『HOLIDAY! vol.5.5』開催直前!ハシリコミーズ、Sundae May Clubが語る私たちの音楽とHOLIDAY! RECORDSの魅力
『HOLIDAY! vol.5.5』開催直前!ハシリコミーズ、Sundae May Clubが語る私たちの音楽とHOLIDAY! RECORDSの魅力
今年で10周年を迎え、11月には味園ユニバースで記念イベント『HOLIDAY! vol.6』を行うHOLIDAY! RECORDS。それに先立ち、10月3日(木)に東京・渋谷WWWで10周年記念イベント『HOLIDAY! vol.5.5』を開催する。出演はズーカラデル、Sundae May Club、ハシリコミーズ、ズットユース、秋山璃月。
「今、注目すべきアーティスト」がラインナップされ、特別な一夜になること間違いなしなこのライブ。今回は出演アーティストであるSundae May Club・浦小雪(Vo / Gt)、ハシリコミーズ・松本アタル(Vo / Gt)にそれぞれが音楽を始めた背景やバンドとしてのポリシーなどを深堀り。後半はHOLIDAY! RECORDS・植野秀章さんにも参加し、それぞれのバンドのエピソードや『HOLIDAY! vol.5.5』にかける思いを伺いました。(インタビュー・テキスト:マーガレット安井)
ハシリコミーズ、Sundae May Club それぞれが音楽をやり始めたきっかけ
ーー:まずは音楽を始めたきっかけをそれぞれ聞かせていただきたいのですが。松本さんがバンドを始めたのが確か小学生のころだとか。
松本アタル(以下、松本):そうです、そもそもはテレビでペプシコーラのCMを見た時に、ザ・クロマニヨンズがRamonesの「Blitzkrieg Bop」をカバーしていて、それに衝撃を受けました。その後、YouTubeでTHE BLUE HEARTS、The Clash、Sex Pistolsなどを聴いて。そこでバンドに興味を持ち、ギターを練習し始めました。
ーー:当時はどこで演奏していました?
松本:学校のバザーとかでライブをしていたし、『閃光ライオット』※というオーディションへも応募しました。ただそのころは本当に遊びという感じでやっていて、ライブハウスで演奏したのはここ5年ぐらいのことです。
ーー:浦さんにもお伺いしたいのですが、音楽を始めたきっかけは?
浦小雪(以下、浦):もともと親が車でBilly JoelやCarpenters、The Beatlesなどの曲を流していて、音楽とは身近な環境でした。楽器をやり始めたのは小学4年生の時に、おばあちゃんに言われて渋々ピアノを習い始めたんです。最初は嫌だったんですけど、でもやっていくうちに少しずつ楽しくなってきて。
それで私が習っていた教室では、発表会以外は好きな曲の楽譜を持っていくと、それを教えてくれるスタイルでした。それでピアノの楽譜が載っている雑誌を買ったら「Don't Look Back in Anger」のピアノ譜があり、付属していた模範演奏のCDで初めてOasisを知りました。あとほぼ同時期ぐらいに、地元である長崎の天気予報でAvril Lavigneのミュージック・ビデオが流れていて。それで洋楽を聴くようになった。またそのころから「自分で曲作りたい」となり、ピアノで曲を作り始めました。
ーー:「音楽好き」から「音楽を創作したい」と思うのは、1段階ステップがあると思いますが、何かきっかけとかありましたか?
浦:実は昔から歌詞だけ書いていたんです。もともと歌詞を読むのが好きで、小学校3年生のころにはオリジナルの歌詞を書き始めていました。その後、ピアノを習いだして楽譜も書けるようになり、「曲、作れるじゃん!」ってなった感じです。今も曲を書くときは詩が先だったりします。
ーー:そこからSundae May Clubをやり始めたのはいつごろですか?
浦:高校までは弾き語りをして、ずっと誰にも披露せずに曲を書き溜めていました。大学1年生の時に初めて弾き語りでライブに出たんですけど、それをギターの宮原くん(宮原隆樹)が見に来てくれて「バンドやろうよ」と誘ってくれて。掲示板とかでバンドメンバーを探そうとしていたんですけど、なかなかうまくいかずに悩んでいた時だったんで、やろうとなりました。
ーー:ソロアーティストではなく、バンドをやりたいと思った根源ってなんですか?
