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美容室を開業する前にやったこと、軌道に乗せるためにやったこと(正攻法)

この記事では、これから初めて美容室を開業する美容師の皆様の参考になればと思い
開業前と開業後にやったことをまとめています。

ある程度顧客をつけてきた美容師さまであれば
奇を衒った方法より、正攻法で確実に長く経営できる土台部分になると思います。

軌道に乗るの定義ですが、月間のサロン稼働率40%以上が半年以上続く事とします。

※稼働率については後述します。

【開業前にやったこと5つ】

◯成功事例から分析する

当店はホットペッパービューティーを利用しているので、出店エリアの同じ席規模ランキング上位10位までのサロンを成功事例と定義し、分析しました。

分析項目は

1お店の雰囲気
2スタッフ数
3スタッフのテイスト、キャリア 
4顧客年代比率
5売りのメニュー、人気のメニュー
6平均単価
7スタイル投稿
8ブログ投稿頻度と内容
9口コミの内容
10予約の埋まり具合

上記を分析する目的は

1 → 内装のセンス、清潔感レベル
2 → スタッフの充実度(雇用体系のレベル
3 →スタッフのファッションセンス、熟練度
4 →エリアの顧客年代比率
5 →トレンド傾向、高単価メニューの把握
6 →エリアの単価傾向
7 →スタイル投稿頻度とレベル
8 →お店の雰囲気、スタッフの雰囲気
9 →どんな内容に満足しているか
10 →人気店の最終ジャッジ

上位サロンとはいえ、狙っている顧客層やコンセプトが違うので、完全に真似をするわけではありません。

傾向を知り、差別化を図れるかを確認し、良いところは真似をし、オリジナリティを加えていく。
という作業をしました。


今後数年で自分のサロンは上位に食い込めるのか?
また、上位を取り続ける為には何が必要か?
を考える為の読み解き作業です。

上位10位はサロンボードを利用していないと確認できません。
ただ、ホットペッパービューティーの閲覧はできるので地道に人気店を探すという手段もあります。

どちらにせよ人気店を把握するというのは非常に大事なプロセスだと感じます。


◯コンセプトはシンプルにする

コンセプトはシンプルにして
サロンの雰囲気、清潔感、スタッフの雰囲気、売りとなるメニューに力を注ぎました。

独特なコンセプトは差別化を図れる反面、新規のお客様に対しては来店リスクがあるため、よく考える必要があります。


◯売りとなるメニューを作る
コンセプトとの連動性があり、売りとなるメニューがある方がお客様にとっても来店する理由になります。

ここで注意してほしいのは特化しないことです。

特化するというのは専門系サロンのことです。

特定の人物を想定した戦略は良しとされていますが、美容室の場合トレンドが飽和状態になったり、トレンド自体が崩壊しスタンダード化した際に来店客数が大きく減少する可能性があるからです。

専門店や特化ではなく、あくまでメニューの1つとしてオススメしていますという前提で売りのメニューを作りました。

◯内装費用は極力ケチらない

予算もありますから、難しいところですが

具体的に言えば、入り口、セット面、シャンプー台、トイレの便器、床と壁、音響機器、家具etc...
この中で優先順位を決めてから着工しました。

低単価設定のサロンの場合も内装の質を求めるに越したことはないですが、高単価設定のサロンであれば尚更です。

お客様は目が肥えていますので内装、空間は抜かりなく作りこみました。

◯サロンの平均単価を考えたメニュー価格にする

当店では1.1万円以上(税抜)の平均単価を狙いました。

当店の場合(税抜)
カット5000円
カットカラー10000円〜13000円
カットパーマ13000円〜16000円
カット縮毛矯正22000円〜25000円
トリートメント3000円〜10000円

これをベースに売りのメニューを追加し、ようやく平均単価が11000円くらいになりました。

男女比率は17% : 83%です。
男女比率、メニュー比率によっても単価は変わってきます。

◯アプリを作らない&割引を一切しない

サロン独自アプリはもはやスタンダードですが
作らない選択をしました。

費用対効果だけを考えると、複数店舗であれば作る価値有りだと思いますが
1店舗であれば必要ないと思います。


独自アプリを作った場合の最大のメリットは
・予約管理の1本化
・予約間口の広さ
・顧客の囲い込み

そして、最大のデメリットは
・アプリ利用料
・ポイント付与による手間と割引額
です。


仮説を立ててみました。
・単価1万円
・月間300人来店
売上は300万円

・3割のお客様が10%割引を利用
月間売上は291万円
マイナス9万

・アプリ利用料
マイナス2万円

年間にすると
・割引額108万円
・アプリ利用料24万円

合計132万円の費用が負担になります。

費用対効果を得られるかどうか十分に検討した結果、1店舗であればこの132万円を違うことに使い、他店との差別化を図り価値を生み出していく方が得策だと思いました。

【開業後にやったこと3つ】

◯認知してもらえるように努力する

開業後はサロンの認知度を高めていきました。

ブログ、Instagram、TikTok、Googleなど無料でできる事をコツコツとやっていく事で、自ずと認知されていきます。

ホットペッパービューティーなどの媒体を使うのであれば、より認知度は高くなります。

認知度高める事は集客だけでなく、求人にも繋がりますので是非ともやってみてください。



◯値上げ戦略をとる

サロン全体で予約が取りづらくなってきた場合、需要と供給のバランスを見て、値上げをするという決断をします。
以前よりそうしてきました。

価格に対して技術とサービスが充実すると
需要が増えます。

需要が増え、月間の稼働率80%を超えてくると
かなり予約が取りづらい美容室になっています。

逆に、稼働率が50%未満の美容室の場合は値上げは要注意です。特定の人気スタイリストのみ値上げを行うなど工夫が必要です。

美容室の稼働率についての計算式

・1店舗3席で平均営業時間は9時間
・1人あたり平均1.5時間
・月の売上330万円、客単価11000円とすると300人の客数です。

上記は当店の条件です。
早速、稼働率を計算してみましょう。

・27時間÷1.5時間=18人(1日で対応できる客数)
・18人×23日=414人(1ヶ月で対応できる客数)
・月間300人÷414人=72.5%(稼働率)

となります。

サロン全体で予約が取りづらくなった時は稼働率を計算し、根拠を以て値上げを検討し、場合によっては実行できるようにしたいですね。



◯オリジナル商品は作らない

シャンプー、ヘアマスク、ヘアオイル、バームetc...オリジナルを作りたくなります。

過去にオリジナル処方で全身オイルを300個作成しました。
内容はとても良く使用感も気に入っておりお客様からもご好評でした。
1年で100〜150個くらいは販売しましたが、スタッフもお客様も飽きます。

頑張って2年で300個全て販売できる見込みがあったとしてさらに増産できるかと言ったら少し考えてしまいます。


可能性として、節税対策として、周年の記念など、スポットで作る事は今後検討するかもしれませんが、美容室のサービスの一環で安易に作る事はしません。

既存商品のトレンディーなプロダクトを定期的に入れ替えてお客様におすすめしてあげたほうが満足度は高いと感じました。

【最後に】

上記は私なりの正攻法や考え方のひとつです。

これを読んでいただいた皆様のエッセンスになれば嬉しいです。

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