[今日のニュース 8/12]米CHIPS法成立 半導体に7兆円
CHIPS法とは
8月9日、Joe Biden米大統領は「CHIPS and Science Act」に署名した。この法案はアメリカ国内での半導体の生産を促し、供給能力やシェアの拡大を目的としたもので生産や研究開発に527億ドル(約7兆1000億円)の助成金が提供される。
市場に与える影響
コロナ禍において、サプライチェーンの乱れや需要の拡大によって半導体不足が問題になっていた。グラフィックボードの値上がりや、PS5の供給不足、自動車工場の営業停止など半導体不足による出来事は記憶に新しいと思う。現在、スマホやPC向けの最先端技術を使った半導体は需要が落ち着いて供給がだぶついてきたといわれているが、自動車などに使われる数世代前の技術を使った半導体はまだまだ不足が続いている。
このように需要が以前より落ち着いたとはいえ、現代の生活を続けるには半導体は不可欠で、需要が落ち着いてきたとはいえ今後も伸びていく産業であると思う。現在、半導体関連の企業で構成されているSOX指数は年初の高値から40%落ちた後、7月に一旦底値を付け20%ほど上昇している。(下図)
引用:Investing.com
短期では少し上がりすぎな気もするが、数年~数十年単位で見たらまだまだ上値の余地があると考える。
最後にこの法案で恩恵を受けるアメリカの半導体企業をいくつか紹介する。
・Intel
CPU等に利用されるマイクロプロセッサを中心に製造販売。CPUシェア約80%。
・Micron Technology
半導体メモリを中心に製造。
・Qualcom
半導体に加え通信技術にも強みがあり、通信機器に関連する半導体を提供。
・Broadcom
こちらも通信向けの半導体製造メーカー。
また設備投資が盛んになることで、日本の強みである半導体製造装置、検査装置のメーカーも恩恵を受けることになる。これもまた有名な企業をいくつか紹介する。
・東京エレクトロン
半導体製造装置で世界2位。
・レーザーテック
半導体検査装置が主力。
・アドバンテスト
こちらも半導体検査装置で世界首位。