もしきみが憧れの存在に近づきたいのならば

※この文章は2016年に書かれたものです。


もしきみが憧れの存在に近づきたいと思うのならば、
その憧れの人とは違う「かっこいいもの」を見つける事が近道なのかもしれない。
むかしTHE FULL TEENZを見て、そんなことを思った。

HOLIDAY! RECORDSはその活動を始めた当初、THE FULL TEENZのメンバーが主催するインディーズ・レーベル「生き埋めレコーズ」と東京の「Miles Apart Records」から影響を受けた。

販売するバンドも生き埋めレコーズのオムニバス「生き埋めVA」(2014年リリース。NOT WONKやAnd Summer Club、MILKの他にCAR10のメンバーによる別プロジェクトなどを収録)に参加していたバンドや、それに似た雰囲気のバンドを探していた。


ちなみに10年近く前に初めて見たCAR10は、「曲がすぐ終わる うるさいリバティーンズ」みたいだと思った。
過度にリバーブがかかったような強烈な音像をはじめて聞いた時は、面食らった。



THE FULL TEENZは当初はFRUITYやWiennersを思わせるサウンドだったが、そこから変化。
徐々に音像は浮遊感溢れるものになり、名作「魔法はとけた」をリリース。
自主企画のスタジオライブに地方のかっこいいバンドを呼びまくる活動や、メンバー菅沼君の独特なイラストによるアートワークは本当に最高だった。



自由でオリジナルな活動が、すごくかっこよかった。
僕はこの人達と別のものを見つけたかった。

とにかくこの人達と違うものを見つけたい!
対抗心みたいな気持ちもあったかもしれない。

「関東のバンドが多いな。地元関西には面白いバンドはいないのかな?」
そういう感じ。

人と違うものを見つけたい。この気持ちは大事だと思う。

THE FULL TEENZは銀杏BOYZやSEVENTEEN AGAiNが死ぬほど好きな人たちだ。
そして今となっては彼らは ex.銀杏BOYZの安孫子さん(現KiliKiliVilla)と親交があるし、I HATE SMOKE RECORDS(ex.SEVENTEEN AGAiNの大澤さん主宰)からリリースもしている。

だけど彼らが急速にそれら憧れの人と近づいたのは、
THE FULL TEENZからフォロワー的な要素が無くなり、彼ら自身がレーベルを始め、音楽性もオリジナリティを発揮しだしてからだったと思う。

かっこいい人たちは、かっこいいものを知っているし、探求している。

憧れの存在に近づきたければ、憧れの人とは違うかっこいいものを見つける事が実は近道なんだと思う。


さて、今回新譜をリリースするTHE DIDITITS。

THE DIDITITSは異質だ。
素晴らしい実績を持つ大ベテランでありながら、地方の小さなライブハウスで、人気は無いけれどその辺のバンドとはなんだか違う、かっこいい地元バンドと対バンしたがるんだ。

THE DIDITITSは異質でかっこいい。

友達に教わるその前に君が友達に教えるべきだ。
もしくはダサいやつには教えないべきだ。
きっとその方がTHE DIDITITS ハヤシさんは喜ぶと思う。
ハヤシさんは人となんだか違うんだ。


※この文章は2016年に発売されたTHE DIDITITS の“TEENAGE PUNK LOVE”のタワーレコード特典として配布されたB6サイズのジンに寄稿したものを加筆修正したものです。

※THE DIDITISはPENPALSで活躍した林さんを中心とするバンド。
現在は活動を終了し、新たにAFOKとして活動。AFOKにはPENAPLSのメンバーも在籍している。




HOLIDAY! RECORDS
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