オランダ個人事業主ビザ取得の手順2023年(夫婦で移住)



日本にいるうちに準備しておいた方がいいもの
Aアポスティーユ付き戸籍謄本の入手
B英文の残高証明書、収入証明の準備
Cその他、日本にいるうちにしておいた方が良いこと

オランダ入国後の手続き
D.電話番号
E.銀行口座

IND(移民局)関係の手続き
F.オランダの日本大使館にてFamily Register Certificateを申請し、それを外務省でリーガライズする
G.滞在許可証の申請書類の郵送

【2023年1月に全面改訂】オランダは日本人にとっての移住のハードルが非常に低い先進国の一つです。Dutch-Japanese Trade Treatyというオランダと日本の間の特別協定があり、日本人であればほぼ100%個人事業主としてのVISAを取ることができます。また、個人事業主の配偶者には就労許可が付与され、企業のスポンサーなしで自由に働くことも可能です。
私たち家族(夫婦)は、上記の通称、個人事業主VISAを取得してのオランダ移住に向けて準備を進めてきて、自力でVISA(滞在許可)を取得しました。私たち自身、過去に移住されたブログを読み込み手続きを進めましたが、特にコロナ後に手続きの内容や方法が昔とは大きく変更となっています。本記事は、2022年時点での最新情報(※2023年1月時点の情報でアップデート済み)として、これから個人事業主VISAでの移住を考えてらっしゃる方に対して「これを読めば業者に依頼しなくても自力でVISAを取得できる」ようになってもらうことを目標としています。
また本情報は2023年1月時点で同じだと確認はできていますが、今後変更となる可能性があることはご了承ください。

まず申請を準備する前にご自身が要件を理解し、満たしているのか確認しましょう。

  • 日本のパスポートを所持。

  • オランダで不法滞在、前科などがない。

  • オランダに移住し、ここで生活し、ビジネスを開始すること

  • 4,500 ユーロの開始資本をビジネスに投入できること。 ビザの期間中、この金額を維持する必要があるため、これに加えて事業の運営費を計算してください。

日本にいるうちに準備しておいた方がいいもの

A.アポスティーユ付き戸籍謄本の入手

日本の場合は、通常の戸籍謄本だけでなく、アポスティーユ*付きのものが必要と言われています。本籍のある市役所で戸籍謄本を取得したのち、外務省にてアポスティーユが可能です。
*アポスティーユ: 日本の官公署,自治体等が発行する公文書に対する外務省の証明


※注意点として、現在の戸籍謄本に離婚などの理由により旧姓が載っていない場合、市役所での住民登録時に「旧姓を名乗っていた時期が分かる当時の戸籍謄本」の提示も求められることがあります。オランダ到着後に新規に戸籍謄本を入手するのは厄介であるため、念のため旧姓時の市役所の戸籍も入手しておくと良いかと思います。


アポスティーユについての外務省ウェブサイト
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/todoke/shomei/index.html

IND(移民局)、市役所への登録どちらも原本の提出はありませんので、1通でカバーできるかと思いますが、不安であればIND向け、市役所向けとして合計2通取得していて良いかと思います。

私たちはNew Yorkから直接オランダに移住しました。意外と知られていませんが、私たちは両親にアポスティーユの取得を依頼しました。

 B.英文の残高証明書、収入証明の準備

IND(移民局)での滞在許可証の申請プロセスでは、英文での日本の銀行の残高証明書を求められることはありませんが、家探しの際に残高証明を求められることがあります。日本を出国後は対応が大変になるため、日本出国前に銀行から残高証明書を入手しておくのが良いかと思います。

以前に増して家の賃貸市場が「貸し手市場」となっており、個人事業主や移住してすぐでオランダに収入が無い方が物件を見つけるのが非常に難しくなっています。物件の契約だけでなく、ひどい場合には内見にも収入証明を求められて、そもそも内見まで辿り着けないという話も聞きます。(一方、収入証明や特別な条件など何も必要なく、すぐに決まる人もいるので、どのようなオーナーに当たるか運次第でもあります)私たちはアムステルダムにある不動産屋にてブローカーが日本好きということもあり、サポートしていただきスムーズに家を見つけることができました。

個人事業主としてオランダ移住する場合は、すでにオランダ国内で収入がある人と比べて圧倒的に不利な条件となることを理解して、十分な準備をしておくのが無難です。フリーランスで日本の仕事を継続される方も多いかと思います。日本にいるうちにできる限り、収入証明や確定申告書の控えなどを用意し、それらを英訳をしておいて、収入の証明ができるようにしておくのが良いかと思います。

