ラッキーストライク
を吸っています。
タール11mg、ニコチン1.0mg
吸っていると、ヤンキーじゃん、おっさんか?と言われることが多い。
今回は煙草と思い出の話。
吸い始めたきっかけは、憧れてたお姉さんが吸っていたのを貰ったっていう在り来たりな理由。
スタイルが良くて、美人で、歌が上手くて、さばさばしてて、面白いお姉さん。
ブラックデビルのカフェバニラを貰ったと思う。煙草なのに甘くて、匂いもキツかった。
そのあと、帰り道にキャスターを買って家の前で一人で吸って噎せた。この煙草も甘かった。
それから当時のセフレの影響でアメスピのペリックを吸い始めた。黒いやつ。
着火しづらいしすぐ火が消えるし、煙草初心者には向かない煙草だった。
最初は無理して合わせて吸っていた。
でも、甘ったるい煙草より、煙草らしい苦みが感じられて好きだった。
セフレのことも好きだった。
言うことなんでも聞く都合のいい女じゃ相手にされないって知ったし、2番手は、1番目がいなくなっても1番にはなれないって教えてくれた。一年後にはただの友達に戻っていた。
そのあとは多分、ハイライト、ピース、ラッキーストライク、アメスピをうろうろしていた。
ハイライトは椎名林檎嬢がかつて吸っていて、ピースは友達が吸っていて、ラッキーストライクは尊敬すべき先輩が吸っていた。
ハイライトは今でもたまに吸う。
椎名林檎は敬愛するアーティストだ。
ピースはロイヤルを吸っていたけど高くてやめた。
キャスターより上品なバニラの味で、お高いだけはある。おいしいね。
いろんな煙草を吸ってはみたものの、ここ暫くはずっとラッキーストライクだ。
味と香りが煙草らしい煙草で好き。
少し強くて、吸うとガツンとくるあの感じがたまらない。
それに、大好きな先輩が、酔っ払うと一本頂戴って言ってくるのも好き。
吸いそうな顔でもないし、普段から吸っているわけじゃないのに。
大好きな先輩と秘密を共有しているみたいで好き。
この煙草がわたしの煙草って、あの人の中に残っていると思うとたまらない。
高校時代の特別な人もラッキーストライクを吸っている。
会って一緒に煙草を吸うたびに、お前まだラッキー吸ってんの?俺のこと好きすぎだろ、とか。俺の真似すんなよ、とか言われるけど。
この男は呪いなので、こういうことを未だに言ってくる。特別な人。
ちょっと喜ぶ自分はバカみたいだ。
真似しているわけではないけれど、そいつがラッキーを辞めたらたぶんすこし寂しくなると思う。
呪いの話はまたいずれ。
高校時代にはもう一人特別な人がいて、その女はセブンスターを吸っていた。
悪い女だから、中学時代から煙草を吸っていた。
高校で出会った彼女の喫煙を咎めることはしなかった。
隣で虚ろな目をしながらセブンスターを吸っていた彼女。
彼女のことを、彼女と過ごした日々を、思い出してしまうから、セブンスターは吸えない。
でもきっとどうしようもなく死にたくなった夜に吸いたくなるのは間違いなくセブンスターだ。
セブンスターを吸うやつは大体しょうもないけど、14㎎以外を吸う男に碌な男はいないから気をつけろ、と教えてくれたのも彼女だった。
ちなみにこの教えは外れていない。
更に言うなら私が吸っているラッキーストライクを吸っているやつも大体碌でもないやつばっかりだ。
喫煙者の肩身は狭くなるばかりの世の中だけれど、煙草の味と匂いと、そして喫煙者との思い出が詰まっているから、なかなか捨てられずにいる。
必要に迫られるまでは、まだこのままでいたい。
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