるだけになり、名刺交換もBluetoothでささっとデータ交換するだけになるから、グラフィックデザインの仕事は減っていくのかなと少し不安になった。スマホの画面で表示するだけならアプリ内のテンプレートを何種類か選べれば十分だろうな。そして同じことがフライヤーやショップカードにも起きるだろうな。だれが触ったかわらないものを手にしようとする人はいなくなってしまうんだろうな、と。

だけど「紙にインク」から「スマホにデータ」へと変われば、載せられる情報の種類や量がもっと豊かになるはずだから、何かできることがあるはずだと、慌ててモーショングラフィックスやアニメーションの勉強を始めたのだけど、夏前には見事挫折していた。


先日。知り合いから名刺のデザインを頼まれ、あれ、まだ紙なんだ、と不思議な気分になった。自分の予想ではもう紙の名刺は存在していないはずなんだけども。気になって、「名刺アプリ」を検索すると、出てくるのは「名刺管理アプリ」ばかりだった。

「名刺を一度に10枚も処理できます。」「カメラで名刺を撮影し」「専属のスタッフがデータ化」

違う、そうじゃない。

データにしてスマホに保存するなら、最初から紙に印刷する必要ないだろう。スマホを名刺みたいに両手で持ってお互いのスマホを近づけると名刺データが交換されてお互いの画面にそれっぽい名刺画像が表示されて…LINEのID交換みたいな…交換されると会社のロゴがアニメーションで動き出すから、だからモーショングラフィックス勉強したんだ…

三流グラフィックデザイナーの自分でさえ思いつくことだから、あの時、当然ほかの誰かも思っただろうし、アプリ製作だってそんな難しいことではないだろうと思うよ。正直アプリのことはわからんけど。

そういうアプリもあるんだけど、ただ流行らなかっただけなのかな。

紙の名刺受け取ってオフィス戻ってから写真撮って、という流れより交換したその場でスマホの管理アプリに収納されるほうがいいと思うんだけど…

日本名刺協会とかあって圧力あったんかな…


結局紙が残ってくれたから、仕事もらえるのでそれはそれでOKではあるが。

いずれにしても遅かれ早かれなんだろうな。

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