麻雀における速度・速度感の話(初級編)

※この記事はたぶん初~中級者向けです。文中に出てくる麻雀用語に関するふわっとした説明が最後にあります。

■麻雀における速度感について

麻雀は一番最初に和了った人だけが和了れるゲームです。※一部例外あり
そのため、麻雀において「速度」の感覚は非常に重要です。では、麻雀において意識すべき「速度」にはどんなものがあるか考えていきましょう。

A自家速度(じちゃそくど)


自家っていうのはまぁ自分のことです。
自分の手の速度は、まぁ配牌を見ればおおよそ見当は付きます。
速度を決める要素としては、

1面子の数
2鳴けるかどうか
3良形(良い形)の数
4孤立牌が真ん中(3~7)サイドか端っこサイド(1289、字牌)か

辺りが関わってきます。おおむね要素が大きい順です。
自家速度だけを考えるなら、いわゆる相対評価か絶対評価かで言うところの絶対評価、つまり絶対速度ということになります。
この絶対速度ですが、まぁ中盤(7~11巡目ぐらい?)にテンパイ、ないしいい感じのイーシャンテンになってないとしんどいじゃないでしょうか。色んな意味で相手次第ですけど。

逆に言うと、それ以上遅そうな手だったらいつもより防御的な手組・打牌をする、という選択肢が生まれるわけです。具体的にどうするか…は長くなるので別の機会に。

自家速度は一番わかりやすいので、まあなんとなく把握しておきましょう。


B他家速度(たーちゃそくど)


他家っていうのはまあ他の人のことです。
他人の手の速度は、まあわかりにくいんですがわかったりもします。

1:リーチがかかったらテンパイ(そりゃそう)
2:鳴いた回数(鳴いたら面子が確定するから)

3:油っこい牌(ドラや真ん中の牌)が出てきた(捨てた)回数
4:手出しの数…はまあめんどくさいからいいや

辺りが関わってきます。おおむね要素が大きい順です。

「2:鳴いた回数」に関しては、2回でイエロー、3回でレッドって感じです。本来は2回でもかなりレッドに近いイエローですが…そこは相手や鳴いた牌によりますね。

「3:油っこい牌」に関しては、ホンイツやチャンタだったりすると極端な捨て牌になるので一概には言えませんが、まあ大体は普通の手なので目安となります。ちなみにホンイツだったら、その染めている色の牌が出てきたらかなり危険信号です。そりゃそうだけど。

「4:手出しの数」はまぁ…把握してるに越したことはないんですが初めの内はほっといていいです。覚えるのめんどくさいし、他の要素に比べればわりと些細なことです。強いて言うなら、「鳴いた直後に出てきた牌」にはちょっと注目しましょう。その周辺を持ってるかも?


さて、自家速度と他家速度がわかれば、どっちが先に和了るかわかるわけです。(大嘘

実際は相手の手なんて全然わからんし、自分の手もツモひとつで大きく変わるので、わりと不安定な目安です。では、これらを把握してどう使うかというと、とりあえずシンプルに「攻めるか守るか」の判断に使います。

・相手より早く和了れる手
・相手より遅いが遅すぎはしない、打点の高い手

ならまあ戦えるわけです。ここでポイントなのは、「テンパイする速度」と「和了れる速度」はちょっと違う、ということです。テンパイ速度が同じでも、待ち牌が1種4枚か2種8枚かでは和了れる速度は大きく異なります。(ちなみに2倍ではないようです)
つまり、あんまりバタバタと鳴いていって最終的にダメな待ちになるよりは、その前にぐっとこらえて良形に待ってから動き出す…という方がよくなるケースはかなりあります。初めの内はなおさらあるので、気をつけてみましょう。

なお、「遅すぎない」というは…まぁどんなに遅くても相手がリーチした時に良形2シャンテンぐらいはないと攻めづらいでしょう。
(もっとも、攻めないとどうしようもないオーラスとかはどっからでも攻めていいです。)


大雑把ですが、とにかく戦うには「武器」(と「理由」)が必要です。「速度」の分類は「武器」ですが、これはほとんどのケースで「速ければ速いほどいい」です。そりゃそうなんですが、そうじゃないケースもあります。

