「読む笑い」 『見えてない』⑦
(見えてない⑥の続き)
B:もう1回ちゃんと整理しよう。
見えてるのは俺だけじゃないんだろ?
A:そうだよ。
みんな俺のことが見えてる。
そこの歩いてる人も、
向こうにいる子連れのお母さんも、
赤ちゃんも
みんな俺のことが見えてる。
B:じゃあ、見えてるってことだろ。
みんなお前のことを見て認識してるんだから。
A:それが間違いだったんだよ…。
B:なにで間違いって知ったんだよ!
ネットにでもなんか載ってたのかよ
A:ちがう、最初からそうだったんだよ。
それをずっと黙ってただけなんだよ
B:最初からそうだったって、
お前は見られてる側なんだぞ?
それがどうやって分かるんだよ!
A:いや、俺は生まれた時からそういう存在なんだよ、
B:だから、見えてる見えてないを決めるのは俺らであって。
こっち側が見えてるのに、
見られてる側のお前が見えてないって言うのは違うだろ?
A:ほんとに分かって欲しい!
それが間違いだってことを。
俺は本当は見えていないということを!
(見えてない⑧に続く)
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