浦:Avril Lavigneとかを知った後に、a flood of circleが好きになって。そこで「バンドかっこいいな」と思ったので、その影響が大きいですね。
ーー:Sundae May Clubとは全然タイプの違う音楽性だと感じます。
浦:今やっていることは真逆ですね。ただ一度a flood of circleのような曲を書こうとしたことがあって。でもできあがったら「なんか自分の曲ではない」と感じたんです。その時に「あれはフラッドだから、かっこいい。ならば自分ができる曲を書こう」と思い、今のようになりました。
音楽におけるこだわりは「予想を裏切ること」「仲良くやっていくこと」
ーー:楽曲を作るうえで、影響を受けたアーティストはいますか?
浦:日ごろからさまざまな音楽を聴いているので、特に誰とかなくて。結構散らばっている感じです。
ーー:松本さんは先ほど影響を受けたアーティストに甲本ヒロトさんを挙げていましたよね。確かにハシリコミーズの1st『無理しよう!』、2nd『チェ』はその感じがあると思います。しかし3rdアルバム『I Love you! next to music』では、ソウルやファンクとか今までとは違う音楽性を提示していました。これは何かに影響を受けての変化だったりしますか?
松本:それはさまざまな音楽を聴いて影響を受けたというよりも、意図的に変えようという思いの方が強いです。アーティストをやるうえで留まり続けるのではなく、ずっと変わり続けたいというのが僕の中にあって。だから1枚目、2枚目はもうまったく聴けないんです。なんか、自分の中では嫌な過去みたいになってしまって。たぶん、この前リリースした3枚目もそろそろ聴けなくなると思います。
ーー:1つのジャンルにとらわれないでやるという姿勢って、本当の意味でパンクですね。
松本:常にリスナーの予想を裏切っていきたいです。だからそのためにもたくさんの人に聴いてもらわなきゃいけないんですけどね。
ーー:浦さんは音楽をやる上でのこだわりは何かありますか?
浦:Sundae May Clubはもともとサークルの友達同士で作ったバンドなので、リスナー含めてとにかく仲良くやるのが第一だなと思っていて。ライブでもお客さんを巻き込んで遊ぶみたいな感覚でやっています。
ーー:Sundae May Clubはライブでしかやらない曲とかあるじゃないですか。それって「公演に来たお客さんと自分たちだけの特別な空間を共有したい」という思いからくるのかなと感じていて。
浦:そうですね。バンドだけでなく、一人で弾き語りをする時もそこでしかやらない曲を演奏していて。「今日は来てくれてありがとう、特別にこれをどうぞ」みたいな気持ちでやっています。
ーー:なるほど。友達へのプレゼントみたいな感じですね。
浦:もともと友達が欲しくて音楽活動をずっとやっていたので。みんなの近くにいるバンドでありたいなとは思っています。
二組のライブの特徴は「空気感ができている」「常に進化している」
ここからはHOLIDAY! RECORDSの植野秀章さんにも参加していただき、二組の印象や『HOLIDAY!vol.5.5』への出演理由などの話も聞いてみた。
ーー:植野さんはSundae May Clubとハシリコミーズを知ったのはいつごろでしょうか?
植野秀章(以下、植野):ハシリコミーズは調べていたら2020年にポストをしていて。そこには「人におすすめされた」と書いてありました。そのころハシリコミーズって、YouTubeにアタルくんの白黒のイラストでたくさん曲を上げていて。
松本:めちゃくちゃ昔の話ですね。
植野:それを見て、かっこいいなと思ったんです。あとSundae May Clubはネット上で知ってしばらく販売とかはしませんでしたが、ずっと気にはなっていました。ただあまり接点もなかったので、紹介するタイミングもなくて。でもある時、インスタライブでリスナーさんがおすすめしてくれた音楽を僕と視聴者で共有するみたいなことをやったんです。そこでサンデメを何度もおすすめしてくれるファンの方がいた。それが刷り込みみたいになって、気がついたらずっと頭から離れない存在になっていました。
浦:ははは(笑)
植野:それで「春」というシングルを出した時に、「HOLIDAY! RECORDSで取り扱いたい」と連絡しました。
ーー:ちなみに植野さんは二組のライブをどう見ていますか?