1.速いけど打点がない場合

20000点差があるのに、積極的に1000点を和了ろうとしたりするケース。それしかないならしょうがありませんが、点差に見合った手を作るためにはある程度速度を犠牲にする必要があります。

これは他家速度にも言える点で、ある程度点差がついている相手は、速度低下のデバフが入っていると考えることができます。この考え方は実践でそこそこ役に立つので認識しておきましょう。なお、残り局数が少なければ少ないほどデバフは重くなります。

2.あまりにも速すぎる場合

理論上は「相手が和了る直前に和了る、それまでは打点を高める」のが理想となるため、あまりにも速すぎる場合は打点を高めるのがいい…のですが、他家速度を厳密に読み切るのは無理なので、まぁこれはあんまり考えなくていいです。速いに越したことはないけどちょっと贅沢しちゃおっかな、ぐらいの気持ちでいいです。


C他家速度操作

和了ってもいい人の速度を上げ、ダメな人の速度を下げ…みたいな話です。ただこれはそれなりに具体的な説明が必要なので、別項にて。


以上、速度に関わるおおまかな説明です。3つにまとめるとしたら、


1.基本的には早ければ早いほどいいが、テンパイ速度よりは和了り速度を意識すること
2.遅くて悪い手で勝負しない
3.それぞれの手がどのくらい速そうか、どのくらいデバフがかかっているかなんとなく意識する


こんな感じです。では、速度に気を付けてすこやかな麻雀ライフを!

※今回使用した麻雀用語(さらっと)

〇自家・他家(じちゃ・たーちゃ)
自家が自分のこと、あるいは自分の手のこと。
他家が他人のこと、あるいは他人の手のこと。


〇面子(めんつ)


3枚1セットの組み合わせのこと。和了るにはこれが4つ必要。※一部例外あり。
「東東東」「333」のような同じ牌3枚のセットと、「234」「789」のような連番のセットがある。


〇良形(りょうけい)

とりあえず良さそうな形のこと。23みたいな両面(りゃんめん)形とか。


〇孤立牌(こりつはい)

他の牌とくっついてない牌のこと。ぼっちな牌。


〇テンパイ(聴牌)

もう一枚いい牌が来ると和了れる状況。(役がないと和了れない…とかそういう話はおいといて)


〇和了(あが)り、和了(あが)る

特定の形となんらかの役を確定させた状態。役やドラの数によって点棒をもらうことができる。他のゲームで言うアガリと同じ。


〇イーシャンテン、リャンシャンテン(一向聴、二向聴)

テンパイまで残り1枚ならイーシャンテン、2枚ならリャンシャンテン。漢字のほうがわかりやすいかも。


〇手組(てぐみ)

手の作り方。


〇打牌(だはい)

何を捨てるか。何を捨てないかも含まれてる気がする。


〇鳴(な)き、鳴(な)く

ポンとかチーとか、相手の捨て牌をもらって面子を作ること。鳴きによって作った面子はもう入れ替えられない。あと鳴くとリーチができなくなる。


〇ホンイツ(混一色)、チャンタ(混全帯么九)

役の種類。捨て牌で比較的読みやすい役。詳しい条件はググること。
「染めている」というのは、ほぼ「ホンイツかチンイツを目指している」というような意味。


〇手出(てだ)し

引いてきた牌をそのまま捨てるのをツモ切り、手の中の牌と入れ替えて捨てるのを手出しと言う。手出しだと大抵手が進んでいる。
鳴いた後に何かを捨てるのはまあ手出しの方に分類される…はず。


〇「自分の手もツモひとつで」のツモ

この場合のツモは、「自分が引いてきた牌」のこと。いくつか意味があってややこしい。


〇待ち牌

和了るために必要な牌。


〇リーチ

鳴かずにテンパイしたらできるちょっと特殊な役。とりあえずしとこう。


〇打点(だてん)

主に自分の手が、和了った時どのくらい点数がもらえるか、あるいはもらえそうかを指す。高ければ高いほうがいい。(そりゃそう)


〇デバフ

この場合はハンデとか条件とか不利な要素とかそういう意味。麻雀用語ではないけど一応。

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