見出し画像

201.不良教師1400人淘汰辞職の真実


はじめに

以前Twitterで、「不良教師1400人淘汰辞職」に関して論争が繰り広げられているのを目にしました。

当時はこの出来事に関する知識はなかったのですが、その後、これが一体どのような経緯で、何の為に起こった出来事だったのかが判明しましたので、ほとぼりも冷めてきた頃にこっそり記事にしようと考えていました。

そこで、毎日更新を辞めると宣言した次の日に、いきなり記事を更新するわけがないだろうという先入観を逆手に取り、この顛末について書いていきたいと思います。

ちなみに教内本に普通に書かれている内容なので、知ってる人は知っている内容です。


出典はどこ?

まず、この「不良教師1400人淘汰辞職」の出典はどこかと言いますと、「稿本中山眞之亮伝」296pに出てきます。

そこには、

教内の郭清を実施し、教師の行状を正さねばならぬ、という事になって、
1、教師たるの品性を欠き、性行不良なるもの
2、教会の命を用いず、教規教制を守らざるもの
3、有名無実にして、教師の職責を尽くさざるもの
右に該当する者、千四百余名を淘汰辞職せしめた。これは頗る困難な問題であったので、綿密な上にも綿密な調査の上、一切の情実因縁を排除して断行した。
出典:稿本中山眞之亮伝

このように書いてあります。
当時、天理教一派独立の為に政府とのやりとりをしていた中心人物は、松村吉太郎氏です。
そのため、独立運動に関する詳細は「高安大教会史」に詳しく載っていますし、上に引用した「稿本中山眞之亮伝」の文章もほぼ同じ形で載っています。(315p)
(おそらく稿本中山眞之亮伝も高安大教会史から引用したのだと思います)

しかし、これだけでは事の詳細は分かりません。


経緯と結果

明治29年に発令された内務省訓令による天理教弾圧が、ようやく落ち着いてきた明治32年5月、神道本局より一派独立を促されました。
そのため、天理教は一派独立するため本格的に動き始めるのですが、独立を出願する度に、政府から様々な注文を付けて突き返されていました。

その注文の一つが不良教師の淘汰です。

「どうも天理教は、やたらに教師を造るのだね。粗製濫造だよ。だから、絶えず世間の問題を引き起こすのだ」

このように言われた松村氏は、

「言外には、それ(教師の整理)を敢行しなければ、教義も制度も組織も認め難いという意味が汲み取れた」

と大変苦しい胸の内が明かされています。
そして、

信徒といい教師といい、教祖様の教えを奉じて、ただたすけ一条に、まっしぐらにすすんでいるのだ。宗教の世界を、法規で画一的に整理しようとは無理も甚だしい。殊に、身を捨てて伝道に従っている人びとを、どうして捨てられよう。苦慮に苦慮を重ねた。そうして、有名無実者、死亡者などを拾い上げて、千四百名の淘汰を完了したことを報告した。
出典:道の八十年

このように、当時の思いを書き残されています。


「有名無実者」つまり、名前だけで実情が伴ってない人と死亡者の名前を拾い集め、1400名分を淘汰辞職したとして内務省に報告したということです。

明治37年当時の教師数は分かりませんが、明治33年12月31日時点で18,335人が教師として登録されていたそうなので、おそらく当時の教師数は、軽く2万人を越えていたことが予想されます。(「教史点描」参照)
その中から綿密に調査して、そういった教師を拾い集めていたのだと思います。

このことが、あまり語られていないのは、天理教最重要書物である原典「おふでさき」が、昭和3年に発刊されるまで、この世に存在しないことになっていた理由と全く同じだと思います。

(一派独立の為、政府に提出する用に作られた教義書である明治教典の内容も、おふでさきは存在しないことになっているので、「みかぐらうた」を教えの中心にして書かれています)

直球で言うと、「1400名の不良教師を淘汰辞職した」と政府に嘘をついていたわけですから、公には秘密にしておかなくてはいけません。
(厳密に言うと、書類上は本当、事実上は嘘と言う形です)

おそらく、初代真柱と独立運動に関わっていた数名の先人しか知らないことだったのではないかと想像します。
先人の苦労には頭が下がるばかりです。

この出来事の詳細は松村氏の自伝「道の八十年」185〜187pに詳しく載っていますし道友社が出版している「教史点描」215~216Pにも詳細が書かれていますので、気になる方はそちらをご確認下さい。


おまけタイム

どーも!意表を突く男
ほこりまみれの信仰者こーせーです!

毎日更新を辞める宣言をした次の日に更新する。
なんとなくやりたくなったのでやりました!

やっぱり習慣とは恐ろしいもので、睡眠時間に支障がでないように記事を書き上げてしまいました。

とは言っても、今回の記事は前々から書こうと思っていたので、インプットする時間は0ですし、考察する必要も無いので全然時間のかからない記事だったことは口が裂けても言えません。(書くのはOKです)


本日も最後まで読んで頂きありがとうございました!


ほな!

サポートして貰えたら、そりゃめちゃくちゃ嬉しいです!