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#014 「Nico's Pier 38」といいますがホノルル港の埠頭は何番まであるのか問題

ホノルル港。
2019年の1月に、サンドアイランド側から撮ったものです。

例えば「38番埠頭」をその名に掲げてよく知られているレストランがあったりしますよね。

でも実際のところホノルル港の埠頭は何番まであるのか?
という、これまた普通の人にとっては興味の埒外でどうでもいい、しかしそれゆえに、なかなか知ってる人がいないことがどうにも気になって、調べてみたことがあります。

結論として、53番まで存在するようです。
情報ソースは何かといいますと、ハワイイ州政府・運輸局によるホノルル港の、おそらく2012年に作成されたPDF地図。それぞれの埠頭の配置について記された全12ページのこの資料が、じつに面白い。
興味あるぞという方は、ぜひ資料に目を通してみてくださいな。

その資料の地図部分のみ抽出させていただきました

地図を見ていると、なんでなのかなあ、46〜50番が欠番であることに気付いたりもするんですよね。

さて冒頭の写真に戻りますと、これは2番埠頭。
このタイミングにおいてはちょうど、デカい客船が入港しておりました。
カリフォルニアからハワイイへの、往復14日間の企画ツアーの途上にあったようです。

このツアーに使われていたカーニバル・スプレンダーという名のクルーズ船は、じつに全長290mにもなる、パナマ船籍の大型客船。母港はオーストラリアのシドニーとのこと。
ちなみにこの文を書いているリアルタイムのカーニバル・スプレンダーの所在を確認してみましたら、オーストラリアのシドニー港からニューカレドニアのヌメア港に向かう、その洋上にありました。

ちなみにホノルル港ですが、地図上でも先の州政府によるPDF資料においても「Honolulu Harbor」と記載されていて、じゃあ harbor と port はどう違うんだ?という疑問が湧きます。
調べてみたところでは

「harbor」は、地理的に船が停泊可能で、保護された場所のこと。自然の地形によって形成されているものの他に、人工的に建設されている場所も含む。

一方、「port」は、商業的または軍事的な目的で使用される船舶の停泊場所のこと。貨物の積み降ろしや船舶の修理などの機能を提供する施設を有することがある。

というふうに説明されており、これだと harbor は port を包含する上位概念なのか、と考えてしまいます。
しかし本来的にはそれぞれの語には違いがあるらしく、
harbor の原意は「軍隊をかくまう場所」「波や風から船を非難させるのに好都合な場所」。
そして port は「商港」
が その原意なのだそうです。
性格が異なる。

あるいは
port は「船の出入りに伴う広い範囲」を指すことが多い
のに対し、
harbor は「港湾そのもの」を指すのが普通
だとか
harbor はアメリカ英語でより一般的に使用され、
port はイギリス英語でより一般的
などとも言われたりしますが、実際のところ現代にあっては、両者ともさほどの区別なしに用いられている模様。

さて脱線から話を戻しますと、大陸間移動の手段が航空機に移る以前の時代は海洋交通が主役であり、かつてハワイイを訪れる人はすべて、長い船旅ののち、まずホノルル港に上陸する形となっていました。
そこでレイによる歓待を受けたのち、路面電車やら馬車やらでワイキキ地区のホテルまで移動していたそうで、まあ隔世の感がございますな。

とはいえ今なお、コンテナによる物流には海運というものは欠くべからざる存在であり、このホノルル港の53番まである埠頭も、その多くは、海運の出入りのためのものなんでしょう。
地理的に隔絶された離島ハワイイの生活を支える、重要な窓口です。

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