C.その他、日本にいるうちにしておいた方が良いこと:

・Wise (TransferWise)等の海外口座
後ほど記載しますが、滞在許可証の申請費用や公共料金の支払いは、INDや各会社のオランダ口座への振り込みとなります。オランダ口座への振り込みは通常、IBANという国際銀行番号を使って行いますので、Wise等でEU内の口座を持っておくと、そのままWise上で振り込みができます。(EU内だと手数料は28セント) また後ほど日本からお金を移すのも手数料が安くできます。注意事項は、日本の住所を登録している会員は最大で100万円相当(全通貨の合計金額)までしか口座に保管できないことです。

下記の紹介リンクから口座を作成すると、約75000円までの国際送金手数料が無料になります。

Wiseのリンク
https://wise.com/invite/ih/akiraay66 


日本のクレジットカード作成

クレジットヒストリーが出来るまでオランダ国内のクレジットカードを作ることはできません。またKindleやnoteなど一部のサービスでは日本で発行したクレジットカードしか使用することができませんので、日本のクレジットカードを残しておくのが吉です。私たちのおすすめは楽天カードです。年会費無料かつオンライン上で住所変更もできるため手軽です。(そして楽天ポイントが貯まったら、一時帰国の際に楽天で買い物をすることもできます。)

・各種住所変更

海外に出ると、銀行や免許証などの住所変更をするのが大変になります。可能であれば、日本にいる間に住所を実家など書類の受け取りが可能な場所に変更しておくことをお勧めします。

オランダ入国後の手続き

.オランダに来てすぐにしておいた方が良いこと:

D・電話番号

公共料金などの多くのサービスでオランダの電話番号が求められますので、いち早くオランダの電話番号を持っておく必要があります。アムステルダムのスキポール空港に到着後に空港でSimカードを購入することもできますし、amazonで事前に購入して、手に入れておきました。私達はオランダに行く前にTHREEのSIMを購入し、オランダについてからドラックストアでLebaraのプリペイドSIMを購入しました。LebaraのSIMカードはそのまま月払いプランにも変更できたのでとても便利で現在も使用しています。

THREEウェブサイト
https://www.three.co.uk


E・銀行口座

先進国としては珍しく、かなり多くの場所でクレジットカードやVISA/Mastercardなどのデビットカードが使用できません。唯一使えるのはMaestro対応のオランダ国内の銀行のカード(通称PINカード)という店舗が多くあります。(オランダの大手スーパーAlbert Heijnや、アジア系スーパーAmazing OrientalでもMaestroのみ対応です。またオランダの銀行口座を使ったiDEALという支払い方法がオランダでは一般的です)

一方、オランダの銀行口座を作るには、住民登録が必要で、住民登録には家の契約が必要で、家の公共料金の支払いにはオランダの銀行口座(NLから始まるIBAN)が必要な場合があり、、というループに陥ります。

オランダの各種銀行を検討した結果、bunqだと住民登録前でもオランダの銀行口座を持つことができることが分かりました。オンライン銀行で店舗はなく、本人確認なども日本のパスポートを使って、全てオンラインで完結しますし、オランダの住所も仮の滞在先でOKです。3ヶ月以内にオランダの住民情報(BSN)を提出する必要があります。BSN取得を待たずして、取り急ぎbunqの口座を作成しておくことをお勧めします。
(月々の口座手数料は€2.99から。1ヶ月間は無料です)

bunq紹介リンク(ここから口座開設すると、私にキャッシュバックはありませんが、bunqの計らいで木が植えられます)
bunq.app/invite/akiralimewoodpecker

なお、N26も試してみました。日本のパスポートでドイツの銀行口座(ドイツのIBAN)を作成できましたが、オランダでの銀行口座は持てませんでした。N26を薦めているブログもありますので、こちらは申請方法により違いがあるかもしれません。


下記オランダに来てからの滞在許可証の手続きです。

IND(移民局)関係の手続き、B. 住民登録、会社登録関係の手続きに分けて記載しています。


IND(移民局)関係の手続き


滞在許可証の申請には戸籍謄本の翻訳(英訳もしくはオランダ語訳)が必要です。


F.オランダの日本大使館にてFamily Register Certificateを申請し、それを外務省でリーガライズする

(€ 19 x 人数)

