喜びは僕を形成する。 怒りは僕を形成する。 哀しみは僕を形成する。 楽しみは僕を形成する。 僕は歩く。 形成された感情のまま。 一歩一歩、歩く。 僕はたくさん傷ついてきた。 僕はたくさん傷つけてきた。 傷つけられてきた事だけを思う、傷つけたのを忘れて。 忘れていく、一歩一歩。
忘れるべきもの、忘れたいもの。 どっちも僕を形成する必要なもので、捨てられない。 でも、どっちも僕を傷つける。 死のうとした時も忘れてはいけないもの。 思い出で生きている。 ただ生きている。 それだけでいいはずだ。 それだけで。
明るい唄を聴く時、きっと何かを変えたいんだろうな。 悲しい唄を聴く時、きっと何も考えていないんだろうな。 唄は今日も僕の中で流れる。 幸せとは程遠い、社会の中で流れる。唄はどんな唄だろう。 どうか悲しい唄でいてくれ。 何も考えずに済むから。 明るい唄はそれからでいい。
灰色の空、曇天。 青白い空、夜。 僕は何で生きているのだろう? 分からなくなるよ。 黄色い空、午後。 茜色の空、夕方。 弱く生きている。 時々負けそうになる。 弱く、弱く。 生きる、それだけで難しい社会で。
いつからだろう。喜ばなくなったのは。 いつからだろう。怒らなくなったのは。 いつからだろう。哀しまなくなったのは。 いつからだろう。楽しまなくなったのは。 喜怒哀楽を返してほしい。 涙もでない。 このままでは、そのまま死んでしまう。 黄色い午後、そう思った。
白い早朝の中、少女が走っている。 父の帰りを待っている。 長いトンネルの向こうは、工業地帯。 もう少しで、父が帰ってくる。 少女はトンネルの前で、父を待っている。 早く帰ってくるのを。 白い早朝の中、もう少しで少女は父に会えるだろう。
死にたい日に限って、青白い夜。 死にたい日に限って、穏やかな日。 どうすればいいのだろう。 苦しい。 生きたい日に限って、満月の夜。 生きたい日に限って、嫌な日。 どうすればいいのだろう。 虚しい。 生きたい、死にたい。 交互にやってくる。 どうか、どうかと咆哮する。 死んでは駄目だ。 そんなこと分かっている。 悲しい、虚しい、苦しい。 それでも生きる。 生きていく。
自分を愛する。 自分を愛する人は他者も愛せる。 本当かどうかは分からない。 他人軸で生きている僕。 それが幸福になれない理由。 分かっている。 とりあえず、他人軸をやめてみる。 それが難しい。 いつか自分を愛せるようになりたい。 それが僕の幸福。
怒られるのが嫌で気をつけるのだけれど、怒られてしまう。 大半は僕のせいで。 もう嫌になる。 どうすればいいのか、分からない。
馬鹿にされる。 多くは許される。 腹が立つ。 そのままになってしまう。 忘れられない、苛立ち。 クソくらえ。 上手くいかない日常。 どうすればいいのだろう。 逃げるが勝ち。 間違えていないあながち。 嘘はつかない自分には。 そう決めたあの日からは。 包丁を握りしめた、あの日の僕に。 よかった、と言えるように。 弱いまま生きている。 そうするしかないと知っている。
そんなの自分次第だよ、とよく云われる。 その度に傷ついていく。 腹の立つことを云われたりやられたり。 自分の考え方次第だって。 殴りたくなるよ。 自分次第という言葉に何回も傷つけられてきた。 でも、そうしないと自分を守れないんだろうな。
僕が転職を考えている時、彼女はリストカットをして、彼はオーバードーズをしている。それだけの話。 「誰もが一度は自殺を考えた。」 どっかの馬鹿が言った。また、「誰もが一度は仕事を辞めようと考えた。」これもどっかの馬鹿が言った。 今必要なのはそんな言葉ではない。 こう言った奴は、本当の絶望を知らない。
どこかで泣き声がした。赤子のようだ。 斜め遠くからだった。 母親は無視している。 僕はどうすることもできなくて、見てみぬふりをした。 黄色い空の下、電車の中。 家々が光って見える。 僕は目を閉じる。 時刻は夕方。 夕立、思ひ、顔、電車、駅、ロータリー、痛み、オーバードーズ、希死念慮、光、田舎、よだか、ヨクト、香り、コーヒー、アルコール、恋、意味はない、君に会いたい、感情、女の子、終点。
青白い夜の中、泣いている少女。 こんな思いをする為に生まれてきたのか? きっと、違う。 そう思いたい。 なぜ泣いているのかは分からないけれど、夜の中、泣いている。 人生は僕らを泣かせようとする。 青白い夜を見て、中指を立てた。
他人と比べる。同僚と比べる。彼と比べる。彼女と比べる。 成績、実績、見た目、金持ち、貧困。 終わりがないな。 止めたいな、止められないな。 人と比べる。自分を責める。殴るなじる。 止めたいな、止められないな。 どうか、自分を愛したい。
届かない。 僕の云うこと。 届かない。 君の云うこと。 100%何て無理で、60%ぐらいが丁度いい。 届けたいけど、君に変換される。 届けたい、僕の云うこと。