備忘録

忘れたくないのでインターネッツ上の海馬に書き込んでおく。

日付は2024年の2月の平日くらいで記録しておけばいい。

20:30くらいに帰宅した日。
毎日宿題の取り掛かりが遅いやの、忘れ物したやので叱られている10歳♂が、珍しく鉄血宰相オクサマルクと風呂上がりの様子で和やかに談笑していた。
食卓に並んで座っており、10歳♂の前にはミルク饅頭月化粧のようなお菓子が置いてあった。宰相の体重を越えてしまい膝まで痛めた10歳♂は、我が※における鉄血政策により間食が許されていない。10歳♂がこの時間にお菓子を広げていることも、とても珍しいことだった。
聞いてみると、そのお菓子は10歳♂が友人のS君から貰ったお土産とのことだった。

夕方10歳♂が下校後一人で家にいる際に、同じマンションの別棟に住むS君が訪ねて来てそのお土産をくれた。
『900円したんだって』と10歳♂が言うので、何で人から貰ったお土産の値段を聞いてるんか、とたしなめた。
ところが、値段はS君がお土産を渡す際に伝えてきたらしい。しかも、S君のお小遣いで買ったものとのこと。
小学4年生が恩を売るためにわざわざお土産を買うこともないだろうし、不思議なやり取りをするもんだな、くらいに感じた。
次に何処かに出掛けたら忘れずにS君にお土産買おうな、と言い聞かせた。
また、同じ習い事をしていることもあり宰相はS君の母の連絡先を知っていたので、お礼のメールは既にしており、これくらいでこの件は落ち着いただろうと子供達の寝かし付けの準備を創めた。

10歳♂に明日の準備をさせながら園児共の歯磨きをしていると、宰相のスマホにS君の母から返信が来た。
ひとしきり読み終えた後に宰相は10歳♂を呼んだ。まさか、何かやらかしてたのかと身構えた。
10歳♂が出頭すると、宰相は私も呼び出して返信の内容を告げだした。

S君の母からは、逆に御礼を言われており内容はつぎの通りであった。

・S君は一昨年程前から、学年1の悪ガキAに目をつけられていびられていた
 ※A母がPTAに詫びを入れた事件があることはワイも知っていた
・S君、A、10歳♂を含む何人かで下校中に、AがS君に『お前とは話す価値なんて無い』とイビり始めた
・10歳♂は『俺はそんなことないと思う』と話してから食ってかかり、Aのイビりを止める結果になった
・S君家では10歳♂の行動が話題となり、その後たまたま旅行に行った際に、S君発案でお土産を買うことにした
・S君はお小遣いにて払うことをご両親に提案してお土産を購入した

宰相は上記のことを伝えると、10歳♂を称賛した。
ワイは育ち過ぎて抱き心地が半端ではない彼を抱きしめた。顔は宰相に見られない方向に向けた。
言葉を掛けようと思ったが、声が揺れそうなので抱きしめるだけにした。

共働き、まだまだ手がかかる弟達。小さな反抗期のように言い返すことの多い10歳♂を、未だに上手く導くことも出来ずに叱責してしまうことの方が多い。
親子の間には関係無いことだが、日中は仕事において自分はこんな詰まらない人間であったのかと思うことの頻度が増えてきた。

そんな自分の子供なのに、よくこんなことが出来るもんだな、と。両腕の中の背中に、身体だけでない成長を感じた。
『お父さんもお土産一個食べる?』
と聞いてくるから、何とか
『友達の気持ちだから、貰えんわ』
とだけ返して、自分とは違いクセの強い髪を雑に撫でたあと、まだ顔の向きは変えられないので抱きしめなおした。

その背中は大きく、肉厚で、冷たかった。





冷たい?

まだ寒いこの2月にこのガキ、まだ上半身裸でいやがる。もう21時ぞ。
デブが風呂上がりにオールシーズン暑いのはわかる。ワイも生まれながらのデブや。
しかし、キサマは今シーズンにインフルエンザA型B型両面宿儺しているくらい風邪をひきやすい。いつも寝間着は早く着ろと行っているだろうが!宿題は終わっとるんやろうな?鼻をすするな、いつも耳が悪くなるからやめろと言ってるだろう!

ところで、何で宰相はその横でS君のお土産を当たり前のように食うてるんや?

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