在オランダ日本大使館でのFamily Register Certificateの申請

戸籍謄本そのまま全文の翻訳対応はないため、代わりに下記の書類をオランダの日本大使館にて申請します。

本人:Family Register Certificate
配偶者:Marriage Certificate

<必要書類>
(1) 証明書発給申請書(身分上の事項に関する証明)
(2) アポスティーユ付き戸籍謄本
(3) パスポート
(4) 手数料(1通につき€ 9*)
*2023年1月時点。手数料は書類の受け取り時に支払い。現金での支払いのみですが、お釣りは出ます。


大使館内の窓口は日本人もしくは日本語の喋れる担当者ですが、入口のインターフォンを押したときには英語で話しかけられます。「I’d like to apply for a family register certificate.」などと言えば通じます。

大使館の中にスマホや他の電子機器は持ち込めないため、滞在先の住所や電話番号は紙にメモしておくことをお勧めします。書類は約1週間で出来ます。


<場所>
Tobias Asserlaan, 2517 KC Den Haag
https://goo.gl/maps/BtiAnYKq8Q5qgvJDA


<関連ウェブサイト>
・在オランダ日本国大使館のウェブサイト
https://www.nl.emb-japan.go.jp/itpr_ja/r_shomei.html#mibun


・申請書類
https://www.nl.emb-japan.go.jp/files/100134552.pdf


Family Register Certificateのリーガライズ
在オランダ日本国大使館で作成してもらった書類をオランダ外務省にてリーガライズしてもらいます。窓口は9時から12時半までオープンしており、11時半までに書類を持っていけばすぐにリーガライズしてもらえます。在オランダ日本国大使館で朝に書類受け取り、外務省に出向くと1日で手続きが終わりスムーズです。

<必要書類>
(1) 上記、在オランダ日本国大使館で作成したFamily Register Certificate (Marriage Certificate)
(2) 手数料(1通につき€ 10)
*2023年1月時点。現金不可。支払いには各種クレジットカードも使用できます。

<場所>
Consular Service Centre/legalisation desk (the Ministry of Foreign Affairs)
Rijnstraat 8, 2515 XP Den Haag
https://goo.gl/maps/bidd98aXpLHdcFzJ8


<関連ウェブサイト>

https://www.netherlandsworldwide.nl/living-working/legalisation-foreign-documents/legalisation-of-documents-issued-by-embassies-and-consulates-in-the-netherlands

https://www.government.nl/ministries/ministry-of-foreign-affairs/contact



G.滞在許可証の申請書類の郵送

過去のブログを読むと、IND(移民局)で申請書類の提出をした例や、職員に記載方法を教えてもらった例、現地にて申請の予約を取った例などがありますが、コロナ後の環境変化で今は手続きが大きく変わっています。申請は郵送のみです。申請時にINDでの予約や訪問は不要です。無理やりINDに行っても予約も取れないし、申請も受け付けてくれませんのでご注意ください。
<必要書類>
(1) 申請書類
(2) 外務省にてリーガライズしたFamily Register Certificate (配偶者はMarriage Certificate)のコピー
 もしくは宣誓翻訳家による戸籍謄本オランダ語訳のコピー
(3) パスポートのコピー
※戸籍謄本の英訳とパスポートは原本ではなくコピーですので、ご注意ください。
下記詳細です。

(1) 申請書類
申請書類と実際のpdfを使用した記入例は記事購入後にダウンロードできます。

有料版では私が実際自分取得した過程を踏まえて説明していきます。
私が実際に使用した不動産屋も紹介しております。

目次はこちらです。

1.申請書に必要事項を記入し、IND に郵送する
2. 住所登録可能な物件を借りる
3.市役所に予約を入れる
4.市役所に行き、市役所に登録して BSN を受け取る
5.オランダのプライベート用の銀行口座を開設する
6.IND でバイオメトリクスの予約をする
7.一時滞在許可証受け取りの予約をする
8.DigiDを登録する
9.商工会議所KVKに登録する
10.事業計画書を提出する 
11.オランダのビジネス銀行口座を申請する
12.初期資本投資4500ユーロの入金
13.税理士またはアカウンタントなどによるバランスシートの作成
14.すべてのサポート書類を提出する
15.待つ
16.ビザの受け取りに行く

以上詳しく載せてありますのでご興味のある方は是非ご購読よろしくお願いいたします。

有料版ただいま製作中ですまもなく仕上がります。


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