植野:Sundae May Clubは演奏面が特別にすごいとかではなくて、バンドの空気感がすでにあると思っていて。僕はTENDOUJIが好きで。彼らってステージに立つだけで、なにかワクワクする空気感があると感じていて。そんなにライブ歴が長いわけではないと思うのですが、サンデメも同じものを持っていると思うんです。
浦:ありがとうございます。
植野:ハシリコミーズはMINAMI WHEELで初めてライブを見たと思います。その時も「かっこいいなぁ」と感じましたが、その次にLive House Pangeaでライブを見た時にめちゃくちゃ良くて。なんか雰囲気も違っていて、見るたびに進化している印象を受けました。また衣装にしても、前にネットで見た時は怪獣の着ぐるみみたいなのを着ていたが、今はまったく違う。
ーー:さっき松本さんが言っていた「常に変化していきたい」というのがライブに現れているかもしれないですね。
松本:そうかもしれないですね。ちなみに衣装に関しては、周期的に気持ちを切り替えられるよう、違うものに変えたりしています。
SUNNY CAR WASH、tetoなど系譜を今どう捉えているかがわかる『HOLIDAY!vol.5.5』
ーー:松本さんはHOLIDAY! RECORDSをどのタイミングで知りましたか?
松本:高校生のころにSUNNY CAR WASHが好きで。HOLIDAY! RECORDSが当時、推していたのでそのころに知りました。
植野:HOLIDAY! RECORDSに取り上げられるバンドマンあるあるなんですけど、後に知り合って、そのバンドの人のアイコンを見たら、「ああ、昔から『いいね!』してくれてた人だ」みたいなのがあるんです。アタル君はそのパターンですね。
ーー:浦さんはHOLIDAY! RECORDSのことはどのタイミングで知りましたか?
浦:大学2年生くらいの時に、宮原君が「軽音サークルの先輩から教えてもらったけど、このアカウントが紹介しているバンド。絶対好きだと思う」と言ってくれて。浪漫革命とかは確かHOLIDAY! RECORDSの投稿で知ったと思います。
ーー:Sundae May Clubって長崎出身じゃないですか。改めて思うのですが、全国の人にHOLIDAY! RECORDSが知られているんだなと感じます。
植野:本当にうれしいですね。
ーー:そのHOLIDAY! RECORDSが10月3日(木)に10周年記念イベント『HOLIDAY! vol.5.5』を東京・渋谷WWWで開催します。このライブにSundae May Clubとハシリコミーズが出演します。それぞれをブッキングした理由を教えてください。
植野:シンプルに言うと、最近めちゃくちゃ好きでプッシュをしているバンド。あと、HOLIDAY! RECORDSはSUNNY CAR WASHやteto、キイチビール&ザ・ホーリーティッツとかの出会いがあり、扱うバンドの幅が広がったんです。今回のこの東京の周年イベントに関しては、僕の中では「その系譜を、今このように感じています」というイメージでブッキングしました。
ーー:系譜という点では強く打ち出している感じがありますね。SUNNY CAR WASH・岩崎"Adam"優也(Vo / Gt)の新バンド・ズットユースも出演しますし。
植野:「HOLIDAY! RECORDSの今までの流れ」みたいなものを、お客さんには感じてほしいですね。
ーー:最後に松本さん、浦さんに「HOLIDAY! RECORDSはあなたにとってどういう存在か」を聴かせてください。
松本:自分が新しい音楽を知るきっかけとなる場所ですね。知名度とかじゃなくて、本当にピュアに良いバンド・音楽を発信しているし、紹介している。本当に素敵な場所だと思います。
浦:個人的にはさまざまな音楽を知れて信頼できるとずっと感じています。Sundae May Clubとしても大学生のころにバンドを始めて、それほど活動もできなかった時期に頑張って作品を作り、長崎から大阪までCDを発送したり。そういうのがすごく思い出として残っています。それにHOLIDAY! RECORDSを通してさまざまな人に届いていると実感していて。そういう意味ではすべての始まりというか、恩人という存在ですね。
※閃光ライオット
2008年にTOKYO FMのラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!」とSony Musicとの主催によって開催された「ティーンエイジャー参加型ロック・フェスティバル」。
取材・文/マーガレットヤスイ
イベント情報
ホリレコ10周年イベント東京編
10/3(木)渋谷WWW
▼e+ 発売中
http://eplus.jp/holiday241003/
出演
ズーカラデル
Sundae May Club
ハシリコミーズ
ズットユース
秋山璃月(弾き語り)
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