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六角ディベートって知ってる?

先日、六角ディベートの実践イベントに参加してきました。政治や行政についての理解を深める趣旨でコピーライター、ロビイスト、エンジニア、デザイナー、翻訳家など様々な職種が9名集まりました。

六角ディベートは国際ディベート学会会長の松本道弘さんが考案され、

・目的は議論の勝ち負けではなくテーマを深掘りすること
・肯定派、否定派、ジャッジに分かれる
・肯定/否定派には役割を与え、決まった流れで進行する(石、風、空、火、水)
 など役割と話す順番が決まっているのが特徴です。

石/立論者・・・定められた立場に沿ってチームの主張を3分間で説明する。
風/質問者・・・相手チームの「石」と3分間の質疑を行い、疑問点や矛盾、不明点を明らかにする。
火/体験者・・・チームの主張に沿って個人的な体験を3分間で話し、ジャッジの共感を獲得する。
水/総括者・・・議論全体を通して得た学びや気付きを取り込み、総括をした上で3分間でチームの主張の優位性を説明する。
空/リーダー・・5分間×2回のサッカーディベートの最初の質問出しを行う。空だけが各パートのメンバーの発言をサポートできる。

そして話す順番は肯定派からスタートし、以下の順番になります。

この流れがよくできていて、が行なった主張にが質問することで、認識や論点のすり合わせを行います。そしてサッカーディベートを挟んでが自らの体験談を語り文字通り議論に熱を加えます。
最後にが議論を総括したところで、一部始終を見ていたジャッジが投票し決着となります。(勝敗は目的ではありませんが)

今回の議題は【住民の学びを支援するために公共施設の有償サービス利用を認めるべきか】で行いました。例えば自治体の施設である公民館では「英会話を3000円で1時間教えます」のような利益の発生しうる有償サービスを行えない決まりなのです。

シェアリングエコノミーが叫ばれている昨今、もったいない気がしてなりませんが、じつは社会教育法にも明記されています。

社会教育法より抜粋
(公民館の運営方針)
第二三条 公民館は、次の行為を行つてはならない。
一 もつぱら営利を目的として事業を行い、特定の営利事業に公民館の名称を利用させその他営利事業を援助すること。

この有償サービスを自治体の施設で行うことを今後認めるべきか否かをテーマに六角ディベートを行いました。9名しかいないため4対4に分かれジャッジ1名とします。実際に行なった、

・チームビルディング1時間 (初めまして〜ディベート準備)
・六角ディベート
・ジャッジからのフィードバック

のうち、六角ディベートの様子だけ動画(音声のみ)にしました。興味のある方はご覧ください。

結論から言うと今回は否定派が勝ちました。ただし情報収集の質・量ともに1時間では不足していましたし、議論が時々かみ合わず、その点ジャッジからも厳しいフィードバックが多く来ました。(フィードバックは割愛しますが、今後アップするかも)

ファクトのない議論に意味はあるのか

ディベートに参加するまではちょっとこう思っていました。ビジネスにおける会議のほとんどは意思決定を目的とします。必要な判断材料(事象、データ)があり、それらを列挙認識した上で出来るだけ合理的なアクションを定めるのが普通です。

今回それら判断材料の不足/曖昧さは認識した上でディベートを行なっていますが「有償サービスを公共施設で提供させると、公民館の既存利用者が困る」などの主張はそもそも検証が可能でしょうか。

ビジネスであれば「それ裏付け取ってきてよ」となりますが、この事象の発生頻度や、どの程度当事者が困るのかというのは、本当に検証しようとすると相当な労力/お金が必要です。

判断材料は足りないながらも可能性を出し切り、全体の認識を深める

冒頭に六角ディベートの目的を書きましたが、これについては間違いなく有用な体験でした。もっと異なる背景の人や当事者を連れてくると面白かったかもしれません。

日常にディベートをする機会なんてになかなかありませんが、世の中について少しでも知ろうとするなら参加する意義は大いにあります。(ディベートを語るにはそもそもディベートを知らなすぎるので引き続き勉強します。←

テーマやメンバーを変えてまた開催されるそうなので、興味がある方はTwitterなどフォローしてください、参加者を募る際は告知します。


それでは。

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